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2008年02月 カリスマレビュー

2008年02月22日

白美人でほのかな甘み。カリフラワー♪

 カリフラワーの旬は、11月から、2月頃。
 無数の開花前の花のつぼみが、短い主茎の先に密集した
 部分を食用にします。

 店頭で販売されているものは、すでに外葉がカット
 された状態ですが、主茎からのびた外葉がキャベツの
 ようにカリフラワーを包み込み、直接陽が当たらないように
 スクリーンの役目をしていますが、白さを保つために
 人為的に葉を寄せることもあるそうです。
 カリフラワーの色は、一般的には乳白色が主流ですが、
 紫色やオレンジ色のカリフラワーもあります。
 紫色のカリフラワーは、ゆでると緑色に変わり、
 風味もマイルドになるので、ゆで上がりは、
 ブロッコリーによく似ています。

 選ぶポイントは、つぼみが硬く詰まり、乳白色がキレイで、
 周囲の葉が鮮やかなものが新鮮で良品です。
 保存法は、洗わず、通気性のよいプラスチック袋に
 入れ冷蔵保存すると10日間ほどはもちます。

 生でも前菜やサラダなど、おいしく食べることが
 できますが、加熱したものは、付け合せやシチュー、
 パスタ、キッシュなどに加えたり、ピュレにしても
 スフレやチャツネの材料などにもおすすめです。

 カリフラワーのやさしい風味をいろいろな料理に
 試してみてくださいね。

 ◆「フランス料理 軽さのテクニック
 著者:山口 浩 価格:3990円(税込)

 「水のソース」で知られる故ベルナール・ロワゾーの
 哲学を受け継ぐ山口浩氏による「軽くておいしい料理」
 125品を掲載。

 本書では、野菜だけでも満足できる一皿の中から、
 カリフラワーをおいしく味わえる料理6品を
 ご紹介しています。

 ◎帆立貝柱のポンポネット、カリフラワーのマリネ詰め、
  カリフラワーと雲丹のソース
 ◎野菜のコンポジション、テリーヌ仕立て
 ◎小粒のムール貝、2種のショーフリワ風
 ◎赤座海老のポワレ、ギリシャ風野菜とソース
 ◎エピキュリアン・ド・レギューム
 ◎ブルターニュ地方の花のヴルーテ
  ―― カリフラワーのブルーテ

 たとえば、“ブルターニュ地方の花のヴルーテ
  ―― カリフラワーのブルーテ”。
 ゆでてピュレにしたカリフラワーを、キャラメル色の
 粉末になるまで炒めたルゥでつくったスープに、
 スライスし揚げたカリフラワーを浮かべた一品。
 ピュレを粉末まで炒めることで、野菜の風味が凝縮し、
 動物性のだしなどを使わずに、コクのあるスープに
 なったり、盛り付けでは同じ素材のチップなどを
 添えることで、つかわれた素材がわかりやすいのも
 軽さのポイントなんですね。

 「軽さ」を実現するための理論、テニクックがぎっしりと
 つまっています。
 新たなメニューつくりに役立つ一冊です。


 ◆「フランスふだんのおそうざい
 著者:大森由紀子 価格:1890円(税込)

 フランスの家庭やビストロ、ブラッスリーなどで気軽に
 食べれるポピュラーなものと地方のおそうざい60品を、
 ◎手軽に焼いて
 ◎煮ものは気楽に
 ◎ゆったり前菜
 ◎しゃれた一品
 ◎てまなしデザート
 の順に掲載した一冊。

 本書では、チーズのコクがカリフラワーの甘みに合う
 “カリフラワーのグラタン モツネーソース”をご紹介。
 19世紀末にパリのレストラン「デュラン」のシェフが
 考案した一品。
 モルネーソースとは、ベシャメルソースにチーズを
 混ぜたもので、本書では、グリュイエールチーズと
 パルメザンチーズを使用しています。

 ほか、季節で選ぶワインとおすすめワイン、季節で選ぶチーズと
 おいしい食べ方アイデア、著者のお気に入りの小物なども
 掲載。

 気取らず簡単につくれるレシピなので、気軽にフランス
 らしい一皿が楽しめます。

 ◆「イタリアのおいしい約束
 著者:落合 務 価格:1890円

 「ラ・ベットラ」の落合シェフがおいしいイタリア料理を
 つくるための基本テクニック7つ(約束ごと)と
 計48品の人気料理を掲載した一冊。

 本書では、カリフラワーの風味が楽しめる
 “シチリア風カリフラワーとアンチョビーのスパゲティ”を
 ご紹介。
 シチリアの家庭料理のひとつで、玉ねぎ、アンチョビー、
 ホールトマトに柔らかく煮て粗くつぶしたカリフラワーを
 加えて仕上げた一品。
 カリフラワーの風味が飛ばないように、弱火で煮込む
 のがポイント。
 南イタリアではチーズと同様によくつかわれる、フライパンで
 キツネ色に色づけたパン粉をふりかけ仕上げます。
 玉ねぎを長ねぎに変えても、違った風味が楽しめるそうです。

 大きめの料理写真と、レシピ部分はプロセス写真と詳細な解説、
 でとてもわかりやすいです。
 おいしさとスピーディのポイントつきで、アンティパストから
 ドルチェまでたっぷり掲載しています。

チョコレートの贅沢な味わい。ガトー・ショコラ特集

 “ガトー・ショコラ”とは、チョコレートの焼き菓子の総称で
 お菓子の固有名詞ではなく、
 日本では“ガトー・クラシック・ショコラ”や
 “ガトー・クラシック”と商品名をつけているお店もあります。

 チョコレートをたっぷりつかい、しっとりと濃厚な味わいが
 楽しめるフランス人の家庭で受け継がれてきたお菓子。
 材料を合わせて焼くだけのとてもシンプルなものですが、
 生地の混ぜ方やチョコレートの温度調整、焼き方など
 ちょっとしたコツに注意すれば美味しく出来上がります。

 今回は“ガトー・ショコラ”を掲載した3冊の本をご紹介します。

 ◆「CAKEing Vol.7 (ケーキング)
 柴田書店MOOK 価格: 2520円(税込)

 ケーキについての素朴な疑問や深く知りたい内容を
 カラープロセス写真を豊富に使い、レシピだけでなく
 由来なども紹介したMOOK本です。

 本書では、3タイプのガトー・ショコラをご紹介します。

 ◎弓田 亨 氏(イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ)
 2種類のチョコレートをつかいスパイシーな香りと、
 しっかりした固さがあるのに、歯にあたるとホロホロと
 くずれる食感の一品。

 軽さをだすため、卵白はあまり冷やさず、
 砂糖を多めにして短時間で泡立て気泡の量をおさえ、
 粘りのあるコシの強いメレンゲをつくります。
 気泡の量をおさえるのは、焼き縮みを小さくするためでも
 あるそうです。

 ◎岡田吉之 氏(ア・ポワン)
 表面はソフトな固さで、中はスフレに似た柔らかさの
 「おやつ感覚の軽いチョコレートケーキ」のような一品。
 卵白を分離する手前の極限まで泡立てた微細なきめの
 メレンゲを混ぜ、高温で焼くことで、しっかりとした
 沈まないガトー・ショコラになります。

 ◎柳 正司 氏(パティスリー タダシ ヤナギ)
 生地は軽やかで、しっとりときめが細かく、口溶けのいい食感。
 台形状でトップには生クリームデコレーションした珍しい形の
 一品。
 卵白はゆっくりと(中速)泡立て、細かい気泡が均一に拡散し、
 ねっとりとしたコシのあるメレンゲをつくるのがポイント。
 きめ細かい焼き上がりと、しっとりした舌触りになります。

 皆さんはどのガトー・ショコラが味わいたくなりましたか?

 ほか、ベルギーの老舗「ヴィタメール」でチョコレートづくりを
 担当してきたフレデリックスケルタ氏による、チョコレート
 テクニックも掲載しています。


 ◆「5つの混ぜ方 焼き菓子36
 著者: イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ 椎名眞知子
 価格: 1890円(税込)

 混ぜ方次第でさらに美味しい!
 イル・プルー・シュル・ラ・セールの人気の
 焼き菓子36品のレシピ集。

 本書では、スイートチョコレートとホワイトチョコレートを
 つかった2種類のガトー・ショコラをご紹介。
 ホワイトチョコレートのガトー・ショコラは、珍しいですよね。
 しっとりした生地にレモン、パッションフルーツ、
 オレンジなどでつくるグラス(表面の仕上げにぬる糖衣)の
 甘酸っぱい風味がきいた一品。
 チョコレートとは違った味わいが楽しめます。

 ガトー・ショコラのようにチョコレートの配合が多い
 生地に合わせるメレンゲは、冷たいとチョコレートが
 固まってしまうので、室温の卵白をつかい、あまり固く
 泡立てないようにするのがポイントなんですね。

 焼き菓子のつくり方はシンプルですが、だからこそ「混ぜ方」も
 とても大切。
 本書では、[直線][円][返し・すくいあげ]
 [平行だ円][うずまき]の5つの混ぜ方をわかりやすく解説し、
 各レシピ中でもポイントを掲載しています。
 家庭でできるフランスの焼き菓子レシピ。
 豊富な写真と解説つきなので、初心者の方にもおすすめです。


 ◆「20席のフランス料理店
 著者:和知 徹、花澤 龍、高山龍浩
 価格: 3675円(税込)

 立地条件や店づくりの方向性の違う、人気レストランの
 3人のシェフ達の店づくりの秘訣を公開。
 オーナーシェフを目指す人のための店づくりのために
 役立つ一冊。

 独立開業までの物件探し、コスト、店内レイアウトなど平面図、
 厨房立体図、豊富な店内写真とともに詳細に解説。
 実際にお店で提供していてる料理レシピ100品も
 “アミューズ&オードブル”“メインディッシュ”
 “デザート”“ランチメニュー”の順にわけ掲載しています。

 フランス料理の本ですが、デザートとして
 本書でも、「トゥールモンド(高山シェフ)」の
 オープン時からつくり続けている人気のデザート
 “生チョコタイプのガトーショコラとバナナアイス
 クリーム”をご紹介しています。

 ココア風味のジェノワーズ(スポンジケーキ)の
 スライスを間に挟み、チョコレートで冷やし固め、
 バナナのアイスクリームを盛り付けた一品。
 メレンゲの気泡を使って焼き上げるクラシックショコラとは違う、
 チョコレートをそのまま食べているような
 濃厚な味わいが楽しめます。

 巻末には、3人のシェフそれぞれの“基本のフォン、
 ソース、パート類”のレシピと、素材別の索引つきです。


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