アンドシノワーズ
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STORY037誤解を恐れずに言えば、軟派な料理である。 ラオスではレストランの定番メニューだし、生のレモングラスが豊富に手に入るインドシナにおいては、それをきざみ込んだ挽き肉料理はまさにその典型かもしれない。 この料理が古典たる理由は、ラオスが山深く、肉や魚といったたんぱく質が珍重される国柄だったというルーツに紐づく。家庭で豚を1頭さばいたら、それを多人数の家族で平等にいただくには部位にこだわらず粗挽き(叩き)にしてしまうのがよく、さらにレモングラスで個分けに包むことで、大人にも子どもにも平等に配ることができるという。 私たちがしつこくインドシナ料理を研究する理由のひとつである「料理から見える生活文化背景」を、一等感じとれるお話だ。しかし、レモングラスが豊富に生える南国はうらやましい。RECIPE - p.039レモングラスのファルス9

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