villa aida 自然から発想する料理   
14/16

|料理7、畑3の力加減でColumn エッテと和えてパルミジャーノをふる。これ以上足すものも引くものもない、完成された料理だと思います。年が明けて霜が降りる頃にはほうれん草やプンタレッラも育ってきます。冬の畑は夏のように切羽詰まった忙しさがなく、徐々に野菜の種類が増えていくので楽しいですね。 冬野菜は暖かさの残る秋に種を蒔き、芽が出た頃に気温が下がるとおいしくなるのですが、最近は温暖化の影響でなかなか寒くならず、野菜作りも思うようにいきません。去年はクリスマス前になっても「ポカポカやなぁ」なんて言いながら半袖 |冬の野菜は種類豊富10月下旬、稲刈りを終えた田んぼを耕して畝を作り、冬野菜の種を蒔きます。冬の野菜はバリエーション豊かで、色とりどりの大根に人参、ラディッキオ、フェンネル、ビエトラ、チーマ・ディ・ラーパ、ほうれん草まで、根菜と葉物が豊富に揃います。続いて11月、翌春に向けてそら豆の種を蒔き、玉ねぎの苗を植えたら年内の畑仕事はほぼ終了。つかの間の秋休みを楽しんだら、あとは育った野菜を収穫するのが主な仕事です。―ラディッキオは冬野菜の中でも早めの12月前半から穫れ始めます。まだ秋野菜が残っている時期なので、菊芋(秋が旬で小川農園にて、大根や蕪を品定め。すが、保存がきくので冬も使います)と若いラディッキオを合わせてクレープ(p. 144)を作りました。これは、大阪の「ラ・シーム」で高田さん(裕介氏)が作ってくれて、おいしさに感動した組合せです。見慣れている素材同士なのに、僕にはこの2つを合わせる発想がありませんでした。自分の常識にとらわれてはいけないと痛感した経験でした。―現在、野菜、ハーブ、果樹を合わせて150種近くを育てていますが、その中で、「この料理に使おう」と用途が最初から決まっているほぼ唯一の野菜がチーマ・ディ・ラーパです。毎年、オレキエッテを作りたくて育てています。ニンニク、アンチョビと一緒に炒めて、ゆでたオレキ冬の畑

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る