月刊食堂20年8月号
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緊急事態宣言の解除から1ヵ月が過ぎました。業種業態によって業績の回復に差が出てきている状況ですが、『鳥貴族』はいかがですか。回復ペースは思っていた以上に早いですね。2020年6月の既存店売上高は対前年同月比で73・2%。週間単位の売上げ推移を見ると、5月19日に営業を再開した関西、東海エリアの店については、6月半ばには80%を超えました。関東エリアの店は5月30日と営業再開が遅かったぶん、回復状況はごとに売上げが伸びていますから、こちらも7月中には80%台に乗ると思います。苦戦が続く居酒屋チェーンの中では順調な回復ペースといえます。居酒屋市場については悲観的な予測もありますが、大倉社長はどう見ていらっしゃいますか。私はむしろチャンスだと思っています。確かにコロナショックによって多くの居酒屋が店を閉め、居酒屋企業の中には非アルコール業態に事業の軸足を移す方針を打ち出しているところもあります。しかしこれは、裏を返せばマーケットのオーバーストア化が解消されると捉えることもできるわけです。それに長期間にわたる外出自粛はコミュニケーションの場としての居酒屋の「市場はこう変わる、勝ち筋はこれ」コロナ禍で居酒屋の立地が変わる。『大倉家』は次の成長フォーマット58外食マーケットの中でもコロナショックの衝撃度がとくに大きかったのが居酒屋業態だ。だが、そのトップチェーンのひとつである「鳥貴族」を率いる大倉忠司社長は、アフターコロナの居酒屋マーケットを悲観するどころか「むしろチャンス」と言い切る。在宅勤務の普及による居酒屋の有力立地の変化やオーバーストア化の解消など、業界リーダーの目から見た外食マーケット予測を事業展望とともに語っていただいた。2020年6月1日に大阪・城北公園通にオープンした新業態の「鳥貴族 大倉家」。独立支援によって500店体制をめざす業界リーダーのアフターコロナ予測と事業構想  70%という状況です。ただ、日を追う代表取締役社長 大倉忠司氏㈱鳥貴族

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