月刊ホテル旅館2017年10月号
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価値開発㈱ホテル事業本部運営部次長 松島裕也氏ベストウェスタン東京西葛西グランデ宿泊部支配人 戸野政樹氏綿密な市場調査で予想通りの集客トリプル可)の5グレードで、1室のみユニバーサルデザインを取り入れた「ユニバーサルツイン」(19・1㎡)を用意している。ラックレートはスーペリアシングルが2万1000円〜(2名利用時・税別、以下同)、グランデツインプラスが3万8000円〜。インテリアはフロアにより、春夏秋冬のデザイン分けがされ、微妙なグラデーションで染められた、ヘッドボード上のテキスタイルやアートワーク、デュベカバーの色彩でそれぞれの季節を表現する。一方、BW東京西葛西は「スタンダードシングル」が11㎡、「スタンダードツイン」が18㎡。同ホテルの客室はクッションやチェアの赤をアクセントにしたモダンでクリーンなデザインである。2つのホテルの性格分けは明確だ。施設クオリティの維持について、BW東京西葛西グランデの宿泊部支配人戸野政樹氏はこう語る。「本部のベストウェスタン・インターナショナルは施設の保守・維持を重視し、定期的にバンコクから調査員が査察に訪れます。新築はまず半年後で、以降11ヵ月に1回。調査訪問の3日前に通知は来るものの、その日数でできることはあまりありませんから、実質抜き打ち検査です。当日の空室がランダムにチェックされ、所定のポイントを取らないとベストウェスタンを名乗れないので、不備があれば次回までに確実に改善します。レギュレーションは厳格ですが、当社ではブランディング・マネジャー2名が、専任で本部とコミュニケーションを取り、日本仕様を認めてもらうなどの努力をしています。BW東京西葛西グランデの査察の際も、和テイストを表現するための格子風の客室ディテールについて、説明するのに苦労しました。備品などもグローバルスタンダードを守っており、どの国からのお客さまにも安心してお泊りいただけます」地元へのアピールという点でも、    2館は対照的だ。BW東京西葛西グランデのレストランが宿泊客の朝食専用なのに対し、BW東京西葛西はランチとディナーも営業。特にランチブッフェ(平日1350円・休日1500円、いずれも税込み)は、昨年2月にテレビ番組で紹介されて以来、現在まで、60席のレストランが連日満席を続けている。メディアの助けがあったとはいえ、都市型ビジネスホテルのレストランの可能性を示す上で、稀に見る成功例だ。BW東京西葛西グランデも朝食では、BW東京西葛西と調理スタッフをシフトで共有しており、いずれランチ営業の新企画開始などの可能性もあるだろう。BW東京西葛西グランデの営業成績は、オープンから好スタートを切った。BW東京西葛西グランデとBW東京西葛西は同じオーナーのFCで、2館目となるBW東京西葛西グランデの事業計画では綿密なマーケット調査を実施。東京郊外立地で1館184室から2館289室への増室という容易ではない出店条件にもかかわらず、2館合計の平均客室稼働率は90%以上を維持している。BW東京西葛西グランデのインバウンド比率は、人数ベースでオープンの4月から7月で平均47%。6月58%、7月52%と、コンスタントに50%を超えるペースが整ってきた。7月までの平均DOR(1室あたり平均宿泊人数)は1・85人、LOS(平均宿泊日数)は1・7日である。FITの連泊者も日を追って増加し、51300m幅のシモンズ社製ベッドを導入した「グランデツイン」(20㎡)。ハリウッドツインにも対応が可能。ヘッドボードの装飾などで日本の四季と安らぎを表現した。55  月刊ホテル旅館2017年10月号

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