月刊専門料理2018年7月号
11/19

21341 投影 ヤングコーン 茄子2 帆立 フロマージュブラン3 稚鮎 花山椒4 椎茸 バッカス——次はスープですが、このように前菜にスープを入れることが多いそうですね。お客さま自身に皿に取っていただく形としてワクワク感を演出します。季節感をより強く感じていただくため、ヤングコーンのように調理を施してからもとの形を模した見た目にすることも多いですね。 2品目の「帆立~」は、昆布締めにしたホタテとマリネしたカブをミルフィーユ状に重ね、フロマージュ・ブランのムースを添えた品。各要素の異なる甘みが主役の冷前菜です。コース序盤の品なので、シトロンキャヴィアやレモンなどの酸味を添えて食欲を増す効果も狙っています。甘みを立たせたこの品に対し、次の「稚鮎~」はアユの苦みを前面に出した一品としてコースにメリハリをつけました。焼いた稚アユの一夜干し、黒酢と一番だし風味の新タマネギ、白味噌をフダンソウで巻き、アユの内臓のソースや花ザンショウを添えています。苦みをすっきりリセットしてから次の品に進んでいただくため、トマト果汁と炭酸水の一口のドリンクを合わせました。 個人的にスープが好きなので(笑)。また、コースに緩急をつけるアクセントとしても効果的だと考えているため、組み込む位置はそのつど異なりますが、前菜の一品として入れることが多いですね。今回の「椎茸~」は、シイタケの濃厚なだしをベースとしたフランに、同じだしに硬質チーズのバッカスと生クリームを加えたスープを合わせたもの。スープは客前で注いで香りを立たせます。シイタケとトリュフのスライス17料理解説/162頁ある日のコース(1万3000円)

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る