新版 そば打ち教本
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 --          そば道段位認定制度の狙いは、「そば」および「そば打ち」に親しむことを通じて「豊かな人生」を構築することである。全麺協では、それを「そば道」と定義している。前章で解説しているが、「そば道」は「素人そば打ち段位認定制度」と同時に構想がなされていた。全麺協ではそばを通じて人格形成を行おうとする「そば道」を素人そば打ち段位認定制度を進める理念と位置づけ、そば打ち段位は「そば道」を歩むための「道しるべ」であり、単にそば打ち技能の巧みさのみで段位が認定されるものではない。そば道段位認定制度の目的は「調理技術の追求」にあるのではなく、そば打ちによって行われる「生涯学習」にあると考えるべきである。生涯学習とは、少年期から青年期における学校教育だけでなく、人生すべての時期において継続された学習の機会を設けることによって、自らを高めて豊かな人生を築いていくことをいう。生きがいと地域づくりの観点から、高齢化社会には生涯学習が不可欠とされている。全麺協のそば道段位認定制度は「そば道段位認定制度規程」(104頁〜参照)に基づいて運営される。審査員が、初段位から五段位までの段位別に各工程のどの作業を重要視して審査を行うかについては明確にしている。段位認定会における技能評価は、「そば道段位認定制度規程」に規定されている「第4章段位認定会実施要領」に従って作成された「技能審査チェック項目」(114頁〜の表11、表12参照)とその「補足説明」(116頁の表2参照)によって審査される。 「技能審査チェック項目」は各段位共通したものとなっているが、段位が上になるにしたがって高いレベルで確認項目が増え、三段位から五段位では上位段ほど精度の高さが問われる。1事前準備及び衛生入る前に、まず段位認定会がどのように開催されるのかをまとめる。開催されているが、主催者によって認定会場の都合などから開催内容が多少異なる場合があるので、詳細については事前に配布される受験要綱や主催者に問い合わせをして確認しておくとよい。以下は、あくまでも一つの参考例として紹介するものである。側で用意し、受験者が用意するものは以下の通りである。具体的な「技能審査チェック項目」の説明に認定会は、全麺協正会員によって全国各地で認定会では通常、以下の道具や材料を主催者技術篇全麺協そば道段位認定制度の目的第4章そば道段位認定制度の仕組み審査基準と技能審査チェック項目及び補足説明各そば打ち工程の解説段位認定部そば道段位認定審査の考え方と審査内容080

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