遠方から足を運ぶファンも多い、東京・祐天寺の人気ジェラテリア「アクオリーナ」。
約7年に渡るイタリア修業で料理や加工肉、デザートなどの幅広いジャンルの技術を習得し、帰国以来ジェラート職人の道を歩んでいるオーナーシェフの茂垣綾介さんは、豊富な知識と経験をベースに、旬の素材の魅力をギュッと詰め込んだ多彩なジェラートを次々と生み出しています。
水や空気も重要な材料となり、素材の成分や組成への理解も要するなど、化学的な視点も不可欠なジェラートづくり。
本場イタリアで講師を務めた経験ももつ茂垣さんが、ジェラートの歴史や特徴、製法や理論、素材について解説するとともに、オリジナルのジェラート125品のレシピを披露します。
大きく4つに章立て。約40ページを割いた第1章〜3章はジェラートに関する知識や理論を深く理解するための内容とし、第1章ではジェラートの歴史と特徴を紹介、第2章ではジェラートづくりの基本的な製法と理論を解説、第3章ではジェラートに使われる主要な素材について掘り下げます。


第4章では、オリジナリティあふれるジェラートのレシピを125品紹介。水と果物がベースとなる「ソルベット」と乳製品を使う「ミルク系ジェラート」に分け、それぞれのレシピの組み立て方や基本製法を解説後、前者は製法の違いで3項目に、後者は「ミルク・乳製品」「卵」「チョコレート」「和素材」など11項目に細分化して具体的なレシピを記載しました。
ジェラートのレシピは、一般的な製菓のそれとは異なり、使用する素材に含まれる固形分(糖分や脂肪分など)と水分の分量(g)と割合(%)でレシピを組み立てるのが特徴。代表的なフレーバーのみ配合表のほかにプロセス写真を添えて工程を解説し、ほかのフレーバーは基本的に工程の順番のみを記載しています。


化学的かつ論理的な視点と感覚的な視点から、おいしさにアプローチ。甘味や酸味の感じ方、冷たさの印象、テクスチャーや口溶けなどをコントロールしているのです。多彩な色合いと状態が変化しやすいという儚さで見た目にもおいしいジェラート。レシピを紹介する125品の写真を見るだけでも楽しくなるはずです。
*編集部だよりは、こちら