タコス
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17メキシコの国土は日本の約5倍。気候風土は多様で、土地ごとに食材や料理は異なりますが、全国共通なのは食生活にタコスがあること。まさにメキシコのソウルフード。写真やレシピからだけではわからない本場のタコスの素顔を、マルコさんに聞いてみました。 タコスとは「トルティーヤに料理をのせたもの」。メキシコ独特の外食文化という一面もありますが、そもそも、トルティーヤはメキシコ人の主食です。日本人にとってのごはんと同じで、家庭では「おかず料理とトルティーヤ」で食事をします。その料理をトルティーヤに挟んで食べれば、それはタコスです。 外食のタコスにはカルニータス(豚肉のコンフィ)やパストール(ケバブ風の焼き肉)など、有名な“定番もの”がありますが、それらに限らず、どんな料理もトルティーヤにのせればタコス。メキシコの気候風土は、砂漠、熱帯雨林、海岸、山岳地帯……とじつにさまざまで、食文化は非常に多様性に富んでいます。つまり、それだけタコスの幅は広いのです。 古代人がトルティーヤにトウガラシや豆を挟んで食べたことがタコスの始まり……とよく言われます。が、タコスという言葉や概念は意外に新しいそうです。20世紀初頭の近代化の時代、首都に全国から労働者が流入し、彼らが「家の外で、安く、簡単に」食べられるものとしてタコスが生まれたのだとか。以来全国から、ときには外国移民が持ち込んだ料理が、首都のタコスとして発展しました。  外食文化としてのタコスはストリートから始まったといえるでしょう。今はレストランでも前菜としてタコスを出しますし、最近は上質な食材を使ったり、具材を組み合わせて複雑な味わいを表現したプレミアムタコスも登場しています。メキシコ・モンテレイ出身。2018年に東京に「ロス・タコス・アスーレス」を開業。メキシカンタコスの新しい可能性を表現し、料理界に新風をもたらす。現タコスブームのリーダー。答える人:マルコ・ガルシアさんロス・タコス・アスーレストルティーヤ自体には何千年もの歴史があり、古代から食べられてきました。1. タコスって何ですか?2. タコスはストリートフードなの?メキシカンタコスのここが知りたい

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