cafe-sweets vol.191
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    (焼き菓子)〟が主体であることを標榜する「ルシュクルシュクル」の看板商品は、まさに焼きたてのフィナンシェやカヌレといった焼き菓子。なかでも「ビスキュイ・ド・サヴォワ」は、フランス菓子らしさを感じてもらいながらも、日本人が食べやすい味わいを提供するという同店のコンセプトを凝縮させた1品だ。粉、卵、砂糖のみを使う伝統のレシピをアレンジして、ハチミツやバター、生クリームを加えて日本人好みのしっとりとした口溶けに仕上げる一方、クラシカルなサヴォワ型で焼き、フランス伝統菓子らしさも残している。その美しい王冠形を生かすため、包装は透明のビニールの袋に入れて、シンプルな店のロゴカード(菓子の説明付き)で口を留めるのみ。直径15 cmのサイズはちょっとした手みやげにも重宝されている。オーナーシェフの山田亨さんは「中元、歳暮の贈答品という需要は意識していません。それらは豪華な包みや百貨店のブランドが必要とされる枠。街場のパティスリーに求められるのは〝ワンランク上のおもたせ〟なんです」と話す。〝おもたせ〟を狙った商品は1500円の価格を中心に持ち運びやすいサイズ感を意識。袋入りよりもギフト感の高まる瓶入りの焼き菓子や瓶用のオリジナル包材をつくるなどして、贈答品とは異なる需要に徹底的に特化したブランディングで、ファンを増やしている。パテくィまスでリも〝ービでスあキりュなイがトらリ、ーあ仏伝統の配合を日本人好みにアレンジし、ほどけるような口溶けに「ル シュクル シュクル」のLE SUCRE SUCRE生菓子がお客を呼び込む集客装置なら、焼き菓子はパティスリー経営を支える屋台骨。このジャンルでヒット商品をつくれば、ギフト需要は拡大。経営の安定化につながります。他店と差別化でき、店の顔となる商品をつくるには? 人気店の看板商品に学びましょう。photo:Satoshi Yasukochi014しっとり感を重視して、砂糖は上白糖、粉は「特宝笠」(増田製粉所)を使用。型は「ラクソン」のアンティークの復刻版を用いている。(大1400円、小700円・税別)大阪・池田ビスキュイ・ド・サヴォワ アールグレイ焼き菓子のスペシャリテ

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