東野圭吾のおすすめ小説を売上ランキングトップから映像化作品まで紹介

東野圭吾は江戸川乱歩賞や直木賞の受賞歴もある小説家です。

代表的なミステリーだけではなく、社会派小説やユーモア小説など幅広いジャンルの小説を執筆しています。

東野圭吾の作品を読みたくても、「数が多く何から読んでいいか分からない」「自分に合う本を手軽に選びたい」と悩む人も多いです。

本記事では東野圭吾の作品を楽しみたい人に向けて、おすすめの小説30冊を映像化作品も含めて紹介。

好みに合う東野圭吾の作品の選び方や、シリーズ別の特徴も解説します。

おすすめの中から自分に合う作品を選んで、東野圭吾の小説の世界を楽しみましょう。

本サイトが独自に調査した東野圭吾のおすすめ小説30冊は以下の通りです。

東野圭吾のおすすめ小説30冊

東野圭吾のおすすめ小説30冊は以下の通りです。

小説	おすすめポイント	刊行年	出版社
ナミヤ雑貨店の奇蹟	売上ランキングトップの人気作	2012年	角川書店
容疑者Xの献身	直木賞受賞作品	2005年	文藝春秋
手紙	人と人との絆を描いた感動の名作	2003年	毎日新聞社 ※2006年に文藝春秋版を刊行
白夜行	伏線の張り巡らされた緻密なストーリー	2002年	集英社
ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人	華麗な謎解きが楽しめる1冊	2020年	光文社
仮面山荘殺人事件	密室トリックが楽しめる	1990年	徳間書店 ※1995年に講談社文庫に収録
流星の絆	過酷な運命を背負った三兄妹の生きる姿と衝撃の真相	2008年	講談社
新参者	日本橋を舞台としたミステリーが楽しめる	2009年	講談社
ラプラスの魔女	常識にとらわれない空想科学ミステリー	2015年	角川文庫
マスカレード・ホテル	一流ホテルを舞台として繰り広げられる潜入捜査	2011年	集英社
探偵ガリレオ	天才科学者が犯罪と謎に挑むガリレオシリーズの第1作	1998年	文藝春秋
変身	映画化もドラマ化もされ映像で楽しみやすい	1994年	講談社 ※1993年に講談社ノベルズとして刊行
クスノキの番人	東野圭吾の作品で初のアニメ化が決定	2020年	実業之日本社
幻夜	伏線に伏線が絡んだ大長編	2004年	集英社
秘密	切なさあふれる長編ミステリー	1998年	文藝春秋
プラチナデータ	DNA捜査システムが題材の漫画家もされた作品	2010年	幻冬舎
どちらかが彼女を殺した	2人に絞られた容疑者から犯人を探し出す純粋推理小説	1999年	講談社 ※1996年に講談社ノベルズとして刊行
白鳥とコウモリ	自供により解決したはずの事件の裏にある迷宮が魅力	2021年	幻冬舎
ある閉ざされた雪の山荘で	舞台稽古の名目で呼び出された若き男女に起こる殺人劇は驚愕の終幕を迎える	1992年	講談社
透明な螺旋	誰も知らない湯川教授の秘密が空かされる1冊	2021年	文藝春秋
人魚の眠る家	東野圭吾のデビュー30周年記念作品	2015年	幻冬舎
パラレルワールド・ラブストーリー	入れ替わる2つの世界に翻弄される主人公の心情が感じられる	1998年	講談社 ※1995年に中央公論社より単行本刊行
魔球	春の選抜高校野球大会にまつわる事件が読める	1988年	講談社
名探偵の掟	推理小説のお約束を破る痛快な作品に仕上がっている	1999年	講談社 ※1996年に講談社ノベルズとして刊行
歪笑小説	ブラックユーモアを楽しめる1冊	2012年	集英社
恋のゴンドラ	さらっと読める短編集	2019年	実業之日本社
放課後	高校生でも読みやすい犯人候補が続々登場する青春推理小説	1985年	講談社
犯人のいない殺人の夜	渦巻く人間の欲望を描いた7つの短編が読める	1994年	光文社
片思い	ヒューマン・ミステリーが楽しめる傑作	2001年	文藝春秋
浪花少年探偵団	小学校教師と児童が難事件を解決する中学生でも読みやすいストーリー	1988年	講談社

東野圭吾はシリーズ作品から短編まで、幅広い作品を手掛けています。

ミステリーを中心として、ブラックユーモアを扱った作品や社会派に分類される作品までジャンルも豊富です。

好みに合わないジャンルを選ぶと「思っていたのとは違った」と感じる可能性も。

自分にとって興味を持てる作品から読み始め、東野圭吾の世界を楽しみましょう。

ナミヤ雑貨店の奇蹟は売上ランキングトップの人気作

項目	内容
おすすめポイント	売上ランキングトップの人気作
刊行年	2012年
出版社	角川書店

ナミヤ雑貨店の奇蹟は世界で約1,500万冊売れた、東野圭吾の作品の中でも売上ランキングトップの人気作です。

悪事を働いた3人が逃げ込んだのは、過去に店主が悩み相談を請け負っていた雑貨店でした。

廃業しているはずの店舗に、突然悩み相談の手紙が届けられ、戸惑いながらも3人は返事を書きます。

手紙は過去から届いたもので、過去と現在を超えて温かな手紙交換が始まりました。

ナミヤ雑貨店の奇蹟は2012年に角川文庫より刊行され、第7回中央公論文芸賞を受賞した連作短編集です。

次第に明らかになる雑貨店の秘密と、短編が絡み合って分かる1つの結末とは。

東野作品史上もっとも泣けるとも言われるストーリーは、読む人の心を震わせます。

ナミヤ雑貨店の奇蹟は角川つばさ文庫からも発行されていて、子どもでも読みやすいです。

東野圭吾作品の中でも多くの人に読まれた作品を選ぶなら、売上ランキングトップのナミヤ雑貨店の奇蹟は外せません。

容疑者Xの献身は直木賞受賞のベストセラー作品

項目	内容
おすすめポイント	直木賞受賞作品
刊行年	2005年
出版社	文藝春秋

容疑者Xの献身は直木賞を受賞したベストセラー作品です。

ガリレオシリーズの1冊で、以下の短編連作2冊に続いて刊行されたシリーズ初の長編。

• 探偵ガリレオ
• 予知夢

天才物理学者の湯川を悩ませる相手として、かつての親友で正統派の論理を駆使する天才数学者石神が登場します。

天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた石神は、一人娘と暮らす隣人の女性にひそかな恋心を抱いていました。

2人が前夫の殺害に関わった事実を知った石神は、完全犯罪を企てて救おうとします。

湯川に石神が企てた完全犯罪の謎を解けるのかが見どころです。

東野圭吾自身が「正統派ミステリーの中では自分の最高傑作ではないか」と評する、ミステリーらしいミステリーを楽しむなら、容疑者Xの献身を読みましょう。

手紙は人の絆を描いた感動の名作

項目	内容
おすすめポイント	人と人との絆を描いた感動の名作
刊行年	2003年
出版社	毎日新聞社 ※2006年に文藝春秋版を刊行

手紙で描かれるのは、犯罪加害者の家族です。

剛志と直貴は2人きりの兄弟。

弟の進学費用を手に入れようと空き巣に入った家で、兄の剛志は強盗殺人の罪を犯してしまいました。

弟の直貴のもとには、獄中から月に一度手紙が届きます。

進学や恋愛、就職と直貴が幸せをつかもうとするたびに、強盗殺人犯の弟という運命が立ちはだかる過酷な現実。

職場では疑いをかけられ、倉庫へと移動させられました。

家族を持った直貴は、ある決意をします。

人の絆とは何か、いつか罪は償えるのか。

犯罪加害者の家族を真正面から描き切った本作品は、感動を呼びました。

犯罪が家族にまで及ぼす影響や苦悩、人との繋がりに魅力を感じる人は、手紙を読みましょう。

白夜行は伏線の張り巡らされた緻密なストーリーが魅力

項目	内容
おすすめポイント	伏線の張り巡らされた緻密なストーリー
刊行年	2002年
出版社	集英社

白夜行は伏線の張り巡らされた緻密なストーリー展開が魅力の、壮大なスケールで描かれたミステリー小説です。

大阪の廃墟ビルで質屋の経営者の男性が殺害されたところから話はスタート。

容疑者は次々と浮かぶのに各容疑者にアリバイがあり、結局事件は迷宮入りします。

被害者には息子、容疑者の1人には娘がいて、別々の生活を送っていました。

2人の周囲には何かと過去の影や犯罪が見え隠れするのに、証拠は一切ありません。

質屋の経営者が殺害された事件から19年経って明かされる真実とは何なのか。

雑誌掲載時は連作短篇として連載されましたが、刊行に当たって長編に再構成されました。

テレビドラマとしても放送された作品で、幾重にも張り巡らされた伏線を楽しみたい人に最適です。

ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人は手品のような華麗な謎解きが楽しめる

項目	内容
おすすめポイント	華麗な謎解きが楽しめる1冊
刊行年	2020年
出版社	光文社

ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人は、まるで手品のような華麗な謎解きが楽しめる作品として人気です。

ほとんどの人が訪れた経験のない、また訪れようともしない、小さく寂しい観光地が舞台。

再び客を呼ぶための華々しい計画を進めていたところ、世界中を襲ったコロナウイルスの蔓延により中止せざるを得なくなりました。

ようやく見えてきた希望の光をコロナに奪われた上に、町では殺人事件まで発生します。

犯人も犯行の流れも分からず、警察からも何の情報も得られない中、颯爽と現れたのは黒い魔術師。

人を喰ったような知恵と仕掛けを駆使しながら犯人と警察に挑む様子は、最後まで目が離せません。

初めての人も読みやすい華麗な謎解きを楽しみたい人は、ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人を試しましょう。

仮面山荘殺人事件は外部との連絡を断たれた山荘が舞台

項目	内容
おすすめポイント	密室トリックが楽しめる
刊行年	1990年
出版社	徳間書店 ※1995年に講談社文庫に収録

仮面山荘殺人事件は、外部との連絡を断たれた山荘が舞台のミステリー小説です。

車で転落死した婚約者を偲ぶ会のため、湖畔に佇む別荘に集まった8人の男女。

突如侵入してきた銀行強盗、外部との連絡ができなくなった8人は脱走を試みますが、ことごとく失敗しました。

8人の中の1人が殺害されたのに、状況を見ると銀行強盗は犯人ではないと発覚。

残されたメンバーは互いに疑心暗鬼になり、パニックに陥ります。

帯に書かれたキャッチコピーは「スカッとだまされてみませんか」です。

逃れられない山荘で起こった事件の結末とは。

密室トリック好きの人や思いがけない結末を楽しみたい人は、仮面山荘殺人事件を選びましょう。

流星の絆は過酷な運命を背負った三兄妹の生き抜く姿が描かれる

項目	内容
おすすめポイント	過酷な運命を背負った三兄妹の生きる姿と衝撃の真相
刊行年	2008年
出版社	講談社

何者かに両親を惨殺された洋食店「アリアケ」の三兄妹は、「大人になったら、三人で犯人を探して復讐しよう」と流れ星に誓いました。

世間を敵視し、互いのみを信じて結婚詐欺を働きながら生きる彼らが最大のターゲットとして近づいたのは、レストラン「とがみ亭」の御曹司です。

アリアケはオムライスにこだわりのある店でした。

とがみ亭の名物料理はなぜかアリアケのオムライスと同じ味。

犯人を突き止める最初で最後の機会と、完璧なはずの復習計画を仕掛けますが、誤算だったのは妹の恋心でした。

本気で仇の息子に心を寄せる妹、明らかになる衝撃の結末。

流星の絆は、2008年上半期小説部門売り上げ No.1を記録しています。

互いのみを信じて生きる兄妹の姿や衝撃の真相に興味があるなら、流星の絆を読みましょう。

新参者は日本橋が舞台の人情をテーマにした作品

項目	内容
おすすめポイント	日本橋を舞台としたミステリーが楽しめる
刊行年	2009年
出版社	講談社

加賀恭一郎シリーズの1つである新参者は、日本橋が舞台の人情をテーマとした作品です。

着任したばかりの刑事加賀恭一郎は、日本橋の片隅で一人の女性が絞殺された事件へと挑みます。

江戸情緒残る街に暮らす人から手掛かりを探す中で、「なぜ、あんなにいい人が」との声も聞かれました。

加賀恭一郎の前に立ちはだかる、人情という名の謎です。

大切な人を守るために生まれた謎は、やがて犯人へと繋がっていきます。

「人情は彼女を救えなかったのか」とのキャッチコピーに込められた意味とは。

未知の土地を歩き回りながら真相に迫っていく、加賀恭一郎の姿が見どころです。

凶悪な事件とともに扱われているのは、下町ならではのぬくもり。

本橋を舞台としたミステリーを楽しむなら、新参者がぴったりです。

ラプラスの魔女は常識にとらわれない空想科学ミステリー

項目	内容
おすすめポイント	常識にとらわれない空想科学ミステリー
刊行年	2015年
出版社	角川文庫

ラプラスの魔女は常識にとらわれない、超能力とミステリーを融合させた空想科学ミステリー作品です。

遠く離れた2つの温泉地で、硫化水素による死亡事故が起こりました。

検証に赴いた地球化学研究者は、両方の現場で謎の娘円華を目撃。

一方娘のボディーガードを依頼されている元警察官は、彼女には不思議な力があるのではないかと疑い始めます。

2つの死亡事故は本当に事故なのか、それとも犯罪なのか。

ラプラスの魔女はデビュー30周年記念作品として執筆されました。

刊行に際して作者本人からは、「これまでの私の小説をぶっ壊してみたかった。そしたらこんな作品ができました。」とのコメントが寄せられています。

ラプラスの魔女は常識にとらわれない作品を好む人におすすめです。

マスカレード・ホテルは一流ホテルを舞台に潜入捜査が繰り広げられる

項目	内容
おすすめポイント	一流ホテルを舞台として繰り広げられる潜入捜査
刊行年	2011年
出版社	集英社

マスカレード・ホテルは、一流ホテル「コルテシア東京」を舞台に繰り広げられる物語。

都内で容疑者もターゲットも不明の不可解な連続殺人事件が起こりました。

残された暗号を解読した結果、分かったのは次の犯行場所のみです。

犯行場所の「コルテシア東京」で潜入捜査を命じられたのは、若きエリート刑事新田浩介でした。

知能犯との対決を夢見て刑事になり、警視庁捜査一課に所属している彼は、先輩刑事と衝突するほど生意気なところもあります。

新田浩介の教育係となったのは、女性フロントクラークの山岸尚美。

利用者の「仮面」を守るとの信条の元、並外れた観察力と記憶力で利用者をもてなします。

次々と怪しい客が訪れる中、2人は真相にたどり着けるのでしょうか。

ホテルという設定のため利用者全員が怪しく見える中、個性豊かな登場人物が織りなすストーリーと緻密な伏線が作品の魅力です。

潜入捜査に興味のある人は、マスカレード・ホテルを読んでみましょう。

探偵ガリレオは天才科学者が犯罪と謎に挑むストーリー

項目	内容
おすすめポイント	天才科学者が犯罪と謎に挑むガリレオシリーズの第1作
刊行年	1998年
出版社	文藝春秋

探偵ガリレオは天才科学者(物理学者)の湯川学が犯罪と謎に挑むストーリーです。

警視庁捜査一課の草薙俊平には、説明のつかない難事件にぶつかったとき必ず訪ねる友人がいます。

草薙が訪ねる友人こそが、帝都大学理工学部物理学科助教授の湯川です。

突然燃え上がった若者の頭や幽体離脱した少年といった、常識では考えられない事件の真相は。

探偵ガリレオは5つの短編が掲載された連作ミステリーです。

探偵ガリレオシリーズの第1作目で、記念碑的存在として扱われます。

東野圭吾自身が理系出身で、理論的に証明可能なトリックが扱われている点も魅力です。

天才科学者の謎解きを楽しみたい人や探偵ガリレオシリーズを読み進めたい人は、探偵ガリレオから読み始めましょう。

変身は映画でもドラマでも楽しめる

項目	内容
おすすめポイント	映画化もドラマ化もされ映像で楽しみやすい
刊行年	1994年
出版社	講談社 ※1993年に講談社ノベルズとして刊行

変身は原作を読むだけではなく、以下3つの楽しみ方ができます。

• 映画
• ドラマ
• 漫画

映画版は2005年、ドラマは2014年にWOWOWで放送され、現在も動画配信サービスで観られます。

漫画は「HEADS」のタイトルでヤングサンデーから発売。

「文字だけの小説は読みにくい」との理由で東野圭吾の作品を読んだ経験がない人は、漫画から入ると読みやすい可能性もあります。

変身は世界初の脳移植手術を受けた男性に起こった、過酷な運命のいたずらを描いた作品です。

不慮の事故に遭った後で脳移植手術を受けた男性は、手術後に自分の性格が変わっていくのを感じます。

男性には優しい恋人がいて愛し続けたいのに、愛する気持ちが消えてゆく。

自分が崩壊していく恐怖に、男性は移植された脳のドナーを突き止めます。

自分に合うメディアで東野圭吾の世界を楽しむなら、変身がぴったりです。

クスノキの番人は東野圭吾の作品で初めてアニメ化

項目	内容
おすすめポイント	東野圭吾の作品で初のアニメ化が決定
刊行年	2020年
出版社	実業之日本社

クスノキの番人は、東野圭吾の作品で初のアニメーション映画化が決定しています。

主人公は不当な理由で職場を解雇され、腹いせとして罪を犯し逮捕された玲斗です。

同情を買おうと訴えても取り合ってもらえず、送検されて起訴を待つばかりになりました。

突然現れた弁護士に依頼人の命令を聞くなら釈放すると言われ、刑務所行きを避けられるのならと賭けに出ます。

結果依頼されたのは「クスノキの番人」。

玲斗が番人をするのは、祈れば願いが叶うと言われているクスノキです。

クスノキのもとへ祈りに訪れる人々と、玲斗が織りなす物語とは。

クスノキの番人は2026年に全国ロードショー予定なので、映画を見る前に原作を読んでおきたい人におすすめです。

幻夜は伏線に伏線が絡んだ大長編作品

項目	内容
おすすめポイント	伏線に伏線が絡んだ大長編
刊行年	2004年
出版社	集英社

幻夜は伏線に伏線が絡む、四六判で528ページ、文庫版で792ページの大長編です。

主な登場人物は以下の3名。

• 美しいけれど冷徹なヒロイン
• ヒロインを愛し意のままに動く男性
• ヒロインの過去に疑念を持つ刑事

阪神淡路大震災の混乱の真っただ中、衝動的に男性は殺人を犯してしまいます。

殺人を目撃していたヒロインと男性は、手を組んで東京へと出ていきました。

野心のためには手段を択ばないヒロインと、ヒロインを愛するがゆえに指示されるまま悪事に手を染める男性。

成功を極めたヒロインに浮かび上がる、思いもかけない真の姿とは。

白夜行の雰囲気を思わせる作品で、同じ系統の作品を読みたい人にもぴったりです。

伏線が張り巡らされた読み応えのある作品が希望なら、幻夜を読みましょう。

秘密は娘の体に宿った妻との関わりに悩む男性が主題

項目	内容
おすすめポイント	切なさあふれる長編ミステリー
刊行年	1998年
出版社	文藝春秋

自動車部品メーカーで働く主人公の妻と娘が交通事故に遭うところから、物語は始まります。

妻は死亡し、娘は意識を失っていました。

妻の葬儀の夜、目覚めた娘に宿っていたのは妻の魂。

娘の体に妻の意識が宿っているなどと人には言えず、主人公は誰にも秘密で妻の意識を持つ娘との生活が始まります。

娘の身体に宿った妻は、娘の代わりに新しい人生を送ろうと決意。

やがて娘が成長すると周りに男性の影が見え始め、主人公は妻であり娘でもある相手との人間関係に苦しみます。

タイトル「秘密」と、「運命は、愛する人を二度奪っていく」とのキャッチコピーに込められた意味は。

映画化やドラマ化もされた切なさのあふれる長編ミステリーで、終盤に差し掛かったときに感情が大きく揺さぶられます。

秘密は日本推理作家協会賞を受賞した作品です。

他の東野圭吾作品とは異なる読後感を期待する人は、秘密を読んでみましょう。

プラチナデータはDNA捜査システムを題材にした作品

項目	内容
おすすめポイント	DNA捜査システムが題材の漫画家もされた作品
刊行年	2010年
出版社	幻冬舎

プラチナデータはDNA捜査システムを題材にした作品で、警察庁特殊解析研究所に所属する神楽龍平が操って操作を行っていました。

DNA捜査システムは国民の遺伝子情報から犯人を特定する仕組みで、現場の刑事を驚愕させるほど正確。

DNA捜査システムを開発したのは天才数学者の蓼科早樹と兄耕作で、神楽にとっては友人でもありました。

蓼科早樹と耕作が殺害され、犯人を特定すべく現場に残された毛髪を解析した神楽。

示された犯人の名前は「神楽龍平」でした。

事件の鍵を握る「プラチナデータ」という謎の言葉に隠された陰謀とは何か、警察の包囲網をかわしながら神楽は真相にたどり着けるのか。

DNAが人間を構成するプログラムだとすれば、人間と機械の違いや心とは何か、東野圭吾が究極の謎に迫ります。

プラチナデータは同タイトルのまま、バーズコミックス スペシャルで漫画化もされました。

DNAを題材としたサイエンス・フィクションを楽しみたい人におすすめの1冊です。

どちらかが彼女を殺したは2人の容疑者から犯人を探し出す純粋推理小説

項目	内容
おすすめポイント	2人に絞られた容疑者から犯人を探し出す純粋推理小説
刊行年	1999年
出版社	講談社 ※1996年に講談社ノベルズとして刊行

どちらかが彼女を殺したは加賀恭一郎シリーズの1冊で、2人の容疑者から犯人を探し出す純粋推理小説です。

妹が殺害され、自殺の工作までされた愛知県警交通課勤務の和泉康正は、自分自身で犯人に復讐しようと現場の証拠を隠蔽しました。

犯人として浮かび上がったのは、妹の親友とかつての恋人。

なかなか手掛かりが見つからない中、練馬署の加賀刑事は兄の工作を嗅ぎ取っていました。

犯人捜しはもちろん、和泉康正と加賀刑事の対決も見どころです。

「ミステリ界にケンカを売りたかった」と東野圭吾自身が言っているように、どちらかが彼女を殺したは犯人を明示しない形式が取られた異色の作品。

純粋に推理を楽しみたい人は、どちらかが彼女を殺したを手に取ってみましょう。

白鳥とコウモリは自供により解決したと思われた事件の真相を描く

項目	内容
おすすめポイント	自供により解決したはずの事件の裏にある迷宮が魅力
刊行年	2021年
出版社	幻冬舎

白鳥とコウモリは自供により解決したと思われた事件の真相を描いた作品で、自供から始まる新たな迷宮。

2017年に港区海岸に止められた車の中で発見された遺体は、善良な弁護士白石健介でした。

アシスタントからも「良心的な人だった」と評される白石弁護士の事件は、自分が犯人だと名乗り出た倉木の供述によって解決されたかのように思われます。

倉木は白石弁護士の生前、弁護士事務所に電話をかけてきた男として刑事の五代が訪ねた人物でした。

倉木が告白したのは、今回の白石弁護士の事件と1984年に愛知県で起きた殺人事件への関与です。

倉木の自供に疑問を持ったのは、被害者の娘と加害者の息子でした。

互いの父の言動に違和感を抱いていた2人は、五代の知恵を借りながら逢瀬を重ねます。

時間も地域も違う2つの事件の関連と、2人がたどり着く真実とは。

人間の感情が深く描かれている、魅力的な作品です。

自供から始まる作品が好きな人や人間の感情の動きを楽しみたい人は、白鳥とコウモリを選びましょう。

ある閉ざされた雪の山荘では舞台稽古と言われたはずなのに仲間が消えていく

項目	内容
おすすめポイント	舞台稽古の名目で呼び出された若き男女に起こる殺人劇は驚愕の終幕を迎える
刊行年	1996年
出版社	講談社 ※1992年に講談社ノベルズとして刊行

ある閉ざされた雪の山荘では、舞台稽古と言われたはずなのに仲間が消えていく殺人劇です。

オーディションに合格した男女7名は、早春の乗鞍高原のペンションに集まりました。

山荘が豪雪に襲われて孤立しているにもかかわらず、1人また1人と現実にいなくなる仲間。

実際に消えていく仲間を目の前にして、閉ざされた山荘との設定は本当に稽古なのか、現実なのかとの疑惑が生まれ始めます。

芝居と現実の線引きがあいまいになるにつれ、緊迫した雰囲気に。

1度限りのトリックで驚愕の終幕を迎える、長年読み継がれている作品です。

閉ざされた空間の中で起こった事件の緊迫した空気感や驚きのトリックを体験したい人は、ある閉ざされた雪の山荘でを手に取ってみましょう。

透明な螺旋では誰も知らなかった湯川教授の秘密が明かされる

項目	内容
おすすめポイント	誰も知らない湯川教授の秘密が空かされる1冊
刊行年	2021年
出版社	文藝春秋

透明な螺旋は探偵ガリレオシリーズ10冊目の作品で、誰も知らなかった湯川教授の秘密が明かされます。

南房総沖に男性の銃殺死体が浮かんだのと同時に、行方不明者届を出していた被害者の恋人が行方をくらませるところから物語はスタート。

操作に当たった警視庁捜査一課の草薙俊平や内海薫が関係者として行き着いたのは、草薙の友人でもある湯川教授でした。

湯川教授のもとを訪れた草薙が見たのは、横須賀にある両親のマンションで意外な生活を送る彼の姿です。

事件にかかわっているのは1件の児童養護施設でした。

「ガリレオファンは驚くはず、東野ファンはもっと驚くはず」と作者のコメントも寄せられています。

ガリレオの意外な真実を知りたい人は、ぜひ透明な螺旋を読みましょう。

人魚の眠る家は東野圭吾のデビュー30周年を記念して執筆された作品

項目	内容
おすすめポイント	東野圭吾のデビュー30周年記念作品
刊行年	2015年
出版社	幻冬舎

人魚の眠る家は東野圭吾のデビュー30周年を記念して執筆された作品で、脳死をテーマとして扱っています。

播磨和昌と薫子の夫婦は、娘の小学校受験が終わったら離婚すると決めている仮面夫婦でした。

面接試験の予行演習の直前、2人のもとに娘がプールで溺れたとの悲報が届きます。

病院に駆け付けた2人が聞かされたのは、「おそらく脳死」という残酷な診断結果でした。

一度は受け入れたものの、娘との別れを間近にして気持ちが変化します。

医師も驚く方法で娘との生活を続けると決めた薫子の行動は、やがて家族を翻弄し始めました。

狂気とも言える愛が描かれた、ヒューマンミステリーです。

東野圭吾も「自分が書いてもよかったのかと悩んでいる」とコメントしているテーマを扱っているので、作者の違った一面を見たい人に向いています。

パラレルワールド・ラブストーリーの登場人物は入れ替わる2つの世界に翻弄される

項目	内容
おすすめポイント	入れ替わる2つの世界に翻弄される主人公の心情が感じられる
刊行年	1998年
出版社	講談社 ※1995年に中央公論社より単行本刊行

パラレルワールド・ラブストーリーには2つの世界が登場。

主人公の隆史には親友がいて、かつて自分が一目惚れした女性と付き合っています。

嫉妬に苦しむ崇史がある日の朝目を覚ますと、親友の彼女だったはずの女性が自分の隣に恋人として存在していました。

入れ替わり存在する2つの世界の中で、崇史はどちらが本当か次第に分からなくなっていきます。

2つの記憶が存在し、恋と友情の間で翻弄される主人公が描かれた作品です。

三角関係にまつわる心情と入り乱れる2つの世界に、読者は引き込まれていきます。

世界の切り替えや混乱する主人公の心情を感じたい人には、パラレルワールド・ラブストーリーがぴったりです。

魔球は春の選抜高校野球大会にまつわる事件を描く

項目	内容
おすすめポイント	春の選抜高校野球大会にまつわる事件が読める
刊行年	1988年
出版社	講談社

魔球は春の選抜高校野球大会にまつわる事件を描いた青春推理小説です。

開陽高校のエース須田武志は、9回裏2死満塁になったとき、揺れて落ちる魔球を投げました。

すべてが込められた1球は、意外な出来事を引き起こします。

大会終了後、捕手北岡明が愛犬とともに刺殺体で発見されました。

野球部員たちは疑心暗鬼にかられます。

ダイイングメッセージ「マキュウ」に込められた意味とは。

高校生活最後の暗転と永遠の純情が描かれた作品は、第30回江戸川乱歩賞最終候補まで残りました。

高校生や野球を題材に取り上げた作品で、若い世代の人にもなじみやすいです。

身近な題材を扱う作品から気軽に読み始めるなら、魔球を選びましょう。

名探偵の掟は推理小説のお約束を破る痛快傑作ミステリー

項目	内容
おすすめポイント	推理小説のお約束を破る痛快な作品に仕上がっている
刊行年	1999年
出版社	講談社 ※1996年に講談社ノベルズとして刊行

名探偵の掟に登場するのは名探偵天下一大五郎で、推理小説のお約束を破る痛快傑作ミステリーに仕上がっています。

以下の内容を含む12の難事件に挑む天下一。

• 完全密室
• 時刻表トリック
• バラバラ死体
• 童謡殺人
• フーダニット
• ハウダニット

フーダニットは「Who done it」の略で誰が犯罪を犯したか推理する内容。

ハウダニットは「How done it」の略で、犯罪を成し遂げる過程について推理する作品です。

推理小説と言えば誰もが思い浮かべる、典型的な内容が取り上げられています。

すべてのトリックを鮮やかに解き明かした名探偵が最終的にたどり着いたのは、恐るべきミステリー界の謎でした。

名探偵の掟は、ミステリー小説の舞台裏を取り上げた、痛快な作品を楽しみたい人にぴったりの作品です。

歪笑小説は気軽にブラックユーモアを楽しめる

項目	内容
おすすめポイント	ブラックユーモアを楽しめる1冊
刊行年	2012年
出版社	集英社

歪笑小説は気軽に楽しめる、ブラックユーモアにあふれた連作小説集です。

2025年6月現在4冊発行されている〇笑小説シリーズの1つで、4冊目として発行されました。

12種類の短編には以下の内容が含まれます。

• 新人編集者が作家接待ゴルフで見た伝説の編集者の仕事ぶり
• ドラマ化企画の話に舞い上がる若手作家の姿
• 担当編集者に恋心を抱く作家
• 文壇ゴルフに参加した若手有望株作家の1日
• 会社を辞めて小説家を目指す男性

ゴルフに参加した編集者や若手有望株作家の様子など、業界ならではの話題が盛り込まれ、出版業界の内幕を東野圭吾が暴露する作品に仕上がりました。

作家と編集者との関係性を中心に、登場人物が織りなすドラマを楽しめます。

歪笑小説は出版業界の裏側に興味がある人にぜひ読んで欲しい1冊です。

恋のゴンドラはさらっと読めるスキー場シリーズの短編

項目	内容
おすすめポイント	さらっと読める短編集
刊行年	2019年
出版社	実業之日本社

恋のゴンドラはスキー場シリーズに分類される短編集で、さらっと読めます。

都内で働く広太は、合コンで知り合った桃実とスノボ旅行へ出かけました。

ゴンドラに乗り込んできた女性グループのうちの1人は、広太が同棲している婚約者。

ゴーグルとマスクで顔を隠してやりすごそうとする広太ですが、山頂までバレずに済むのか不安です。

収録されている7つの短編には繋がりがあり、真冬のゲレンデを舞台に物語が進行。

何人もの男女を巻き込みながら、衝撃の愛憎劇へと発展していきます。

話が分かれているので短時間でも読みやすく、全体に繋がりも持たせた1冊通して楽しめる構成です。

東野圭吾の小説の世界を気軽に試してみたい人は、恋のゴンドラから読み始めましょう。

放課後は犯人候補が続々登場する青春推理小説で高校生におすすめ

項目	内容
おすすめポイント	高校生でも読みやすい犯人候補が続々登場する青春推理小説
刊行年	1985年
出版社	講談社

放課後は犯人候補が続々登場する、名門女子高を舞台とした青春推理小説で、高校生にも読みやすい作品です。

名門女子高で起きたのは、校内の更衣室で生徒指導の教師が青酸中毒によって亡くなる事件でした。

以下のような犯人候補が次々と登場する中、運動会の仮装行列で第2の殺人が実行されます。

• 先生を2人きりの旅行に誘う問題児
• 頭脳明晰な美少女
• 先生をナンパするアーチェリー部の主将

作者が大学時代にキャプテンを務めていたアーチェリーも取り上げられています。

放課後は第31回江戸川乱歩賞受賞を受賞した、東野圭吾のデビュー作で、東野圭吾の原点とも言える作品です。

年代の近い人物が登場する作品を読みたい高校生や、東野圭吾のデビュー作を楽しみたい人は放課後を選びましょう。

犯人のいない殺人の夜は7編の短編を収録

項目	内容
おすすめポイント	渦巻く人間の欲望を描いた7つの短編が読める
刊行年	1994年
出版社	光文社

犯人のいない殺人の夜は、渦巻く人間の欲望を描いた7編の短編を収録した作品です。

表題作の「犯人のいない殺人の夜」は、岸田家の中で起きた殺人を取り上げています。

殺人が起こったはずなのに、死体もなければ犯人もいない状態で、事件の真相は解き明かされるのか。

「小さな故意の物語」では、主人公の親友が屋上から落ちて亡くなります。

自殺として処理される見通しでしたが、自殺と思えない主人公は様子を探り始めました。

文庫版で371ページと、ページ数も多くありません。

「東野圭吾の本を読みたいけれど元々読書が得意ではない」「長い本が読めるか分からない」といったときも、1編ずつ無理なく読み進められます。

犯人のいない殺人の夜は、短編から東野圭吾の作品を読み始めたい人に最適です。

片思いは30代後半の世代を題材にした傑作ヒューマン・ミステリー

項目	内容
おすすめポイント	ヒューマン・ミステリーが楽しめる傑作
刊行年	2001年
出版社	文藝春秋

片思いは30代後半の世代を題材にしたヒューマン・ミステリーです。

登場人物は大学時代アメリカンフットボール部に所属していたメンバー。

エースクォーターバックだった西脇哲朗はマネージャーの理沙子と結婚しましたが、上手く行っていませんでした。

哲朗は同窓会の帰り道、2人いたマネージャーのもう1人、日浦美月に出会います。

2人が会うのは10年ぶりで、昔から性同一性障害で苦しんできた美月は男として人生を送っていました。

実は美月はある秘密を抱えています。

美月と哲朗が会った翌日、過去に美月と付き合っていた中尾功輔が哲朗の家を訪ねてきました。

30代半ばに差し掛かり、自分たちは変わってしまったのだろうかと戸惑いつつも、美月を助けるために行動を開始。

過ぎ去った青春の日々を裏切るまいと、再びフォーメーションを組みます。

メンバーそれぞれの決断と、「片思い」に込められた意味とは。

恋愛や結婚、仕事に行き詰まりながらも前に進もうとする、人間味あふれる登場人物が織りなすミステリーを楽しみたい人に読んで欲しい1冊です。

浪花少年探偵団は小学校教師と児童が難事件を解決するストーリーで中学生にぴったり

項目	内容
おすすめポイント	小学校教師と児童が難事件を解決する中学生でも読みやすいストーリー
刊行年	1988年
出版社	講談社

浪花少年探偵団は小学校教師竹内しのぶと生徒が難事件を解決するストーリーで、年代が近い中学生にも読みやすい作品です。

しのぶ先生は口も早いが手も早い、大阪下町育ちのユニークな先生。

しのぶ先生が担当する児童の父親が殺害され、家庭内暴力に悩んでいた児童本人と母親に疑いの目が向けられます。

鉄壁のアリバイが成立したものの、疑念を覚えたしのぶは調査を開始しました。

子どもの作文から気づいた事件解決の鍵は、たこ焼き。

ゲームの転売をする家のない子どもや叶わぬ恋に悩む女性社員も登場する、ユーモア推理短編が5つ収録された作品です。

浪花少年探偵団は自分の年代に近い人物が登場する作品を読みたい中学生や、ユーモアあふれるライトなミステリーが読みたい人に向いています。

自分の好みに合う東野圭吾の作品の選び方4つ

幅広いジャンルから自分の好みに合う東野圭吾の作品を選ぶポイントは以下の4つです。

• 映像化された作品から読み始める
• シリーズから選ぶ
• 短編から始める
• ガイドブックから読みたい本を決める

映像化された作品から読み始めれば、ストーリーが分かっているので初めてでも読みやすいです。

東野圭吾の作品にはシリーズ化されたものもあり、シリーズごとに特徴が違います。

興味の持てる作品を中心に読むと、希望に合う可能性も。

短編から始めるとさらっと読めて、自分に合うジャンルを確かめやすいです。

東野圭吾の作品を掲載したガイドブックもあるので、内容を確認してから読む本を決めたい人は活用しましょう。

東野圭吾を最初に読むなら映像化された作品が読みやすい

東野圭吾を最初に読むなら、映像化された作品から入ると読みやすいです。

東野圭吾の作品は数が多くジャンルも幅広いため、「せっかく買ったのに好みに合わなかった」といった可能性もあります。

映像化された作品を観ていれば、自分の好みに合うか判断しやすいです。

映画やドラマを観て面白かった作品があれば、原作を手に取ってみましょう。

原作との違いや文字ならではの表現も楽しめます。

映像を観ていなくても、あらすじや登場人物のイメージから面白そうと思った書籍なら興味を持って読める可能性が高いです。

東野圭吾の作品は多くが映像化されています。

本記事で紹介したおすすめ30選のうち、映像化されていない作品の例は以下の通りです。

• 白鳥とコウモリ
• 魔球

白鳥とコウモリは発売された時期が2021年と新しく、今後映像化が期待されている作品です。

歪笑小説は同じシリーズに属する4冊からいくつかの話が選ばれドラマ化されました。

シリーズ作品も映像化され、映画とドラマ両方が作成された作品も多いです。

映像化された作品は人気が高い作品とも言えるので、自分の読みたい東野圭吾の本が分からない人は映像化された作品を中心に選びましょう。

東野圭吾はシリーズ作品も豊富なのでシリーズで選ぶ

東野圭吾はシリーズ作品も豊富に執筆しているので、シリーズの特徴からも自分の好みに合う作品を選べます。

例えば探偵ガリレオシリーズは、ガリレオと呼ばれる天才物理学者の湯川学が登場。

科学的見地をふまえて事件を解決する、理系出身の作家ならではの知識を生かしたシリーズです。

天下一大五郎シリーズは自称頭脳明晰で博学多才、行動力抜群の名探偵天下一大五郎が主人公。

推理小説のお約束を破る、皮肉を込めたシリーズです。

王道のミステリーとは異なる内容で、痛快な展開が楽しめます。

〇笑小説シリーズはブラックユーモア満載のシリーズで、笑いを求める人にぴったり。

東野圭吾の作品はミステリーが中心でも、シリーズによって王道から笑いを中心としたものまであり、自分の好みに合う作品を選びやすいです。

シリーズ作品なら好みに合う作品が見つかると、発行されている作品を継続して読め、他の作品を探す手間がかかりません。

自分の好きな作品を引き続いて読みたいときは、シリーズに注目して選びましょう。

初心者は東野圭吾の短編から始めるとイメージを掴みやすい

初心者が東野圭吾の作品を読むなら、短編から始めるとイメージを掴みやすいです。

短編は1つの作品がすぐに完結するので、長い時間をかけて自分に合うか判断する必要がありません。

気に入った作品があれば、雰囲気が似ている長編を選んで読むと、引き続き東野圭吾の世界を楽しめます。

本記事で紹介した30作のうち、短編の例は以下の通りです。

• ナミヤ雑貨店の奇蹟
• 探偵ガリレオ
• 歪笑小説
• 恋のゴンドラ
• 犯人のいない殺人の夜
• 浪花少年探偵団

売上ランキングトップのナミヤ雑貨店の奇蹟も短編集で、短編が絡み合って1つの結末を迎える形式です。

探偵ガリレオシリーズの1作目である探偵ガリレオも短編集なので、「ガリレオシリーズを読むか迷っている」といった人は作品の雰囲気を知るのにぴったり。

恋のゴンドラはスキー場シリーズ4冊のうち唯一の短編で、シリーズのイメージを確かめたい人にも向いています。

東野圭吾の作品を初めて読むときは、さらっと読める短編から始め、イメージを掴みましょう。

東野圭吾のガイドブックから読みたい本を選ぶ方法もある

東野圭吾の作品は数多いので、自分の読みたい本が選べるようガイドブックも販売されています。

刊行されているガイドブックは以下の通りです。

書籍名	刊行年	出版社	内容
東野圭吾公式ガイド	2012年	講談社	・著者による全作品解説 ・人気シリーズの解説ページ ・著者公認人気作品ランキングの結果
東野圭吾公式ガイド 作家生活35周年ver.	2020年	講談社	25周年版公式ガイドに新作の自作解説とロングインタビューを追加
東野圭吾全小説ガイドブック	2011年	洋泉社MOOK	小説の内容を徹底解説
増補改訂版 東野圭吾全小説ガイドブック	2013年	洋泉社	・小説の内容を徹底解説 ・コラムも収録

東野圭吾の小説ガイドブックで、刊行年が新しいのは2020年の東野圭吾公式ガイド 作家生活35周年ver.です。

2012年に刊行された東野圭吾公式ガイドを元にしていて、著者による全作品解説が魅力。

著者公認人気作品ランキング結果も公表され、人気作から読みたい人にも最適です。

新たに発行された作品の解説も加わり、96作目のクスノキの番人まで取り上げられています。

ロングインタビューも収録されていて、本としての読みごたえも抜群です。

著者本人の解説を元に自分が読みたい作品を選ぶと、好みに合う可能性も。

増補改訂版 東野圭吾全小説ガイドブックでは、本格推理作品やサイエンス系作品とジャンルが分類されています。

「今の気分で選ぶ どんな作品を読みたい! ? 東野作品82作!」という名称のコラムも収録。

気分に合わせて選ぶべき作品を診断できるため、自分では選べない人にぴったりです。

作品の内容やコラムを元に読む作品を決めたい人は、ガイドブックを活用しましょう。

東野圭吾の小説のシリーズを一覧で紹介

東野圭吾の小説のシリーズ一覧は以下の通りです。

シリーズ	特徴	作品数
加賀恭一郎シリーズ	人情も描いたミステリー	12冊
探偵ガリレオシリーズ	科学的見地をふまえて専門的なトリックを描く	10冊
マスカレードシリーズ	高級ホテルを舞台とした潜入捜査が見どころ	4冊
スキー場シリーズ	スピード感のある展開を楽しめる	4冊
ラプラスの魔女シリーズ	科学と空想を融合させた作風	3冊
〇笑小説シリーズ	ブラックユーモアあふれる短編集	4冊
天下一大五郎シリーズ	ミステリーの約束事を覆す	2冊
浪花少年探偵団シリーズ	幅広い年齢層向けのライトなミステリー	2冊
ブラック・ショーマンシリーズ	破天荒な黒い魔術師が活躍	2冊
クスノキの番人シリーズ	祈れば願いが叶うと言われるクスノキにまつわる温かいストーリー	2冊

※2025年6月現在

東野圭吾の小説には、主に10種類のシリーズがあります。

中でも冊数が多いのは加賀恭一郎シリーズと探偵ガリレオシリーズです。

じっくりと東野圭吾の世界を楽しむなら、加賀恭一郎シリーズまたは探偵ガリレオシリーズが向いています。

他のシリーズは2冊～4冊程度で、読破しても膨大な時間はかかりません。

読み応え重視なら冊数の多いシリーズ、手軽に東野圭吾の作風を楽しむなら冊数の少ないシリーズから始めましょう。

加賀恭一郎シリーズは心情も描いたミステリー作品

加賀恭一郎シリーズは人情も描きつつ事件を解決していくミステリー作品です。

同シリーズに分類される12冊は以下の通り。

• 卒業
• 眠りの森
• どちらかが彼女を殺した
• 悪意
• 私が彼を殺した
• 嘘をもうひとつだけ
• 赤い指
• 新参者
• 麒麟の翼
• 祈りの幕が下りる時
• 希望の糸
• あなたが誰かを殺した

大学卒業後に教師となった加賀恭一郎は、ある出来事をきっかけに退職して父親と同じ警察官になりました。

被害者はもちろん、加害者に対しても思いやりややさしさを見せる加賀恭一郎の姿もあり、ミステリーファン以外からも広く支持を集めています。

1冊目の「卒業」には加賀恭一郎の原点が描かれました。

現役大学生だった加賀が、女子大生がアパートで殺害された事件を発端とした謎に迫るストーリーです。

「希望の糸」は加賀恭一郎の従弟松宮刑事が主人公として登場するスピンオフ作品。

加賀と松宮が捜査しても、被害者に関する手がかりは善人という情報のみといった状況でストーリーが進みます。

加賀恭一郎シリーズは、人情味あふれる刑事が織りなす物語を読みたい人にぴったりです。

探偵ガリレオシリーズは専門的なトリックが楽しめる

探偵ガリレオシリーズはガリレオと呼ばれる天才物理学者の湯川学が事件を解き明かす、専門的なトリックを楽しみたい人に向いています。

シリーズに分類される10冊は以下の通りです。

• 探偵ガリレオ
• 予知夢
• 容疑者Xの献身
• ガリレオの苦悩
• 聖女の救済
• 真夏の方程式
• 虚像の道化師
• 禁断の魔術
• 沈黙のパレード
• 透明な螺旋

加賀恭一郎シリーズでは人情を中心にストーリーが進行。

探偵ガリレオシリーズには冷静沈着な主人公が登場します。

作者が理系出身で理論的に証明可能なトリックを採用していて、読者も推理を楽しめるので、作品を読みながら推理したい人にもぴったりです。

2007年のドラマ化によって人気を集めているシリーズで、「ガリレオの苦悩」にはドラマ化をきっかけに生まれた女性刑事の内海薫も登場しました。

女性視点が加わってさらに物語が深みを増し、話が進むにつれて湯川教授の秘密も明らかになっていきます。

禁断の魔術から沈黙のパレードまでは6年間期間が空きました。

2021年に10作目の透明な螺旋が発行されています。

トリックや推理を楽しみたい人は、探偵ガリレオシリーズを読んでみましょう。

マスカレードシリーズは新作も予定されている

マスカレードシリーズは高級ホテルを舞台とした作品で、新作の発売も予定されています。

2025年6月までに刊行された作品は以下の通りです。

• マスカレード・ホテル
• マスカレード・イブ
• マスカレード・ナイト
• マスカレード・ゲーム

新作は2025年7月に発売予定の「マスカレード・ライフ」です。

マスカレード・ライフでは、過去の作品でも舞台になったホテル「コルテシア東京」で日本推理小説新人賞の選考会が行われます。

受賞候補者として死体遺棄事件の重要参考人が会場に現れました。

警視庁を辞めてコルテシア東京の保安課長になった新田浩介は、利用者の安全確保を第一として新たな活躍を見せます。

マスカレードシリーズは、コルテシア東京のフロントクラーク山岸尚美と新田の関係性も楽しめるシリーズ。

山岸は利用者の仮面を守ろうと心を配り、新田は犯人の仮面を暴くのが職務です。

信条は違ってもやがて名コンビになっていく2人の活躍を楽しみたい人には、マスカレードシリーズが向いています。

スキー場シリーズは特殊なロケーションを活かしたスピード感のある展開が魅力

スキー場シリーズは、ゲレンデという特殊なロケーションを活かした、スピード感のある展開が魅力です。

シリーズに分類される作品は以下の4冊で、恋のゴンドラのみ短編集。

• 白銀ジャック
• 疾風ロンド
• 恋のゴンドラ
• 雪煙チェイス

ゲレンデで起こる事件にはタイムリミットがあり、時間内に謎を解決しなければいけません。

例えば白銀ジャックでは、年の瀬のスキー場に爆弾を仕掛けたとの脅迫状が届きます。

状況から警察に通報できないでいるうちに、トリッキーな身代金強奪が繰り返されました。

犯人との命懸けのレースを通して、ゲレンデを乗っ取った犯人の動機を明かせるか。

雪煙チェイスでは、殺人の容疑をかけられた大学生が登場します。

彼のアリバイを証明できるただ1人の人、スキー場で出会った美人スノーボーダーを見つけ出せるのか。

白銀ジャックや疾風ロンドの登場人物も再登場し、ノンストップミステリーが繰り広げられます。

スキー場シリーズは、どんどん展開していくストーリーを楽しみたい人に読んで欲しいシリーズです。

ラプラスの魔女シリーズは科学と空想を融合させた作風が特徴

ラプラスの魔女シリーズは、科学と空想を融合させた常識にとらわれない作風が特徴です。

シリーズに分類されるのは以下の3冊。

• ラプラスの魔女
• 魔力の胎動
• 魔女と過ごした七日間

デビュー30周年記念作品として執筆されたラプラスの魔女は、東野圭吾が今までの価値観を壊して執筆した作品です。

1作目で登場した謎の娘円華には物理現象を予測する力があり、2作目の魔女の胎動で次の3人の悩みを知る鍼灸師の前に現れます。

• 成績不振に苦しんでいるスポーツ選手
• 息子が水難事故で植物状態になり立ち直れない父親
• 同性愛者への偏見に悩んでいるミュージシャン

挫けかけた人々が円華の力や助言で光を取り戻せるのか、彼女の献身に注目が集まります。

3作目魔女と過ごした七日間は、円華と父を亡くした少年との冒険が主題の、著作100冊目にあたる記念すべき作品です。

少年の冒険に警察が関わるミステリーと空想科学が融合し、圧巻の傑作に仕上がっています。

東野圭吾が過去作の価値観を壊して挑んだ空想科学ミステリーを楽しむなら、ラプラスの魔女シリーズがおすすめです。

東野圭吾は幅広いジャンルの作品を執筆

東野圭吾はミステリー作家ですが、ミステリーのみにとどまらず幅広いジャンルの作品を執筆しています。

東野圭吾が執筆した主なジャンルは以下の通りです。

• ミステリー
• サスペンス
• ファンタジー
• ユーモア小説
• サイエンス
• スポーツミステリー

例えばプラチナデータはサイエンスフィクション、ナミヤ雑貨店の奇蹟はファンタジーと、作風の違う小説も楽しめます。

1958年大阪府生まれで、デビュー作は第31回江戸川乱歩賞受賞を受賞した「放課後」です。

工学部卒業やエンジニアとして働いた経歴を生かし、科学にまつわるミステリー小説も多く執筆しています。

作品別の受賞歴は以下の通りです。

作品	受賞歴
放課後	江戸川乱歩賞受賞
秘密	日本推理作家協会賞
容疑者Xの献身	直木三十五賞、本格ミステリ大賞
流星の絆	新風賞
ナミヤ雑貨店の奇蹟	中央公論文芸賞
夢幻花	柴田錬三郎賞
祈りの幕が下りる時	吉川英治文学賞

実際に受賞した作品以外に、受賞候補として取り上げられた作品も多くあります。

作家としては以下の賞を受賞しました。

• 野間出版文化賞
• 菊池寛賞
• 日本ミステリー文学大賞

東野圭吾にも売れない時代はありましたが、「秘密」で日本推理作家協会賞を受賞し、同作品がドラマ化されてから大ブレイクを果たしています。

東野圭吾の作品は読みやすさとテンポの良さが魅力

東野圭吾の作品の魅力は、読みやすさとテンポの良さです。

読みやすさの理由として考えられるのは、描写の細やかさ。

登場人物の見た目や感情が分かりやすいよう、細かい表現で描写されています。

読者の頭の中に登場人物のイメージや情景が浮かび、すらすらと読み進めやすいです。

漢字とひらがなのバランスがいいのも、読みやすい理由の1つ。

漢字が多すぎるとページ自体に圧迫感があり、読みにくさを感じる可能性もあります。

ストーリー展開に必要な表現以外は極力削り、読者に必要な情報のみに絞ってあるので、読むのに必要以上の時間もかかりません。

必要な情報のみで構成されているためテンポが良く、どんどん読み進められます。

東野圭吾の作品は斬新なストーリーが多く、意外な結末を迎えるケースもあり、エンターテインメント性が高いです。

取り上げられているテーマが幅広く、好みに合う作品が見つかりやすいのも魅力。

まだ東野圭吾の作品を読んでいない人は、一度手に取ってみましょう。

東野圭吾の小説は作風の変化も楽しめる

東野圭吾の小説は、時期による作風の変化も楽しめます。

初期の頃は本格推理小説を多く執筆し、トリックの推理や結末の意外性を重視していました。

1986年に白馬山荘殺人事件が刊行された時点では、「密室や暗号といった小道具が大好きで時代遅れだとしてもこだわり続けたい」と語っています。

しかし1990年に宿命を発表したときには、「トリックや謎とは別のタイプの意外性も想像したい」と考えが変わっている様子もうかがえました。

実際1999年に刊行された名探偵の掟では、ミステリー界のお約束を破る作品も執筆しています。

近年は社会派に分類される作品も増え、同じ人が執筆したか不思議に思うほど幅広い作品を提供。

東野圭吾自身が1冊の本を手に取った経験から小説の執筆を始めた経緯があり、電子書籍はほとんど提供していません。

例外的に新型コロナウイルスが流行して外出できなかった時期に、映像化されている7作品のみ電子化を許諾しました。

東野圭吾の作風の変化を楽しむなら年代に注目して、発行年の古い本と新しく出版された本を読み比べましょう。