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2011年12月20日

第35回 (12月11日 ― 12月17日)

12月11日(日) 晴れ

20111211.jpg[昼]
地中海料理店にて
・里芋とポルチーニ茸とあん肝の
 テリーヌ、生野菜添え
・蒸したらのグリル野菜添え、
 柿ソース添え
・プラムケーキ、洋ナシのタルト
+赤ワイン、コーヒー

20111211_1.jpg[夜]
・チゲ鍋(白菜、ジャンボなめこ、
 柿の木茸、豆腐、白菜、ルーコラ)
・3分づきご飯、赤カブ漬け

気持ちよく晴れたので、お気に入りのレストランで友人とランチを食べ、
目黒駅付近を散歩した。
夜は、きのこをたっぷり入れたチゲ鍋。
スープは、昆布だしにコチュジャンと塩を入れただけのシンプルなもの。
そこに具を入れるだけなのだが、きのこのだしがよく出てとてもおいしかった。
チゲ鍋はどんな野菜でもおいしく食べられるので、冬はたびたび登場する。


12月12日(月) 晴れ

20111212.jpg[昼]
祐天寺の「ロゼッタ」にて
・たっぷりの有機野菜とイタリア風卵焼き、
 カポナータの盛り合わせ
・ほうれん草と貝柱のスパゲッティ
+コーヒー

20111212_1.jpg[夜]
・海藻ごはん
・北海道産子持ちししゃも
・じゃがいもと絹さやの味噌汁
・赤かぶ漬け、白菜漬け

今日はオフ。
妹と待ち合わせて、祐天寺でイタリアンランチ。
シェフが取り寄せているという有機野菜のサラダは、
ひとつひとつの野菜に力があり、心も体も大満足のひと皿だった。
パスタもおいしく、久しぶりにレベルの高いイタリアンを食べられて幸せ。
「どんな野菜でもおいしく調理する」というのは私のポリシーだけど、
野菜にこだわるとやはり味わいが深く、ワンランクレベルの高い料理に仕上がる。

晩ごはんは、味噌汁とごはんと漬けものでシンプルに。
海藻ごはんはいつもの3分づきごはんに「海の十四宝」を混ぜたもの。
今はご飯も新米に近く、野菜に甘みが出て漬けものもおいしい時期なので、
これだけで充分幸せ。


12月13日(火) 晴れ

20111213.jpg[夜]
自然食レストランにて
・野菜の石焼きビビンバ
・海藻のスープ
+オーガニックハーブディー

料理教室の準備の日。
私は前日に料理教室のレシピを仕上げるので、
材料を買ったり仕込みをしたりと忙しい。
私の場合、試作はせずに、頭の中でレシピを完成させてから料理を作ることが多い。
試行錯誤を経てレシピを完成させるのではなく、
まずレシピがポンと浮かび、それをあとから作ってみるという感じ。
実際作ってみると、頭の中と違って五感でリアルに味を感じるため、
自分の想像よりもおいしく感じたりする。
それでつい、自分で考えた料理なのに、「あっこれおいしいわ!」と口に出して
スタッフに不思議そうな顔で見られたりする……。
なぜレシピが先なのか、という話はまた別の機会にお話しするとして、
素材だってひとつひとつかけがえのない命なのだから、
「試作」という概念は捨てて、1回1回全力で完成品に仕上げたいと思う。

昼間はいつものように近所のカフェ「ノルド」でパスタを、
夜は自然食レストランで、野菜たっぷりのごはんを食べた。


12月14日(水) くもり

20111214.jpg[夜]
・味噌雑炊
・赤カブ漬け


20111214_1.jpg今日の息子のお弁当は
鶏の唐揚げ、にんじんとインゲンの煮もの、
卵焼き、ブロッコリースプラウト&りんご、
海藻ごはん、赤カブ漬け

今日から土曜日まで、12月の料理教室。
毎年12月は、年末年始に使えるおもてなし料理を紹介している。
料理教室を初めて10年。
精進料理やベジタリアンのおせち料理はたくさん教えてきたので、
今回はちょっと楽しい変わりダネに。

20111214_2.jpg・赤ピーマンとグリーンオリーブの
 豆腐ソーセージ
・いちごと赤ワインのドレッシング
 大根と水菜とチャービルのサラダ
・黄色い素材で作るきんとん味噌スープ
 (さつま芋、かぼちゃ、
20111214_3.jpg  もちきび+くちなしの実)
・黒豆ときのこのリエット風、
 ライ麦と全粒粉のクラッカー添え
・みりん風味の里芋と甘酒のアイスクリーム

の5品が今年のメニュー。

このところ頭痛&更年期障害(?)のためお弁当をお休みしていたが、
今朝は久しぶりに復活。
息子は私が無理をしないように
「お弁当でも買って食べても、どっちでも僕は同じだからね」と言ってくれたが、
少し体調のよい日にはなんとか作りたいと思う。


12月15日(木) 晴れ

20111215.jpg[夜]
・無農薬じゃがいもと北海道産生たらの
 サフラン風味煮込み
・いちごとスプラウトのサラダ、
 バルサミコドレッシング
・3分づきごはん
・赤カブ漬け、大根葉とカブの葉の塩漬け

料理教室2日目。
20111215_1.jpg砂糖たっぷりの栗きんとんはおせち料理の定番だが、砂糖を使わない私は黄色い食材をことこと煮込んで野菜と雑穀の自然な甘みを引き出し、麦味噌と白味噌で味をつけた、甘くて黄色い味噌スープ「きんとんスープ」をおせち料理の新定番として紹介している。
スープのポイントは何といっても鍋。
ルクルーゼやストウブのような鋳物製ホーロー鍋で煮込むと、
野菜の中心部にしっかり熱が伝わるため、野菜の深い味わいが引き出される。

そして、野菜がとろけるまで煮ることも、大切なポイント。
日本人は野菜の形が煮崩れないように料理するけれど、
スープは野菜が煮崩れるまで煮ないと本当にはおいしくならない。
このきんとんスープ、仕上げにゆず皮のせん切りを香りのアクセントを散らせば完璧。

今日は「ノルド」がお休みなので、お店近くのイタリアンでパスタランチ。
晩ごはんは、少し多めのオリーブオイルでにんにくを炒め、
新鮮な生たらとじゃがいもをサフラン風味で塩味のアクアパッツァ風に煮込んで、
しょうゆを隠し味に加えた煮込みを作った。
大根葉とかぶの葉の塩漬けは、何週間か前に作ったものを冷蔵庫の氷温室で
熟成させていて、だいぶ酸味が出てきて食べ頃になった。


12月16日(金) 晴れ

20111216.jpg[夜]
目黒「かわせみ」にて
・野菜の塩糀漬け
・自家製厚揚げ
・あったかいけんちん汁のつけ蕎麦
+純米酒のぬる燗
20111216_1.jpg


料理教室3日目。
今日は、里芋のみりん風味アイスクリームが好評だった。
本来みりんは、もち米と麹と焼酎で作るのだが、
一般的に売られているみりんは糖類を添加しているものが多く、
本物のみりんを作っているメーカーは少ない。
わたしが愛用しているのは「三河みりん」。
これを半量に煮切って、蒸した里芋、甘酒、豆乳、塩少々を加えて
フードプロセッサーにかけ、冷凍庫に一晩入れてカチカチに固める。
翌日常温に15分ほど出してから、フォークなどで全体をつぶし、
再びフードプロセッサーでソフトクリーム状態にしてから食べる。
砂糖も油も使っていないのに、とってもヘルシーでクリーミーに仕上がる。

料理教室が終わってから、群馬に住んでいる友人と会って
お気に入りの蕎麦屋さんで晩ごはんを食べた。
昼間は少し暖かかったが、夕方から冷たい風が吹いて
夜は骨にしみるような寒さだった。
こんな時は、蕎麦屋さんの野菜のおつまみに純米酒の燗酒がうれしい。


12月17日(土) 晴れ

20111217.jpg[夜]
・グリルれんこんとグリーンオリーブの
 青じそポン酢ドレッシングサラダ
・焼いた時鮭、赤カブ漬け
・白菜と大根の味噌汁
・広島菜漬け
・3分づきごはん

料理教室最終日。
今年の料理教室も、無事終了した。

大家さんから広島菜漬けを一株いただいたので、
ご飯を炊いて、極上の鮭を焼き、たっぷりの漬けものを添えて、
朝ごはんのような晩ごはんを食べた。
広島菜漬けは食感もよく、さっぱりとした塩漬けで飽きないおいしさ。
鳥取から送られてきたれんこんは、じっくりオリーブオイルでグリルしてから、
オリーブとともにポン酢風味のドレッシングを添えてサラダにした。


[著者略歴]
カノウユミコ
鳥取県の専業農家に生まれる。生来の料理好き。高校生の頃から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理、精進料理を研究する。精進料理「菜懐石 仙」のオーナーシェフ。家庭でかんたんに楽しめるベジタリアン料理教室も主宰する。著書に 『菜菜ごはん』 『ますます菜菜ごはん』 『菜菜スイーツ』 『菜菜ランチ』 『菜菜おつまみ』 『菜菜おつまみ2』(すべて柴田書店)、『やさいのかみさま』(小学館)、『ベストヒット野菜料理』(講談社)ほか多数。最新刊は『菜菜おつまみ2』。

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投稿者 webmaster : 2011年12月20日 18:26