

「理想のパン」をつくるには? 製パンの仕組みをロジカルに解説
パンづくりのメカニズムとアルゴリズム
2,200 円 (税込)
ISBN:9784388251223
発行年月日:2021/10/2
判型:A5
頁数:196頁
吉野 精一 著
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タイトルにある「アルゴリズム」とは数学用語で、問題を解決するための方法や手順のこと。
「目標とするパン」をつくるには、どのような手順を踏めばよいのか。ミキシングから、生地発酵、分割・丸め、成形、焼成までのパンづくりの"プロセス"を、さらに細かい"ステップ"に分け、「目標とするパン」をつくるための"正解手順(各ステップの選定と優先順位の決定)"を探ろうというのが本書の狙いです。
著者は、長年にわたって辻製菓専門学校で製パンを教えてきた吉野精一氏。
本書では、パン生地の内部で起こる化学反応も詳細に解説し、製パンの仕組みをロジカルに説明。
パン職人として身につけておきたい知識がこの一冊に詰まっています。
本書は、パン好きの間で大人気の本『パン「こつ」の科学』の著者がプロ向けに書いた製パン理論書で、下記の5章で構成されています。
【第1章】 パンづくりのコンストラクション
パンの製法、工程の組み立て、パンの基礎材料・副材料など、パンづくりの概要をロジカルに解説します。
【第2章】 パンづくりのメカニズム
粉はなぜつながるのか? 生地はなぜ膨らむのか?
パン生地の中で起こる化学変化をわかりやすく説明します。
【第3章 】パンづくりのアルゴリズム
ミキシング、発酵、焼成の各ステージにおける作業のポイントを細かく解説。
ここを読めば、製パンの各作業の"意味"を確認できます。
【第4章】 パンの周辺科学
パン品質改良剤とは何? トランス脂肪酸とは?イーストにはどのような種類があり、どのように使い分ける?
知っておきたいパンの知識をコラム的に、楽しく紹介。
【第5章】 パンのワンダーランド
長年パンづくりに携わってきた著者が、独自の視点で"パンづくり"を考察したコラム集。科学的・数学的アプローチに、これまでのパンづくりが一変する!?
◎吉野精一(よしの・せいいち)
1956年大阪生まれ、辻製菓専門学校 非常勤講師。American Insutitute of Baking 製パン科学学科、 Kansas State University 農学部穀物学科を卒業後、1986年に辻製菓専門学校に入職、2021年に退職、現在にいたる。長年にわたり、「製パン科学と技術」の両面からパンに専心・追求する。製パン技能士および科学者として学術界並びに産業界から高い評価を受ける。また、穀物を中心とした食文化や歴史にも精通する、国内外でも有数の研究家として活躍中。著書に『パン「こつ」の科学』(柴田書店)や「パンの科学」(講談社)など多数。
【目次テキストを見る】
- 目次
- はじめに
- 「目標とするパン」の段階的構築
- 製法の選択
- 多種多様なパン製法(Bakingmethods)
- アメリカから導入された2大パン製法
- ストレート法/中種法
- 発酵種の種類と製法の特徴
- 生地種/液種(ポーリッシュ)/自家製パン種/伝統的パン種
- 種入れぬパンの存在
- 古くて新しい発酵種
- 工程の組み立て
- 生地作成→生地管理→焼成の3つのステージ
- 製法によって異なるパンづくりの工程
- パンづくりはスクラップ&ビルド
- 製パン工程(Bakingprocess)
- 中種ミキシング/中種発酵/生地ミキシング/生地発酵/
- パンチ(ガス抜き)/分割・丸め/ベンチタイム/成形/最終発酵/焼成
- 配合の決定
- 生地の増減にも対応可能な「ベーカーズ・パーセント」
- 「ソフトでリッチなパン」と「ハードでリーンなパン」
- パンの分類
- 4つの基礎材料
- 4つの副材料
- 配合は足し算で考える(ボトム・アップ方式)
- 材料の選別
- パンの進化
- 小麦粉について
- 小麦の栄養素
- パン用小麦粉の選別のポイント
- 小麦粉の種類/一般ユーザーや消費者向けに開示されている情報
- グルテンの力が強い「強力粉」
- パン用酵母(イースト)について
- パン用酵母の種類と、選別のポイント
- 生イースト/ドライイースト/インスタント・ドライイースト/セミドライイースト
- パン用酵母の分類
- 「塩エン」と「塩しお」
- 食塩の成分表示(塩の法令)
- パンづくりにおける食塩の機能性
- 塩の旨味はどこからくるのか?
- パンと塩の「塩梅」の計算式
- パンづくりにおける水の役割
- パン生地に使用する水(仕込み水)の適性
- 水溶液のpH(ピーエイチ)と酸度
- 水の味の違い(ミネラルの仕事)
- 自由水と結合水
- 水分含有量と水分活性
- 糖類について
- パンに使用される主な糖類
- 砂糖/天然糖
- 糖の種類で甘さが変わる
- 乳製品について
- パンの風味を高めるバター
- 脱脂粉乳、生クリーム、ヨーグルト
- 油脂について
- マーガリン、ショートニング
- 卵について
- 卵製品の種類
- column調理、菓子、パンの材料・素材の種類
- columnイーストの量産に貢献した2人のルイ!プラス・ワン
- パン生地ができるまでのメカニズム
- 小麦タンパク質と小麦デンプン
- グルテンの複雑な構造
- アミノ酸のペプチド結合(1次構造)/グルテンヘリックス(2次構造)/
- 3次構造をつくる、同一分子間のジスルフィド結合/
- 4次構造をつくる、他分子間のジスルフィド結合/
- グルテンマトリックスとセル
- グルテンの弾性と抗張力の相関(グルテニンの働き)
- グルテンの粘性は接着剤(グリアジンの働き)
- デンプン粒がパン生地を高密度にする
- 健全デンプンと損傷デンプン
- デンプンのもと(ブドウ糖)
- アミロースとアミロペクチン
- α-1,4とα-1,6結合について
- デンプンのミセル構造
- 生地発酵と作業のメカニズム
- 微生物の圧倒的な数による力
- パン生地の膨張(イーストとグルテンの共同作業)
- イーストのアルコール発酵
- 糖質分解酵素のアミラーゼ群
- パン生地の酸性化(pHの低下)
- パン生地の酸化
- パン生地の熟成
- 生地中における水の形態
- 生地発酵の後に行う主な作業
- パンチ(ガス抜き)/分割/丸め/ベンチタイム/成形/最終発酵
- 焼成のメカニズム
- 直焼き、プレート焼き、型焼き
- 焼成中の生地の変化
- 焼成のダイナミックス(熱の種類と熱伝導の関係)
- パン生地の窯伸び
- ステージを構築するステップ
- パン生地ができるまでのアルゴリズム
- 1stステップ:混合~つかみ取り段階
- 2ndステップ:水切れ(水和)~進展段階
- 3rdステップ:結合~完成段階
- 4thステップ:麩切れ~破壊段階
- 生地発酵と作業のアルゴリズム
- 1stステップ:発酵の予備段階
- 2ndステップ:発酵の加速段階
- パンチ(ガス抜き)
- 3rdステップ:発酵の減速段階
- 分割・丸め/ベンチタイム/成形/最終発酵
- 焼成のアルゴリズム
- 1stステップ:生地の軟化と流動化の段階
- 2ndステップ:生地膨張とクラスト形成の段階
- 3rdステップ:生地の色付きと火通りの段階
- 山形食パンと角形食パン
- パンの比容積/型生地比容積
- 材料の科学
- パン品質改良剤とは
- パン品質改良剤を使用する目的
- パン品質改良剤の原料素材とその働き
- 脱脂粉乳はメイラード反応促進剤!
- 乳脂肪について(バターと生クリーム)
- 乳タンパク(カゼインと乳清タンパク)
- 飽和脂肪酸(脂)と不飽和脂肪酸(油)
- トランス脂肪酸とその問題点
- 卵黄の機能性
- 仲介人、レシチンの乳化性
- パン生地と卵白の関係(オボアルブミンの効果)
- イーストと浸透圧
- イーストと酵素
- 低ショ糖型イーストvs.高ショ糖型イースト
- 麦芽糖構成型(低ショ糖型)vs.麦芽糖誘導型(高ショ糖型)
- パンの基礎知識と周辺科学
- パンの起源とその源流
- 世界最古のパン
- パンの定義:パンという食べ物
- パンの規格
- 材料と原料
- パンの腐敗
- パンの安全性
- 昔は「等級の低い粉」ほど栄養価が高かった?
- 漂白粉はなぜなくなったのか?
- 国内産パン用粉のゆくえ
- 喫茶店のモーニング!
- パンとご飯、どちらが消化が早い?
- パンとご飯、どちらの栄養価が高い?
- トーストのルーツ
- トーストの化学反応
- 戦後のパン食文化
- 戦後のパンの発展史
- パンへの道のり
- つくり手の憂鬱
- つくり手のジレンマ
- パンづくりの確率論
- パンづくりとファジー理論
- パンの官能評価
- パンづくりのファジーな側面
- ファジーの処方箋は「経験則」
- パンづくりで生じるカオス
- 表層のカオスと深層のカオス
- 正のカオスと負のカオス
- パンづくりのパラドックス
- AIのブラックボックスとカオスの関係
- パンづくりのブラックボックス
- おわりに
- 索引



