月刊ホテル旅館2017年10月号
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デザイン力で独自の世界を創造特集ここ数年の京都市内での新規ホテ        する見通しだそうだ。にもかかわらル開業ラッシュは留まるところを知らない。2016年から2年半で、高級ホテルからゲストハウスまで加えると、市内で約4000室は増加ず、市の予測では2020年には、まだ約6000室も不足する状況だという。京都の平均客室稼働率は3年連続90%以上。平均客室単価は約2万円に近づき、高級ホテル開業ラッシュの東京とほぼ互角あるいは上回っている状況である。この客室不足の現象は、新たなホテルを生み出す余裕をもたらし、特徴ある多彩なホテルの登場を促す。その一つといえるのが、「京都グランベルホテル」である。宿泊主体型のデザイナーズホテルで、㈱フレンドステージ(埼玉県上尾市)が所有・経営し、通信販売大手の㈱ベルーナ(同)の関係会社、㈱グランベ「FUNルホテル(東京都)が運営する。「グランベル」ブランドとしては、東京の赤坂、新宿、渋谷に次いで4軒目の出店となる。グランベルホテルのコンセプトは街らしさの新しいスタイルと新しいデザインを楽しむホテル」である。従ってそれぞれの立地で具体的なコンセプトとデザインテーマが異なる。京都グランベルホテルは、京阪本線の祇園四条駅から歩いて約2分、京都を代表する繁華街「祇園」という好立地。コンセプトは「祇園の継承×日本クリエィティブ」に設定。京都の中でも、もっとも京文化を感じる祇園にあって、グランベルホテルのコンセプトを表現すべく、日本の伝統文化を日本のクリエイターの感性で表現し、そこに国内外の新たな技術を組み合わせることによってまったく新しい「日本らしさ」を生 to STAY」、すなわち「そのみ出した。同ホテルはそれを「化学反応」と表現している。高さ制限のある京都市内では、どうしても土地の運用効率が悪い。そこで、同ホテルは地下にパブリック施設や客室をつくった。これが実によくできていて、同ホテルの特徴であり、売り物でもある。元駐車場だったところに新たに建設したホテルは、入口を半地下に配置し、中が見えないように自動ドアを設置。ドアを開くと、半地下のロビーとバー、レストランが一体となったまったく新しい「日本らしさ」を表現したコミュニケーション空間が広がる。まさに「京都グランベルホテルの世界に入った!」という心持ちにさせる空間づくりなのである。フロントは、背後に大正初期や昭和期に利用された箪笥を配置して、書類や備品類などの収納に活用。着物風のユニフォームを着たスタッフが常駐するフロントカウンターの下には、日本の瓦職人が海外のデザインの潮流を入れて制作した瓦をはめ込み、バックオフィスとの仕切りのカラー26頁新業態が相次いで誕生競争が激化する「宿泊主体型ホテル」市場58京都市・東山区楽楽ししむむホホテテルル〟が〟がココンンセセププトト〝〝そそのの街街ららししささのの新新ししいいススタタイイルルとと新新ししいいデデザザイインンをを京都グランベルホテル

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