そばうどん2018
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ように話す。「うちはあくまでもそば屋ですから、着地点はそば。それ以前の過程はお客さまに自由にお酒を楽しんでいただき、締めにはお客さまに絶対にそばを召し上がっていただきます。初めてのお客さまで酒肴や一品料理のご注文が多いなと思う時は、『最後におそばを召し上がっていただきたいので』と、品数の調整をご提案します」開業当時は外食市場を見渡しても日本酒に特化した店が多くなく、上田氏は「日本酒が飲める業種のイメージとしてそば屋があった」という。日本酒とそれに合う酒肴を豊富に揃え、そばで締める店という発想は事前に固まっており、そば店定番の酒肴にプラスアルファした品揃えとすることで、ほかのそば店との差別化を図った。「そば屋定番のつまみというと海苔や板わさなどで季節感に欠けますよね。そこで、季節感に重きを置いたオリジナルメニューをプラスして、店の個性を出そうと考えました」。たとえば、そば店定番のだし巻き玉子は「甘口」、「青唐辛子入り(辛め)」(各900円)、「季節のだし巻き玉子」と3種を用意。ほかにも「琵琶湖より天然若鮎のパテ」(580円)や、その日の仕入れに応じた刺身といった旬の食材を生かしたメニューが並ぶ。扱う食材は、尋ねられたら素性などを包み隠さず説明できるような、信頼できる生産者や業者から仕入れており、結果として無添加や有機栽培のものが多くなった。当然、そば   2種もりそば 850円夜のみのメニュー。合わせて120gほどを盛りつける。いずれも十割そばで、右が福井県大野産の大野在来、左が青森県十和田産の階上早生。「産地や品種ごとの違いを感じてほしい」(上田氏)と、見た目にも味わいにもタイプの違いがはっきり伝わる組合せで提供する。

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