居酒屋2018
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都の繁華街・河原町の裏通りに立地する「sour」は、2016年9月にオープンしたチューハイ専門の立ち飲み店。15時の営業開始とともに女性客が訪れ、キャッシュオンデリバリー式のカウンターで次々に商品を購入。8・3坪の店内はあっという間に満員になる。この驚くべき現象は、圧倒的に高い商品力と雰囲気が生んだものだ。メニューは季節のフルーツを絞っ2  京 たグラスに樽チューハイを満たしたチューハイ25~30品で、中心価格帯は500~700円。キラーアイテムは「スーパーいちご」(1300円)だ。イチゴをほぼ1パック使用。華やかな見た目が、主客層である20代女性に刺さり、1日30杯以上が出る大ヒット商品となった。ほかにはフルーツやハーブを焼酎に漬け込み、チューハイで割る商品も売れ筋。「柿クローブ」、「山椒と木の芽」など、ハイセンスな組合せで若い世代の興味を煽っている。フードは、カウンター前に設置した自動販売機で販売する缶詰だけ。スペイン製のマシンに300円を投入してナッツやオリーブなど9品をセルフで購入する。とはいえ、ほぼ100%のお客が待合せやひと休みに立ち寄り、1杯で退店する。そのため客単価は800円と低いが、1日200~300人を集客する。「いっけんジューススタンドのようですが、違うのは、お客さまが『この空間に身を置くこと』に価値を見出してくれている点。SNSで発信することも強い利用動機になっています」と店主の鈴木弘二氏。内装やBGMにもこだわり、「イケてるスポット」(同氏)と認知されたことが最大の勝因といえそうだ。40臨場感を重視して、ジューサーはカウンター上に設置。大きなショーケースが装飾と陳列台を兼ねている。クラブかブティックのようにスタイリッシュなファサード。街のアイコンと化しており、明るい時間から満員となる。主客年齢層は20代前半~30代後半、男女比率は3対7。天井のネオンサインや卓上の植物は作家作品で、スタンディングながら内装には1000万円前後を投資した。BGMはその場の雰囲気をみて従業員がセレクトする。収益構造2016年9月OPEN 京都・河原町営業利益25%その他17%水道光熱費3%焼酎・サワーサワー基本データ店舗規模:8.3坪     最大35人収容客単価:800円アルコール売上比率:98%月商:450万円SNS映えする生フルーツチューハイ原価30%人件費18%家賃7%sour

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