翁達磨 高橋邦弘 そばの旅
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「そば会」事始め「そば会」という言葉が一般的に認識され使われているものなのかは、分かりません。ですが、僕はいろいろなところで「そば会」をしてきました。そば粉やつゆなど材料、器も含めて、自分の道具いっさいを持っていって、その場でそばを打ち、お客様に食べていただくというものです。主催者が僕であることもあるし、依頼されてやることもあります。主催されるかたによっては、料理を出したり、お酒、肴をいろいろ出すこともあります。集まるかたも実に多様で、僕の主催では僕の知り合いですし、主催者があれば、その関係者、お客様、また一般から参加できる催しであることもあります。 そういうそばを食べる会、「そば会」を数えられないくらいやってきました。 実はこの「僕が出向いていってそばを打つ、出張そば打ち」という形でのそば会は、僕のそば人生のなかでとても大きな仕事になっていったのです。 もちろん始めからこのような形態を目指したのではありませんし、やり方も少しずつ確立していったわけですが、もともと店以外の場所でそばを打つことにあまり抵抗はなかった気がします。それよりも、そばを打って欲しいと頼まれてそれに応えることが嬉しかったのか14

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