月刊ホテル旅館
10/10

1884年にローマの宝飾店として設立された「ブルガリ」。ホテル事業は、ブルガリホテルズ&リゾーツとして、2004年のミラノを皮切りに、バリ、ロンドン、北京、ドバイと世界各国でホテルを展開している。今年4月23日には、三井不動産㈱(東京都中央区)とパートナーシップを組み、22年に「ブルガリホテル東京」の開業合意を発表した。今後も、上海、モスクワ、パリとホテル開発を加速させている同社。世界でのホテル開発戦略と、日本での展開について、ブルガリ・グループエグゼクティブバイスプレジデントのシルヴィオ・ウルシーニ氏に聞いた。 ─  ─ ─「ブルガリホテル東京」が2022年に東京・八重洲に開業することが決まりました。日本1号店をこの立地に決めた理由について教えてください。べて同様の規模なのでしょうか。客室数98室は既存のホテルと比既存5ホテルのインテリアデザインは、イタリアの建築設計事務所「アントニオ・チッテリオ・パトリシア・ヴィール」が手掛けています。東京でも起用されるのですか。『ブルガリホテル』の世界観を東京・八重洲の最良立地で体感できる場を創造しますシルヴィオ・ウルシーニ氏ウルシーニ氏(以下ウルシーニ):日本初となるブルガリホテルは、東京駅前の超高層複合ビル内の上層階での出店となります。都心の利便性が高いエリアで、徒歩圏内には皇居などの観光スポットや銀座・日本橋などのショッピングエリアが位置している他、丸の内など金融・ビジネス街も隣接し、ビジネスでの利用も見込める理想的なロケーションといえるでしょう。39階から最上階45階の7フロアに展開予定で、富士山や東京湾などすばらしい景色を楽しめることも特徴となります。ウルシーニ:2004年にスタートし、現在5軒のホテルを運営している当ホテルブランドですが、最少でミラノの58室、多くてドバイや北京の120室程と、客室数は100室前後がブランドスタンダードだと定めています。これは、お客さま一人ひとりのプライバシーに配慮することと、個々人に合わせたパーソナルなケアやサービスを提供するためには、この程度の規模がふさわしいと考えているからです。東京の客室数も全98室を予定しており、ツイン・ダブルルームを中心に、ラグジュアリーなスイートから、さらに上をいく“ブルガリスイート”まで多彩なタイプをラインアップする予定です。ウルシーニ:インテリアデザインには特に心を配っており、東京もアントニオ・チッテリオ・パトリシア・ヴィールが手掛ける予定です。ブルガリはイタリア発祥のブランドですので、イタリアを代表するホテルとして、イタリアン・スタイルというものを世界中に広めていくという使命があると思っています。東京も他地域と同様にイタリアのエッセンスを組み込んでいく計画です。もちろんそれだけでなく、その土地が持っている特色も取り入れていきたい。日本にはすばらしいクラフトマンシップがあります。たとえば、食器や美術品、生け花や織物などさまざまなものからインスピレーションを受け、ディテールに取り入れていけたらと考えているのです。意匠を凝らし、機能面でも優れた空間は、ブルブルガリ・グループ エグゼクティブ バイスプレジデント81  月刊ホテル旅館2018年6月号TOP Intervi ew

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る