月刊食堂19年7月号
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店舗別キャッシュフローPL決算書は企業の健康診断書!営業利益を見ていると『こんなに稼いでる』と誤解しがち営業利益ではなく営業CFを見る習慣を身につける店舗別PLにもコストとして本部費を明記する減価償却費と借入返済その差を理解しているかある企業が1年間でどれだけの成果を上げたのか、それをまとめたものが決算書です。主に損益計算書(PL)、貸借対照表(BS)、キャッシュフロー計算書の財務三表で構成されますが、計数管理が苦手な経営者は『チェックするのはPLだけ』『BSは融資申請の時にしか使わない』となりがちです。しかし、決算書には経営改善に活かせる情報がぎっしり詰まっています。『財務は小難しい』と腰が引けてしまうかもしれませんが、心配は無用です。本連され、店舗別PLには計上されません。でも、それぞれの店が運営できるのは本部のバックアップがあればこそ。本部の役割をはっきり示すためにも、店舗別PLにコストとして本部費を反映したほうがいいのです。また、会計上の利益と手元資         して費用に計上したもの。設備金の差に大きく影響するのが、減価償却費と借入返済です。減価償却費は内外装設備や厨房機器などの固定資産を使用できる年数(耐用年数)に応じて分割ごとの耐用年数は税法に定めら載では必要なポイントだけをざっくり解説し、いい決算書、使える決算書づくりの秘訣をわかりやすくお伝えしていきます。本連載の第1回でまずおすすめしたいのは、店舗別PLの見直しです。多店化に乗り出し、店数が5店ほどまで増えた企業の経営者がよく口にするのが『利益が出ているはずなのに手元にお金が残らない』ということ。店舗別PLを『店舗別キャッシュフロー(CF)PL』に変えることでその原因を見える化できます。れ、おおむね5~15年に設定されています。一方、借入返済の期間はだいたい5~7年ほど。返済期間が短いぶん1回の支払い額は大きくなります。営業利益から本部費を差し引き、減価償却費を借入返済に置き換えて算出したのが営業CFです。店舗別PLを下地とした簡易版の営業CFではありますが、『その店が稼いでいるキャッシュ』を簡潔かつ正確に知ることができます。営業利益が黒字でも、営業CFはマイナス、という店はめず店舗別PLは『その店がどれだけ利益をあげているか』を営業利益から判断するのが通例です。だから店長は『うちの店はこんなに稼いでる』と思い込んでしまうのです。注意しなければならないことは『各店の営業利益がそのまま企業全体の利益になるわけではない』ということです。店数が3店を超えると、トップが現場を離れ、経営に専念するために本部を設置するケースが増えてきます。経営者の収入を含む本部費は全社PLで処理らしくありません。それを見過ごしていると、『全社PLの経常利益が低い』『思い通りに資金が貯まらない』といった事態が起こります。店舗別CFPLの導入は店長の意識改革にもつながります。経営者にとっては借入返済を済ませ、投資を回収することがなによりも大事。営業利益ではなく、営業CFを見る習慣を身につけることで、店長にも投資回収の意識が芽生えます。売上げやコストに対してより厳しい目を持つことを促せるわけです。今月のテーマ84撮影・長瀬ゆかり中繁明社長の財務ざっくり解説決算書るえ使

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