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2006年10月 カリスマレビュー

2006年10月01日

だし------うま味のもとを解きあかす。

◆「だしの基本と日本料理」

 だし------うま味のもとを解きあかす。

 柴田書店編 価格:3150円(税込)

 だしは店の味を決める大切なベースです。
 ゆえに「だしはわが店の味を決める普遍的なもの」と考える方も
 いらっしゃるのでは?

 しかし、料理素材の質は季節ごとに変化します。
 また、お客様の好みも確実に変わってきたうえ、
 和食以外の新しい要素を加えた創作料理も増えてきました。
 それなのにだしは一年中同じ?
 昔のままでいいのでしょうか。

 店の味を決める大切なものだからこそ、
 つねにだしに注目し、見直してゆきたいものです。

 本書は、だし材料の基礎知識、基本的なとり方を紹介するとともに、
 なぜこうするのかといった科学の視点から、
 だしのうま味を生かす方法を解説しています。
 また後半の料理篇では、老舗から新進気鋭の店まで全6店に、
 だしをおいしく味わう料理を60品ほど紹介していただきました。

 ●取材店
 つきぢ田村、てんぷらみかわ、布恒更科、築地本願寺紫水、丸香、
 瓢亭、菊乃井、木乃婦、料理屋こだま、かんだ、大本山永平寺

 どのようにだしをとり、料理を生かすためにどのような使い方を
 しているかを参考にしてください。

2006年10月10日

ひとつの完結した世界を表現する、NOBUのフィンガーフード!

◆「nobu style 和のフィンガーフード」

 ”世界のnobu” による気軽な一品料理、
 フィンガーフードレシピ集。
 料理の応用、新規メニュー開発に役立つ1冊。

 著者:松久信幸・東郷健一郎
 価格:2625円(税込)
 
 箸を使うよりは指でつまんで、ひと口ポイッ!という感じで食べる
 フィンガータイプのメニュー。
 世界を駆ける料理人nobu(松久信幸氏)が、
 『NOBU TOKYO』のチーフ東郷健一郎氏と組み、
 ”和のフィンガーフード”=オリジナルな世界を表現します。

 日本の優れた食材・素材を使うことで定評のある著者は、
 今回、南部煎餅やモナカの皮に注目。
 モナカの皮にアンコウのすり身と肝をはさんだり、
 南部煎餅に寄せだこのカルパッチョや、キャビアをのせたり。
 生湯葉巻や揚げた白板昆布も、食べられる器に大変身!!

 串に刺した小さな料理や、レンゲに盛った麺など
 小さく、食べやすく、美しい料理は、
 見ているだけでも楽しいものです。

 和のフィンガーフード。
 パーティのみならず、弁当やコースメニューのアイデアと
 しても活用できそうです。

 「一皿の料理を小ポーションにつくり変えたら、
 フィンガーフードになる、ということではない。
 たとえ、なりは小さくとも、ひとつの完結した世界を表現
 している料理がフィンガーフードということでしょうね」
 ---僕にとっての”フィンガーフード”とは!? 松久信幸

 
 「nobu style 和のフィンガーフード」はこちらのページから!

2006年10月21日

おすしのいろいろ♪特集♪

[おすしのいろいろ♪特集♪]
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 どんな世代にも圧倒的な人気の“すし”。
 今では、回転寿司、テイクアウトなどなど気軽に食べることができ、
 健康食・美容食としても着目されていますよね。

 ひと口に“すし”と言っても、箱ずし、ちらしずし、
 押しずし、巻ずしなどなど種類は数多いけれど、
 もともとすしとは、魚を貯蔵するために、米や粟などの澱粉質のものと
 一緒に漬け込んだのが始まりで、自然発酵によって生じた乳酸の酸味で
 腐敗を抑えた「馴れずし」が最も原始的なすしの形といわれています。

 そして、現代もっとも食べられている「握りすし」は、
 江戸時代後期に発明されました。歴史的には一番新しいものなんですね。
 昔は、魚だけに酢をあてて、ご飯の酸味を自然発酵に待つやり方だった
 らしいのですが、今ではご飯にだけ酢を合せて握り、
 生または酢、塩をした刺身をのせる形に。ずいぶん変化してますよね。

 すしの総称には明確な定義はなくて、強いていえば、必ず酢(食酢でも
 自然発酵の乳酸でも)がどこかに関係していることだそう。
 ニッポンの国民食ともいえるすし、意外に知らないことが多いですね。

 ◆「すしの技 すしの仕事」

 著者:小澤諭
 価格:4410円(税込)

 すし店にはなくてはならない技術を網羅した、
 すし技術書の決定版!!

 すしの基本の握り方から、魚の仕込み、玉子と煮もの、
 巻もの、つまみなど、基本技術全般を詳細なカラープロセス
 写真でわかりやすく紹介しています。

 魚の仕込み切りつけの項では、33品を掲載。
 魚ごとに握りずしの形の写真と、素材の旬や特徴の説明、
 さらに魚の下ろし方も大きめの写真をたくさん使って
 とてもわかりやすい。
 家庭で魚をおろす時にも、役立ちことまちがいなし!!

 例えば、身近な素材のアジは5月から8月が旬の魚。
 鮮度のよいものを選ぶには、腹にコケラ(ウロコ)が
 きっちりついていて、きれいな銀白色でうっすら青みを帯びて
 光っているものが良いです。

 他にも、煮切り醤油や土佐醤油のつくり方、笹の切り方、
 つまとけんなどすしの周辺知識もたっぷり掲載。
 すしの修業中の方にも、すしをこよなく愛する方にも
 プロのテクニック満載の本書はおすすめです。

 ◆「nobu」

 著者:松久信幸
 価格:5880円(税込)

 世界を駆け巡る料理人、松久氏の独自の和食スタイルを
 堪能できる一冊。

 今週、新刊が出ましたNOBUさん。
 既刊本をお持ちでない方はこちらをチェック!
 
 すし職人からスタートした著者がさまざまな土地で
 修業を積み、世界各地の食材、各国のテイスト・料理法
 を取り込みながらつくり上げた厳選レシピを103品掲載。

 冷・温前菜からサラダ、刺身、スープ、揚げ物、蒸し物ほか
 デザートまで13のカテゴリーが一覧できる構成。

 大版書ですので料理写真がとにかく大きくて見やすい。
 野菜のみずみずしさや食材の鮮度、調理具合、盛り付けも
 詳細にわかり、食欲がそそられます。

 本書では、6品のすしスタイルを掲載。
 ◎NOBU Style寿司とロールの盛り合わせ
 ◎酢飯/シャリ
 ◎魚介類の贅沢バラ寿司
 ◎ソフトシェルクラブロール
 ◎サーモンスキンロール
 ◎鮒寿司 NOBU Styleサラダ

 例えば、NOBU Style寿司とロールの盛り合わせ。
 5種類の握り寿司と4種類のロール寿司が
 縦に並べられ盛り込まれた一品。
 握りのひとつ“ワラサ握り”には、ニンニクのおろしと、
 ハラペーニョの輪切りスライスがのっていたり、
 ロールものは、カラッと揚げたソフトシェルクラブを
 巻いたものなど、どれもどんな味がするのかとても興味深深。
 見た目も楽しく、全部を味わってみたい!!

 巻末には、アヒ・パンカ(南米ペールーの香辛料)、
 日本酒などを組み合わせた「NOBU」のオリジナルソース
 15種類のほか、ドレッシング5種類、サルサ3種類も掲載しています。

 新たなすしメニューづくりにお役に立てる一冊です。

2006年10月22日

カレーとスパイスをちょっとだけ♪特集

先日ネットを見ていたら、
 “カレー特集”の文字を発見して早速クリック!!
 思わず、有名料理研究家のチキンカレー、
 スープカレー、豆と野菜のカレーの缶詰セット購入しちゃいました。
 早く届かないかなぁ…楽しみ♪

 さて、カレーつくりには絶対かかせないのがスパイス。
 スパイスはラテン語で「特別の種類」という意味の
 Speciesからきています。
 日本でも知る人の多いスパイスの“ターメリック”は、
 なんと、インドでは子どもが生まれてまっ先に食べさせる
 スパイスなんだそうです。ちょっとビックリ。
 赤ちゃんの時から辛いスパイスに慣れさせためらしいですよ。

 さらにターメリックには、お腹がはった時、お腹の調子を
 整える作用もあって、水でときペースト状にしたものを湿布にして
 貼るといいそうです(ちょっとお肌が黄色くなるらしい・・・)
 料理以外でもいろいろ活用できるのですね。

 香り高く、微妙に刺激的なスパイス。
 本格的なカレーにチャレンジしてみようかな。


 ◆「インド スパイス料理」

 著者:レヌ・アロラ
 価格:3885円(税込)

 インドのベーシックな料理から、日常のスパイス活用レシピまで
 幅広く掲載した一冊。

 カレーや肉料理、サブジ(野菜の蒸し煮、炒めもの)や
 デザート、おかゆまで、たっぷり紹介しています。

 本書に掲載しているカレーのレシピは、カレーベースも
 含め、どれも美味しそうな本場のカレーが16種類。
 例えば、“じゃがいもボールのカレー”。
 ベストン粉(チャナ豆の粉)にゆでてすりおろしたじゃがいも、
 スパイスを混ぜだんご状にし、油で揚げたじゃがいもボールを
 入れた一品。これだけでも美味しく食べれてしまいそう。
 カレーソースは先に煮込み、後から具を加えるから、
 煮込み時間が短くてすみ、さっとつくれそうなのも魅力ですね。
 じゃがいものの代わりに、瓜やきゅうりを使ってもおいしく
 つくれるそうですよ。

 インドでは、頻繁に使う7種類のスパイスを入れる
 “スパイスボックス”があるくらい日常的なもの。
 日本でいうと醤油や塩などの調味料一緒ですね。
 そして、スパイスにはそれぞれ役割りがあって、入れ時や
 調理上の使い方も決まりがあるんですね。
 そんなスパイスや米、粉、ペーストなどの食材についても
 詳しく解説しています。

 この一冊で、本場のインド料理が楽しめるはずです!!


 ◆「ニュースタンダードディッシュ」

 著者:長尾智子
 価格:1890円(税込)

 えっ?と驚くような組み合わせも楽しめる、
 気軽に作れるシンプル、ヘルシーなレシピを掲載。

 本書で紹介しているスパイスを使った料理やデザートは9品。

 ◎ガルバンゾ レモンご飯と焼きトマト(クミン、コリアンダー)
 ◎クミンチキン(クミン)
 ◎スパイスはちみつ(カルダモン、バニラ、シナモン)
 ◎ターメリックライスとチキンカレー(ターメリック、カレー粉)
 ◎チョコレートケーキ(ナツメグ、シナモン)
 ◎菜の花カレーご飯
 (カレー粉、クミン、コリアンダー、シナモン、八角)
 ◎バニラミルクのグラニテ(バニラ)
 ◎フルーツのマリネ3種(シナモン、クローヴ)
 ◎ヴァン ショー

 私が気になったのは、“スパイスはちみつ”。
 砕いたカルダモン、バニラビーンズ、粉末のシナモンを入れてつくる
 ソース。
 ヨーグルトに入れたり、アイスクリームや濃い目の
 紅茶に入れるのがおすすめ。
 きっと料理にも使えるかも、試してみよう!!

 カレー粉は長尾家の常備品。スパイシーな調味料として使うと、
 ピリッと締まった味になってとても便利。
 ひとつまみでも効果があるので、
 「カレーの匂いがするようだとちょと入れすぎ。
 もしかして?なんとなく?ぐらいが品がいい」。

 食材から料理も選べる“もうひとつのもくじ”も。
 キッチンに玉ネギがあるから、何かつくれないかな…なんて時も
 便利ですね。

 素材の新しい美味しさを発見させてくれるような一冊。
 簡単レシピで、お料理初心者にもおすすめですよ。


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