月刊専門料理19年9月号
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同店で供するピッツァは約60種、前菜やパスタ、メインディッシュなども含めると100品を超える。原価率は低いもので10%強から高いものだと50%超え。野菜やハーブは両親が営む農園から仕入れるため、かかる原価は基本的には種代や苗代、肥料代のみに抑えられており、魚介に関しては市場を通さず直送のみを取り扱うなど、「いい食材を安く仕入れるための方策を随所で立てている」と寺床氏。このため32~33%を上限としているが、平均で28%以下の原価率に収まっているのが現状だ。しかしあくまでこれらは食材原価に限った話。ピッツェリアは営業中、常に窯の中で火が熾っている状態を維持していなくてはいけない。この薪の稼働費が1日あたり3500円だという。これはピッツァの注文数に関係なく一定。つまり、ピッツァが出れば出るほど薪の原価率は低くなるし、出なければ高くなる。昼夜合わせてピッツァの出数は1日あたり60~125枚と倍以上の開きがある。これで3500円を割ると、よく出る日は1枚につき薪代28円が、少ない日には58・3円も乗る計算になる。「ピッツァ1枚につきプラス30円の原価の開きはかなり大きいです。原価を考える時は、常にこの数字も合わせて考えるようにしています」と寺床氏は話す。賢く仕入れて食材原価率28%。ただし厄介なのが「薪代」42右に記した各ピッツァの原価率は単純に食材原価率。これを実際に窯で焼くと、毎日どれくらいの価格が上乗せになるのかも合わせて計算し、毎日の日報に残している。1日あたり薪代3500円が一定してかかるため、これを1日のピッツァの出数で割って原価としてプラス。メニュー表は固定のピッツァメニュー以外は日替りが多いため手書き。取材時の品数はつまみや生ハム、サラミが16、サラダ6、前菜23、パスタ12、メイン6、ドルチェ6でピッツァ以外でも70品弱を数える。注文を受けてから作りはじめるものが多いが、仕込みは毎日約3時間を割いている。マリナーラ▶トータル重量 : 330g▶原価 : 110円スタリタ氏風マリナーラ▶トータル重量 : 340g▶原価 : 140円マストゥニコラ▶トータル重量 : 310g▶原価 : 145円マルゲリータ王妃の愛したマルゲリータ▶トータル重量 : 380g▶原価 : 295円チーズたっぷりの白いマルゲリータ▶トータル重量 : 390g▶原価 : 320円D.O.C ドック▶トータル重量 : 390g▶原価 : 530円リピエーノ▶トータル重量 : 380g▶原価 : 420円ピッツァフリッタナポレターナ▶トータル重量 : 420g▶原価 : 490円他にもメニューは盛りだくさん  原価は薪代込みで考える住所/東京都港区白金3-22-2 電話/03-6408-5552 http://tarantella-da-luigi.com大解剖! タランテッラ・ダ・ルイジの料理を支える数字薪代 : 3500円/日ピッツァの出数は▼多くて125枚/日▼少なくて60枚/日定番ピッツァのメニューを紹介

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