月刊ホテル旅館
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2017年7月5日、パリを代表する歴史的ホテル、オテル・ド・クリヨンが4年間におよぶ改装を経て再開業した。北米から始まり、世界各地で最高級ホテルを展開、現在は香港の新世界発展(ニューワールド・ディベロップメント)系のローズウッド・ホテルグループが運営。正式名称は、オテル・ド・クリヨン、ア・ローズウッドホテルだ。コンコルド広場に面して建つ、壮麗な宮殿のような建物は、18世紀にフランス王、ルイ15世の命により、歴史的建築家アンジュージャック・ガブリエルによって建てられ、後にクリヨン公爵の邸宅となったもの。1909年より宮殿ホテルとして利用されてきた。パリの数ある著名ホテルの中でも、ことさら重厚な印象のあったオテル・ド・クリヨンだが、歴史的価値のある空間は残しつつ、現代のラグジュアリーホテルにふさわしい居住性を重視し、かなり大胆に、また明るい雰囲気に一新された。大きな特徴としては、5人のデザイナー、建築家が参画したこと。単独の個性を強調することなく、バランスのあるホテルに仕上がっている。まだ開業まもないが、パラスホテルの認定、ミシュランの星獲得が期待される。(本文146頁)明るい雰囲気に一新されたパリの歴史の生き証人11「スイート・マリー・アントワネット」のベッドルーム。重厚になりすぎることなく、著名な王妃の世界観をモダンに演出している。2同スイートのバスルーム。大理石の文様を大胆に生かしたデザインが美しい。クラシックとモダンを見事に融合した空間といえる。3使いやすく、すっきりとまとめられたクローゼット。ハンガーなどの備品もこだわり抜いた高級品。細部にまで配慮が感じられる。4スイートに続く「サロン・マリー・アントワネット」は小宴会場としても利用できる。附属のテラスからはコンコルド広場が一望。

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