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2008年03月 カリスマレビュー

2008年03月03日

生、煮る、漬ける、飾るetc. 用途が広い!! 大根特集♪

 そのままでも、煮ものでも、とても便利な食材である大根は、
 アブラナ科ダイコン属の野菜。
 原産地はさまざまな説がありますが、古代エジプトでは
 紀元前2500年前頃から栽培されていたといわれています。

 形状は、偏平、丸、楕円、卵、円錐、円筒、棍棒形など多様で、
 日本では長円錐から長円筒形、一部丸形が主流です。
 本来は冷涼性の野菜ですが、温度適応性の幅が広く、
 一年中食べることができます。
 晩秋から冬が旬で、寒さが増すごとにみずみずしく、
 甘さが強くなります。

 生産量の多い地域は、北海道、千葉、青森、宮崎、鹿児島、
 神奈川の各地。旬の時期は、宮崎県産がもっとも多い。

 選び方のポイントは、皮がしなびてなく、白色の艶やかなもので、
 ずっしりと重たいもの。
 傷むのが早い野菜なので、新聞紙などに包み保存すると
 長もちします。

 品質改良により、外側がピンク色を帯びた赤い色で、内側は白く、
 皮ごと食べられる“レディーサラダ”といサラダ専用に
 開発された大根などもあるようですね。


 ◆「大根料理
 著者:遠藤十士夫 価格: 3,990円

 先附からデザートまで、大根づくしの料理集!!
 惣菜料理、日本料理の献立にもつかえる大根の魅力をたっぷり
 掲載した一冊。

 お客様に“感動”を伝えたいと仕事を続けてきた遠藤氏。
 大根料理を300種類以上考案し、どれも実際にお客様に
 喜ばれたものばかりです。
 本書では、その中から111品を選び、これまでにない味や
 食感の大根料理をご紹介しています。

 献立の中でも、蓋を開けた時の一瞬が楽しめ椀もの。
 本書では、12種類の椀ものをご紹介しています。

 たとえば、“白梅大根鶯椀”。
 エンドウ豆のすり流しに、梅形にむいた大根を浮かべた一品。
 エンドウ豆のやさしい黄緑色がこれから迎える春を感じさせて
 くれる椀ものです。
 すりつぶしたエンドウ豆に鶏ガラでとったダシでのばし、
 ベシャメルソースを加えているので、少し洋風な味わいなのか
 気になります。
 梅が咲き始める今頃にはピッタリですね♪

 巻末には、大根料理の基礎技術、あしらいもの種類と技法も掲載。
 本書をヒントに、新たな大根料理に出会えるのを楽しみに
 しています。


 ◆「酒菜 第3巻
 著者:柴田書店 価格: 4,620円

 「酒菜」シリーズの第3巻。
 プロが教える簡単でおいしい酒菜を509品掲載した一冊。

 本書でも、“大根”をつかった料理を26品ご紹介。

 たとえば、“菜の花と鱈子の大根パスタ”。
 1cmの輪切りにした大根を桂むきしにし、パスタに見立てた麺を
 つくり、菜の花とタラコと一緒にバター、醤油で炒めた一品。
 見た目は、普通の麺に見えるので、食べたときの食感の違いが
 おもしろそうです。
 大根を桂むきするときは、薄すぎないように一定の厚さ
 (1.5mmくらい)にし、大根の食感を残すのがポイントです。

 「肉・卵」「魚介・海藻」「野菜及びその加工品」「穀類」の
 4項目別に掲載の素材別の索引も、便利です。


 シリーズ第1巻「酒菜」、第2巻「続・酒菜」も好評発売中です。

 ◆「酒菜 居酒屋の料理476
 著者:柴田書店 価格: 4,620円(税込)

 ◆「続・酒菜(532品)
 著者:柴田書店 価格: 4,620円(税込)


 ◆「中村勝宏の酒の肴83
 著者:中村勝宏 価格: 2,100円

 現地のフランス料理を知り尽くした中村シェフが、
 居酒屋顧客向けにエスニックの要素も取り入れた
 新しいメニュー83品を提案した一冊。

 本書でも、大根をつかった料理を6品ご紹介しています。

 ◎紅心大根とかぶのマリネ
 ◎大根のベーコン巻きステーキ、きのこソース
 ◎オックステールと大根のポ・ト・フ仕立て
 ◎切り干し大根と鶏もも肉の煮込み
 ◎野菜の大根ロール巻きピクルス、菊花漬け
 ◎各種大根のサラダ、オリーブ油と柚子の香り

 たとえば、“切り干し大根と鶏もも肉の煮込み”。
 素朴な切り干し大根と鶏肉のぶつ切りをトマトベースのソースで
 煮込み、タバスコとアリサ(トウガラシのペースト)でピリっと
した辛さの一品。
 切り干し大根の独特な風味とコクが味わえ、
 食感も楽しめそうです。

 フランス料理の要素を残しつつ、簡単につくれるように
 工夫された料理は新たなメニューづくりに参考になります。

2008年03月25日

上品な味わいが楽しめる!! 甘鯛特集♪

 鯛は、タイ科ですが、甘鯛は、アマダイ科アマダイ属の鯛。
 細長い体に、丸い頭が特徴。
 警戒心が強く、深海の砂に穴を掘って棲息します。
 身質は水分を多くふくみ、とても柔らかいので刺身には
 むきませんが、適度に水分を抜いて旨みを引き出す工夫をすると
 おいしくいただけます。

 甘鯛という名前は、
 “身が甘く感じるから”という説、
 “甘(うま)いから”などの説があるようですね。

 日本近海でとれる主要なものは、白甘鯛、赤甘鯛、黄甘鯛の
 3種類。その中でももっとも多くとれるのは赤甘鯛です。

 地域によってさまざまな呼び名が変わり、京都では“ぐじ”、
 大阪では“グズナ”、福岡では“コズナ”、
 北陸では“クジ、タズ”、高知では、“ビタ”、
 山口、萩では“バトウ”などと呼ばれています。

 ◆「魚づくし
 著者:中嶋貞治、上野 修、奥田 透 共著
 価格: 3,780円(税込)

 伝統と新しい技術、工夫を盛り込んだ創作の魚介料理を
 酒肴からご飯まで80種類以上の魚つかい203品の料理を
 掲載した一冊。

 本書では、8品の甘鯛の料理をご紹介しています。

 たとえば、“甘鯛アーモンド焼”。
 アーモンドのペーストを加えた幽庵地に、三枚におろし切り身に した甘鯛を漬け込んみ焼いた一品。
 つけ地は、幽庵地(濃口醤油、酒、ミリン、ユズ)に
 ペースト状にしたローストアーモンド、スライスアーモンド、
 粒味噌を加えたもの。
 ナッツの独特香ばしさが食欲をそそります。

 アーモンドのつけ地は、白身魚にとてもあうので、
 甘鯛だけでなく別の魚(白身魚)でも応用できます。

 そして、もう一品。
 甘鯛の頭をつかった“白甘鯛の難波煮”。
 霜焼にした甘鯛の香ばしさを青ネギの香りが楽しめる一品。
 だしに白甘鯛の旨みをだすには、塩焼にするくらい、
 甘鯛にしっかり塩をするのがポイントです。

 3人の割烹料理店主人の魚介料理、素材をすべてつかいこなす
 工夫なども参考になります。


 ◆「常備菜の手帖
 著者:上野修三,村上 一,平井和光,結野安雄,北岡三千男
 価格: 3,150円(税込)

 まとめてつくっておけば広く応用できる便利な“常備菜”。
 季節素材をつかった85品の常備菜と応用料理を四季ごと、
 さらに素材ごとにご掲載した一冊。

 関西では「ぐじ」と呼ばれる甘鯛。
 本書では、“ぐじの一夜干し”を常備菜とし、
 その一夜干しをつかった料理を3品ご紹介しています。

 ◎ぐじの一夜干し
 ◎ぐじの白和え
 ◎ぐじの紅葉和え
 ◎ぐじの果実釜盛り

 常備菜としての“ぐじの一夜干し”。
 本書では、背開きにした甘鯛を、塩水に昆布、酒、ユズや
 スダチの搾り汁、赤トウガラシで漬けみ軽く風干しにした
 爽やかな一品をご紹介しています。

 そのまま焼きものにしたり、ほぐした身を和えものなどにつかえ、
 2?3日間の保存も可能で、とても便利です。

 ほか、豆腐やコンニャクなど身近な素材や乾物をつかった常備菜 も多数掲載しています。
 何かもう一品をというときなど役立ちますね。


 ◆「だしの基本と日本料理
 著者:柴田書店編 価格: 3,150円(税込)

 だし材料(昆布、鰹節、煮干しのおもな種類)の基礎知識、
 だしのとり方を科学に視点から解説した一冊。

 本書の前半では、だしについてしっかり解説。
 後半では6店の日本料理店によるだしをおいしく味わう料理も
 60品掲載しています。
 それらの中に“甘鯛”をつかった料理も3品をご紹介。

 ◎グジ小袖焼き目寿司
 ◎甘鯛 竹の子 甘酢あん
 ◎甘鯛からすみご飯

 “グジの小袖焼き目寿司”は、
 白板昆布から透けてみえる、ほんのりしたさくら色の甘鯛と
 木の芽が美しい一品。
 一番だしと二番だしで炊き上げ、合せ酢で酢飯にします。
 三枚におろした甘鯛にのせ、棒状にし巻き、
 甘鯛に少し焼き目をつけ、木の芽を飾り白板昆布を巻きつけ
 5cmくらいの食べやすい大きさに切り分けて提供します。

 だしで炊いてつくる酢飯と甘鯛との味わい、
 見た目の華やかさもこころ惹かれます。

 だしは、日本料理店によってつかう材料、とり方などに
 違いがあります。

 掲載6店の実際につかっているだしの材料、分量、とり方など
 流れが分かりやすいよう図、詳しくご紹介していますので
 ご参考にしてみてください。


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