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2007年02月 カリスマレビュー

2007年02月12日

美味しく食べるお粥特集♪

 “お粥”は、調理が簡単で、栄養的にもすぐれ消化もいいので、
 小腹が空いたときや体調のすぐれないときなどにも重宝しますね。
 米と水のみでつくるシンプルな“白粥”から、
 具材を一緒に炊き込むお粥など種類も豊富です。


 ◆「おかゆ
 

 著者:福田浩/山本豊 価格:2940円(税込)

 日本と中国の粥(汁かけ飯、雑炊、泡飯を含む)の中から、
 日常で活躍する103品をご紹介しています。
 お粥に合わせた、おかずも83品も盛りだくさん掲載。

 日本粥で私が気になるのは、青森県の郷土料理の
 “粥(け)の汁飯”。
 細く切った大根、にんじん、ごぼう、豆腐、油揚げ、
 こんにゃくなどを細かく切ってつくるみそ仕立ての汁で、
 これをご飯にかけた一品。
 お粥といってもの、昔は、細かく切った材料お米にみたて
 食べられたもので、米の節約のために考えられたものだそうです。

 中国粥では、民間の日常的な粥として歴史が古い“菊花粥”。
 菊の花びらの黄色が見た目もきれいな一品。
 菊の花は風味はもちろん、解毒作用や現代の成人病
 といわれている血液系の病気の浄化に効果があるそう
 なので、デトックスにはおすすめかも。

 そして、日本粥、中国粥の基本的な白粥の炊き方、
 中国で朝食や粥の共として不可欠な“油條(ユイ ティァオ)”
 のつくり方などもご紹介しています。

 ◆「香港粉麺飯(ホンコンファンミンファン) めんとご飯
 

 著者:謝華顕 価格:1890円(税込)

 広東料理の伝統を受け継ぐシェフがつくる、お粥、
 どんぶり物、汁めんなど、気軽な軽食から宴席を
 しめるひと皿までを掲載した一冊です。

 広東では毎日の生活に欠かせないという“お粥”。
 本書でご紹介の“お粥”は6品。

 例えば“明火白菓粥”広東風の白粥。
 中国のお粥は、日本のお粥とはつくり方が違って
 できあがりは「お米のスープ」といった感じにさらりと薄い。
 ゆばとぎんなんを加えるのが広東の定番で、
 風味が増していっそうおいしくなるそうです。

 ほかにも“ピータンと塩漬け豚肉のお粥”も気になる一品。
 洗ったお米にピータンをつぶしながら練りこんで
 炊いた本場のピータン粥。お米とピータンの香りが
 とけあって、ほかにない風味だとか。
 味わってみたい!!

 料理写真も大きく、つくり方も詳細でわかりやすい。
 香港の食事情や地元食材の情報も満載なのでおすすめです。

2007年02月14日

あなたと私のチョコレートは?

 ◎そもそもチョコレートとは?

 そもそもチョコレートとは何でしょう?

 カカオ豆は熱帯性樹木カカオの木の種子。
 カカオポッドと呼ばれる大きな実の中に
 20〜50粒のカカオ豆が入っています。

 このカカオ豆を発酵、乾燥させ、焙煎。
 焙煎した豆を粉砕して肺乳(カカオニブ)のみにします。
 このカカオニブをブレンドし、ローラーで微粒化。
 ここでできたカカオマスというチョコレートのもと。
 カカオマスからカカオバターを搾油して、砂糖などを加え、
 練り、テンパリングなどの加工を経てチョコレートが生まれます。

 2007年の伊勢丹「サロン・ド・ショコラ」の
 ジャン=ポール・エヴァンのブースでは、カカオ豆や産地の様子などを
 展示し、チョコレート、カカオという食品への理解を深めてもらおうと
 いう試みをしていました。
 
 チョコレートが店頭に並ぶと、どうも「商品」「作品」「モノ」として
 見てしまいますが、食品とはそもそも植物、生物から与えられていて、
 その植物には生きる環境があるということを忘れてしまいがちです。
 チョコレートの季節に、カカオ豆の産地に思いをはせるのも
 いい機会かもしれません。


 さらにチョコレートについて知りたい方には

 ◆「プロのための洋菓子材料図鑑
 
 柴田書店編 価格:2625円(税込)

 P.90 「チョコレートの本質を知り、その個性を生かす」
 を参照してくださいね。


 ◎チョコレート市場は伸びている?

 2月はチョコレートのシーズン。
 新しいショコラトリーや新しいチョコレート商品が投入されます。
 それはそれは煌びやかなものです。
 (反対に夏はひっそりするわけですが・・)

 日本人のチョコレート消費量は伸びているのでしょうか?
 「cafe-sweets vol.70」によると、
 チョコレート菓子の1人当たりの消費量は日本は2.2kg、
 もっとも多いドイツの11.1kgに比べて約5分の1で、
 この数字は、過去数年間とくに大きな変化はありません。

 全体のチョコレート国内消費量の伸びも、過去5年間は横ばい。
 ただしこちらは百貨店や個人店の数字は反映されていないそうなので、
 あくまでも参考値だそうですが。

 チョコレート市場(量)が伸びているというよりは、
 チョコレート人気、チョコレートへの理解、愛(金額)が
 深まっているというほうが正しいのかもしれませんね。


 参考:
 ◆「cafe-sweets vol.70
 
 《特集》特別なチョコレートギフト
 価格:1260円(税込)

 ◎高カカオ、産地別の板チョコタイプが台頭

 国産菓子メーカーの新商品も勢いがめだっています。
 高カカオ成分でポリフェノール効果をうたうものや、
 ベネズエラやエクアドルなどコーヒー豆のようにカカオ豆の産地を
 明確にした板チョコレートも登場。苦みや香りが個性的に引き出され、
 嗜好の多様化を感じます。コンビニで簡単に買えるのも魅力ですね。


 ◎手づくりチョコレートのテンパリング

 チョコレートづくりの中でも、もっとも重要なのが、
 ご存知”テンパリング”という作業。

 テンパリングとは、温度調節の意味です。

 溶かしたクーベルチュールチョコレートを一度冷まして
 少し結晶化させた後、再び温度を上げて溶かすという
 温度操作により、チョコレートを安定した状態にします。

 適切なテンパリングを経て仕上げたチョコレートは
 つややかで、なめらかな口当たりになります。また、
 貯蔵中にもファットブルーム(白いムラの状態)になりません。


 ◎テンパリング、ここがコツ!

 テンパリングのために湯煎でチョコレートを溶かす際は、
 適正な温度で、ゆっくり時間をかけてください。
 チョコレートの中のカカオパウダーは5種類の成分から
 なっていて、それぞれ溶ける温度と時間が違うためです。


 ◎チョコレートづくりで迷ったら!

 慣れないうちはテンパリング作業は少し難しいですが、
 困ったときは、この本を参考にしてください。

 ◆「チョコレートでまよったら
 
 著者:サントス・アントワーヌ 価格:3150円(税込)

 「エコール・クリオロ」のサントス・アントワーヌさんは、
 難しいとされていた乳化作業に独自の方法を編み出して、
 簡単でしかも失敗なく、なめらかな乳化を可能にしました。
 「テンパリングの方法」「乳化方法」などの基礎項目をはじめとして、
 宝石のように美しいボンボンショコラ、味のハーモニーを楽しむ
 プチガトーやアントルメなどチョコレートを使ったお菓子づくりまで、
 詳しい作業工程写真をもちいて丁寧に解説してくれます。


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