cafe sweets vol.196
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↓↓↓↓「ピエモンテ」(420円・同)文*笹木理恵(49,50頁)、川島路人(55頁) 写真*大山裕平、上仲正寿、坂元俊満、東谷幸一卵を加えたテクスチャーが重めのクリームで、赤い果実の余韻をおだやかに残す。「マシェリー」(450円・税別)「アローム」(500円・同)赤い果実の魅力を口溶けの 重さを変えて重ね、1つの菓子に深いコクがあるのにくどくない。 チョコとナッツをバニラで軽やかにレタンプリュス046シェフたちが考える味わいの流れを、新作の断面からのぞいてみましょう。フランボワーズホワイトチョコレートヘーゼルナッツのプラリネフランボワーズビスキュイ・オ・ザマンドビスキュイ・デコールビスキュイ・ショコラ・サン・ファリーヌフランボワーズのシャンティイ+ フランボワーズのグラサージュフリュイ・ルージュのムース・ ショコラ+フランボワーズのジュレ味の要素としてフランボワーズとグリオットチェリーのピュレ、「インスピレーション・フレーズ」(ヴァローナ)を加えたムースは、インスピレーションのカカオバターによってなめらかにとろけ、赤い果実の風味がまろやかに広がる。ともすると甘ったるく感じられるこのムースの余韻を、ムースの口溶けと同時に出てくるみずみずしいジュレの酸味で断ち切る。赤モモ、グリオットチェリー、 フランボワーズのクリームブルターニュ産フランボワーズの ジュレ+ライチとエルダーフラワーのムース・ショコラ・ブランオレンジのパン・ド・ジェンヌヘーゼルナッツとミルクチョコレートのムース+バニラクリームフイヤンティーヌ・ ショコラ・プラリネフランボワーズの香りと酸味が最初の口あたりで花開く。オレンジをやわらかく香らせた生地は、主役の風味を邪魔しない、やさしい味わい。ムースとクリームはともにアングレーズベースにして同時に口溶けるように仕立て、「ジヴァラ・ラクテ」(カカオ分40%/ヴァローナ)とヘーゼルナッツの濃厚な香り、バニラの香りが融合。重めのチョコレートのムースに対して、みずみずしいバニラのクリームは甘さ控えめにして厚めに仕込み、2つのパーツの組合せがくどくならないようバランスを調整。プラリネやチョコレートと和えたフイヤンティーヌにはホールのヘーゼルナッツのプラリネを混ぜ、上記のなめらかな口溶けのなかにガリガリとかみくだいて感じるおいしさも加える。酸味がおだやかでバラのような香りのメコ種のフランボワーズが主役。口に入れた瞬間この果実の風味がぶわっと華やかに広がり、ライチの香りをまとったホワイトチョコレートのコクがまろやかに残る。飲み込んだあとにほのかに鼻を抜けるエルダーフラワーの香りがマスカットのようなさわやかな余韻となり、ライチ独特の渋みをもった後味もきれいに昇華させる。フランボワーズのジュレは、ペクチンでほんの少しとろみをつける程度にソース状にしたものをごく薄いホワイトチョコレートで包んでカプセル状にして組み込み、繊細な香りをとじ込めた。口に入れてすぐ流れ出す果実のみずみずしさが、華やかな香りの印象を押し上げている。カプセル状にとじ込めた 果実の香りが一気にほとばしる味わいのトップノート アフターノート新作プチガトー36品に見る

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