Bakery book vol.12
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店名は「LFE(生活)」と「WHEAT(麦)」を合わせた造語。パンをとおして健康で幸せなライフスタイルをお届けすることをコンセプトとしています。大きく焼き上げる「カンパーニュ」は対面販売を念頭に開発。見た目のほか、香りや切る音も楽しめるよう、ご注文ごとに目の前でカットし、試食も積極的に行っています。めざしたのは、しっとりとして口溶けがよく、天然酵母の深い香り、かむほどに増すこくと小麦の甘み、とげのない酸味の余韻というように口の中で味わいが変化し、また食べたくなるカンパーニュ。地産地消もテーマとしており、自分が求めるパンに合うことなどから、粉は北海道産の3種を灰分やグルテンのバランスを考えて配合。埼玉県産の全粒粉でかけ継ぐ酵母種が旨みの軸となっており、〝酵母や食材は生命〟と、自然への感謝を込めて製造しています。生地の状態を見極めながら発酵を終えたら、石窯で焼成。大きく仕立てるのは水分を保ちやすいという意図もあるのですが、石窯の輻射熱が生地の中心からやわらかく入ることで、クラムはよりしっとりと、クラストは適度な固さにこうばしく焼き上がります。主張しすぎない食べやすさが、当店らしさ。チーズやワインはもちろん、和素材にも合い、タルティーヌにも向き、切り方などでも表情が変わる。カンパーニュの楽しさを満喫していただきたいです。ハード系は「バゲット」も人気。北海道産小麦粉て低温長時間発酵させており、北海道産きな粉が隠し味。クラムはしっとりとして口溶けがよく、まろやか。クラストは薄くこうばしいのが特徴です。また、成形や副素材などでバゲットの生地をアレンジした〝プチパン〟も用意。ハード系でありながらしっとりしていて菓子パン感覚で食べられ、小さめなので複数を選ぶ楽しさも。季節商品も投入しています。自分がつくるパンは〝日本人の嗜好に    I を世界に発信することが、大きな夢です。合わせた〟わけではなく、日本人である自分が日本の素材や道具を使い、お客さまに提案したいおいしさを追求して生まれた、いわば〝メイドインジャパン〟のパンだと考えています。国の垣根を超え、パンの本場の国の方にも「こういうのもありだね」と思っていただけるおいしさ2種でかけ継いだ液種を用い“メイドインジャパン”のおいしさがあるパンを発信しっとり仕立てたハード系の菓子パンなども多彩に展開50「カンパーニュ」はプレーンとクルミやレーズン入りの計4品で、厚さ4cmからその場でカット。バゲットの生地に副素材を加えた小さめのパンは約11品をラインアップ。個包装で水分を保つ。ほかに食パンや地元野菜を使うピザも提供している。オーナーシェフ鈴木伸一さん1971年生まれ。神奈川・横浜の「アンデルセン」を経て東京・富ヶ谷の「ルヴァン」に4年勤務。うち3年間は製造チーフを務める。その後、北海道・札幌の「地蔵商店」などを経て、2011年に故郷の土呂に店舗を新築して独立開業。埼玉県さいたま市北区土呂町2-10-8☎048-665-8060営業時間/10時30分〜19時定休日/日・月曜https://www.lifeat.co/JR土呂駅から徒歩約1分。瓦葺など日本の伝統をとり入れた、シンプルでモダンな戸建て店舗(約22坪)。近隣の「さいたま市大宮盆栽美術館」を訪れた外国人が立ち寄ることも。店舗は酵母を扱う酒蔵をイメージし、国産木材や漆喰壁で“酵母がすみつきやすい”空間に。すがすがしい売り場(約10坪)は特注の陳列棚を配し、上段にハード系約16品、下段にリッチな配合のソフト系約11品を置く。接客は妻の智子さんとスタッフが行う。幅約2.5mの特注の陳列棚に並ぶ大きなカンパーニュが店の顔リフィート LIFEAT

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