プロのためのえび・かに・いか・たこ料理
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車エビバナメイエビ県や愛知県だが、近年その量は減少し、稚エビを育てて放流するなどの対策がとられている。漁獲量は夏に多くなり、旬は初夏から秋とされる。天然車エビの漁獲量は、1985年には全国で3700トンだったが、その後減少し、2014年は500トンほどになっている。そのため養殖の重要性が増し、日本の養殖車エビの生産量は1970年以降徐々に増加し、現在は1600トンあまりになっている。2016年の都道府県別の車エビの養殖量(水揚げ量)のトップ3は、沖縄県(447トン)、鹿児島県(356トン)、熊本県(263トン)である。養殖ものの旬は冬。【食べ方・味など】高級素材として、料理店での需要が高い。味がよく天ぷら、エビフライ、焼き物、椀だね、寿司、刺身などさまざまな料理に使われる。Marsupenaeus Japoncus (BateLitopenaeus vanname (Booneiiクルマエビ科クルマエビ属十脚目(エビ目)根鰓亜目(クルマエビ亜目), 1888)十脚目(エビ目)根鰓亜目(クルマエビ亜目)クルマエビ科Litopenaeus属, 1931)12】クルマエビ(車海老、車蝦)【和名※くっきりとしたしま模様が特徴的。丸まったときの姿が車輪のように見えることから名がつけられた。【英名】Japanese tiger prawn, Kuruma prawn【別名】ホンエビ、マエビ、ハルエビ。大きさによりサイマキ、中マキ、マキと呼ばれることも。【形態・生態】体長10cmごろから雌雄の成長差があらわれ、メスはオスより大きくなる。東南アジア、アフリカ、地中海など世界各地に広く分布する。日本では、青森県以南の日本海沿岸および仙台湾以南の太平洋沿岸に分布し、内湾や汽水域の砂泥底に多く生息する。雑食性で藻類や貝類、小魚、動物の死骸などを食べる。車エビを含む「根鰓亜目」(クルマエビ亜目)のエビは、産卵の際に卵を海中に放出する。【産地・旬】車エビの漁獲量が多いのは、愛媛】シロアシエビ(白脚蝦)[白しら姫ひめえび]日本水産(株)が鹿児島県南九州市で試験養殖を進めている、生食が可能な国産バナメイエビ。一定の環境に管理された屋内施設で養殖することにより、周年の水揚げを実現。「白姫えび」と名づけられた。刺身で食べるときは、甘みの強い腹側に切り目を入れ、舌にあたる面を大きくしておきます。(う)【和名※シロアシエビの名は、ほとんど使われない。「バナメイ」は、学名のVannameiを音でよんだもの。【英名】White leg shrimp, Pacifi c white shrimp, King prawn【別名】パンナムエビ【形態・生態】全長23cmほどになる。分布域は南米のメキシコやエクアドル、ペルー北部に至る沿岸。かつてはメキシコ近海や遠洋で漁獲されていたが、20世紀末には養殖が漁獲を上回った。やがて中国、東南アジアを含む世界中で養殖が行なわれるようになり、生産高はブラックタイガーを抜いた。ブラックタイガーにくらべてウイルスに対する抵抗力があり、淡水に近い水質にも強く、成長までの時間が短いなどの特徴があり、養殖にむいたエビといえる。【産地・旬】タイ・ベトナム・インドネシアなどの東南アジアで多く養殖され、日本もほとんどをこれらの国からの輸入に頼っている。近年、屋内型の生産システムが開発され、国内での養殖が増えることが期待されている。【食べ方・味など】甘みが強い。色は淡く、火を通しても車エビやブラックタイガーのように鮮やかな色にはならないが、安価で使いやすい。えび

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