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2008年06月 カリスマレビュー

2008年06月06日

食べられる部分は少ないけれど美味! アーティチョーク特集♪

 アーティチョークは、地中海沿岸地域が原産といわれ、
 古代ギリシャ人やローマ人に珍重されたキク科の植物。

 イタリア、スペイン、フランスで広く栽培され、品種も多く形は、
 丸いもの、先端のとがったもの、色は、青や紫色をおびた暗緑色
 をしたものなど色や形にも違いがあります。

 開花前のつぼみの芯とまわりを覆っている深い刻みの入った
 葉の根元部分が食用で、チョークと呼ばれる中心部のけばだった
 部分(花になるところ)は食べれません。

 通常、茹でたり、蒸したり、焼いたりと加熱し、葉の部分を
 一枚ずつはがし、歯でしごいてて食べます。

 芯の部分はサラダや前菜、付け合わせなどにも使われます。
 チョーク部分が発達しない小ぶりで紫色をしたアーティチョーク
 は生で食べることができるものもあるようです。

 アーティチョークは、カリウム、マグネシウムを多く含み、
 葉酸も豊富。胆汁の分泌を促し、利尿効果、肝機能を高めます。
 アーティチョークのエキスでつくった“チナール”という
 リキュールは、ストレスをやわらげて、リラックス効果もあり
 昔から薬用として飲まれていたようですよ。

 アーティチョークのオイル付けや、ペーストなど加工品も多く
 販売されていますが、店頭で生のアーティチョークを見つけたら、
 独特のほろ苦さを味わってみてくださいね。

 ◆「イタリア料理教本・下
 著者:吉川敏明 価格: 4,410円(税込)

 イタリア料理の知識と技術を網羅した一冊。
 下巻は、肉類の種類や名称、伝統料理のほか、野菜、豆、野草、
 香草、スパイス、菓子類などを掲載。

 カルチョフィ(イタリア語でアーティチョークのこと)を
 つかった料理4品をご紹介しています。
 ◎カルチョフィのローマ風
 ◎カルチョフィのユダヤ風
 ◎カルチョフィのフライ
 ◎カルチョフィのガーリック・ソテー

 たとえば、“カルチョフィのユダヤ風”。
 下処理をしたカルチョフィをまな板に軽く打ちつけ花弁と花弁に
 すき間をつくり、油で揚げた一品。
 葉の一枚一枚が花が開いたようになり、
 カラッとした歯ざわりも楽しめそう。
 春先になるとローマのテヴェレ川沿いにあるユダヤ寺院のまわり
 にあるお店では、かならずメニューに載るそうです。

 巻末では、イタリア各州の特徴(料理、お祭り、ワインなど)も
 掲載しています。

 ※「イタリア料理教本・上」も発売中です。下巻と合わせてどうぞ。

 ◆「イタリア料理アイデア集 アンティパスト」 
 著者:小林幸司/日高良実/山田宏巳
 価格: 3,675円(税込)

 3人の人気シェフによるアイデア前菜96品を掲載した一冊。

 本書では、シェフそれぞれのアーティチョークをつかった料理を
 ご紹介しています。

 ◎クレシェンツァチーズとアーティチョークのババロア、
 ねぎのフォカッチャ添え(小林シェフ)

 アーティチョークのピュレとクレシェンツァチーズでつくった
 ババロアのさわやかな苦みと、かすかな甘みのあるフォカッチャ
 のバランスが絶妙な、これから暑くなる季節にぴったりの一品。

 ◎アーティチョークの原塩包み、オーブン焼き(日高シェフ)

 若いアーティチョクをつかい、葉の間にミントハーブを詰め込み、
 原塩または粗塩で包みオーブンで焼き上げた一品。
 シンプルだけど、アーティチョークの甘みをおびた独特の苦みが
 味わえます。若いアーティチョークなら葉をまるごと食べられる
 そうです。

 ◎季節の野菜と自家製生ハムとモルタデッラのムース(山田シェフ)

 アーティチョーク、ねぎ、アスパラガス、小かぶ、ピーマンなど
 の季節の野菜と自家製ハムが一つの皿で楽しめる一品。
 生のもの、茹でたもの、焼いたものなど、さまざまな素材温度や
 食感が楽しめます。

 ブロードのレシピ、チーズやイタリアの加工食品の説明、シェフ
 それぞれのアンティパストについての考え方なども
 掲載しています。
 メイン料理にも、お酒のおつまみにも役立ちます。

 ◆「おいしいイタリア野菜料理教室
 著者:パンツェッタ貴久子 価格: 1,890円(税込)  

 サラダ、ブルスケッタ、オーブン焼き、煮込み、パスタ、
 フリッタ、保存食などまで、野菜をつかい手軽に
 イタリア家庭料理が楽しめる一冊。

 本書では、まるごと煮るだけの“アーティチョークの鍋煮”を
 ご紹介しています。
 アーティチョークの中心部に指で少し開き、
 内側の硬く赤いものと、チョーク(花になる部分)をとりだし、
 ハーブとニンニクを詰めてやわらかく煮込むだけと下処理も
 調理も簡単です。
 エキスが溶けこんだスープもおいしく食べれます。

 豊富なプロセス写真のほか、調理のコツや素材、調理道具などの
 説明なども掲載。
 つかわれている野菜は日本でも手に入るものばかりなので、
 おすすめです。

2008年06月13日

低カロリーで淡白。品のいい味わい!! アナゴ特集♪

 アナゴは、ウナギ目アナゴ科に属し、細長い円筒形の体型。
 マアナゴ、クロアナゴ、ハナアナゴ、ギンアナゴ、オキアナゴ、
 コウゴンアナゴなど多くの種類が生息しています。
 一般にアナゴといえば、食用として味がよく、漁獲量も多い
 マアナゴを指し、ほかの種類のものは、加工品などになります。

 産地は大きく分けて、関東では、東京、神奈川、千葉などを含む
 東京湾内、関西では、神戸、泉南などを含む大阪湾内。
 ほか宮城、福島、愛知、山口、長崎など各県。
 韓国からも輸入されています。

 アナゴのおろし方は、ウナギと同じで、関東では背開き、
 関西では腹開きにします。
 4月から6月頃にはノレソレ(アナゴの稚魚)も出回っているので、
 酢味噌やポン酢などでいただくのがおすすめです。

 焼く、煮る、寿司種としても万能な“アナゴ”を掲載した本を
 ご紹介します。

 ◆「刺身百科
 柴田書店編 価格: 4,830円(税込)

 東北から九州までの料理旅館、料亭、割烹、魚料理店それぞれの
 地方性を加えた刺身を素材ごとにわけ、プロセス写真付で基本の
 おろし方、掃除の仕方、料理を掲載した一冊。

 本書では、料理、刺身の盛り付けなどアナゴをつかった5品を
 紹介しています。
 たとえば、“穴子の焼き霜造り”。

 バーナーで焼いたアナゴをたっぷりの氷を敷き詰めた器に
 盛り付け、梅肉醤油で冷やした状態でいただく一品。
 アナゴは、ぬめりをよく取り、バーナーであぶることで旨みと
 食感を最高に仕上げることができます。

 そして、料理名が少々怖いですが、アナゴをつかった椀物
 “穴子の煮殺し”。
 細切りにしたごぼう、人参、青葱と骨切りしたアナゴに熱々の
 だしをかけ、表面にほんのり火が入った状態でいただく一品。
 ハモより皮のやわらかいアナゴをつかうほうが、野菜との食感の
 組合せを楽しめるそうです。

 ほか、道具、下準備、基本の下ろし方、造り方、飾り切り、
 昆布締めなど、しっかりと学べる“刺身の基本”も掲載して
 います。

 ◆「くずし割烹 調味醤油で素材を活かす
 著者:枝國栄一  価格: 2,940円(税込)

 新感覚で解釈した和食。
 人気割烹店「くずし割烹技魯技魯」のオリジナル調味醤油で
 素材を生かした料理をくずし(お客様にインパクトを与える
 料理の意味)に始まり、向附からデザートまでのコース仕立て
 で掲載した一冊。

 本書では、“穴子とだだ茶豆のかき揚げ 南瓜ソース添え”を
 紹介。
 アナゴは、だだ茶豆と同じ大きさに切りかき揚げにし、
 カボチャのソースの上に盛り付けた一品。
 甘みと旨みのある食材を足し合わせた、食感も楽しめ、
 積み重なるように盛り付けられたかき揚げも素敵です。

 料理の世界に進むとは思っていなかった著者が、知恵と工夫を
 こらし、新感覚和食で人気割烹店になるまでの経緯、著者の
 “くずし”料理への思いも掲載。
 料理の盛り付けなどもご参考に。

 ◆「料理長がこっそり教える酒の肴
 柴田書店編 価格: 1,680円(税込)

 和、洋(仏、伊)、中の10人の料理長に日本酒、ビール、
 ワインに合うおいしい酒の肴110品を掲載した一冊。

 本書でも、アナゴをつかったおいしい酒の肴3品を紹介して
 います。

 ◎穴子の変わり蒲焼き
 ◎穴子のそば巻き
 ◎穴子となすのサラダ

 たとえば、“穴子の変わり蒲焼き”。
 水切りした豆腐に卵、砂糖、醤油、すりゴマを加え、
 開いたアナゴにのばしてのせ油で揚げた後、タレをつけて
 オーブンでこんがり焼いた一品。

 一度下揚げすることで豆腐の水分が抜け、アナゴと豆腐の
 香ばしさが増すそうですよ。

 お酒の肴としてだけでなく、ご飯のおかずにも役立ちそうな料理
 が満載ですよ。

 ◆「続・料理長がこっそり教える酒の肴
 柴田書店編 価格: 1,680円(税込)

 「料理長がこっそり教える酒の肴」の続編。
 日本酒、ビール、ワインに合う肴料理93品のほか、
 酒席の締めにおすすめのデザート17品を掲載。

 本書にも“穴子の煮こごり”“穴子の洗い、芥子味噌がけ”の
 2品を紹介しています。

2008年06月28日

いよいよこれからが出番です!? スイカ特集♪

 スイカは、アフリカが原産といわれ、水分量が多く、
 さわやかな甘みをもつウリ科の植物。
 古代から広い地域で食べられ、地中海沿岸の国々やエジプトなど
 では渇水の時などの水分補給に重要な役割を果たし、
 5000年以上前のエジプトでは、農民がノドの乾いた航海者に
 スイカを提供する習慣があったそうです。

 スイカの形は、丸型、長型、球型などさまざま。
 果皮の色は、淡い緑色や濃い緑色で、シマや斑点の模様があり
 果肉は一般的には赤色で、ほかに白、黄色、ピンクなどで種子が
 あります。種子のないものも2、3種類あります。

 スイカを選ぶときは、ずっしりと重く表面に艶があり、
 たたくと鈍い音がするものが、水分が多く食べ頃です。
 カットされているものの場合は、果肉が硬く、色が明るく、
 スジのないものがいいようです。

 あっさりとしていて風味が弱そうですが、意外に個性が強く、
 カクテルなどお酒にも合うとか。
 サラダやジャム、シャーベット、ジュースなど
 いろいろ楽しめますね。

 ◆「デザートの組み立て方 L'Esthetique du dessert
 著者: 石井義昭 価格: 4,725円(税込)

 石井シェフのデザート技法を多角的に学べる一冊。
 49品のデザートには、盛り付けられたパーツごとに数字をつけ、
 レシピと解説を掲載しています。

 本書では、スイカとベルベーヌを組み合わせた、
 デザートスープを2品ご紹介しています。
 ベルベーヌはレモンに似た香りのするハーブ(レモンヴァーベナ)。
 甘いスイカと爽やかな香りが楽しめます。

 ◎スイカのスープ
 真っ赤なスイカのスープに薄緑色のベルベーヌソルベと、
 生クリームのようなメレンゲを浮かべた一品。
 スープの中には角切りにしたアロエも入り、食感も楽しめ、
 盛り付けもとてもカワイイですよ。
 スープにとろみをつけることで、スイカの甘みが口の中で
 ゆっくりと広がります。

 ◎ベルベーヌのスープ
 ベルベーヌをシロップで煮出し、かすかなとろみをつけた
 淡い黄色のスープに、スイカの丸抜きとスイカのソルベを
 浮かべた一品。カクテルグラスに注がれたスープは、
 オシャレな感じです。

 ほか、ソースやジュレ、飾り用の小物なども写真付で掲載して
 います。

 ◆「わたしのイタリア料理
 著者:米沢亜衣 価格: 1,995円(税込)

 イタリアの本場の料理を日本の食材を生かし、著者ならではの
 アレンジで展開した40品を掲載した一冊。

 本書では、ネーミングも気になる“すいかのアワアワゼリー”を
 ご紹介しています。
 少し深みのある皿に、デコボコとアワの形が残る
 濃いピンク色のスイカのゼリー、まわりに丸くくり抜いた
 スイカを飾り、スイカのジュースを流した入れた一品。

 アワアワゼリーがどんな食感なのかとても気になるのと、
 一皿で3種理のスイカの味とグラデーションも楽しむことが
 できるデザートです。

 ほか、手打ちパスタのつくり方(プロセス写真つき)、
 メニューの立て方なども掲載。
 イタリアの家庭や店の厨房で食べられているシンプルだけど
 味わいのある料理をぜひどうぞ。

 ◆「フルーツを楽しむ カッティングとデザート
 著者:平野泰三 価格: 3,150円(税込)

 身近なくだものをつかい、基本的な皮のむき方、飾り方、
 新しいカッティングと盛り合わせなどを詳細なプロセス写真と
 ともにわかりやすく掲載した一冊。

 本書では、小玉スイカをつかってつくるフルーツ容器を
 2品ご紹介しています。

 ◎スイカバスケット
 中をくり抜き、持ち手のあるバスケット風に仕上げた一品。
 中に盛り合わせる果物も色合いなど選べば、
 さまざまなバスケットのアレンジができます。

 ◎クジャク
 クジャクが羽と尾羽を広げた姿のかわいらしい一品。
 中身をくり抜いたスイカを頭側を低く、後ろが高くなるように
 カットすることで、中に盛付けた果物がきれいに見えます。

 尾羽は、色の違う果物を串にさし、華やかさを出します。
 目を引く盛り付けに、フルーツも食べやすい大きさでタップリ
 入っているので、子どものパーティーなどでに大人気かも。

 カッティングだけでなく、シャーベットやパフェ、
 31種のジュースのレシピほか、飾り切りに便利な下絵
 (参考図案)も掲載してます。


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