居酒屋2018
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東京・五反田の「スパイスバルウェア」は、スパイスを使った多国籍料理と、ワインや世界のビールを楽しめる一軒だ。オーナーの田島将吾氏は、アパレル業界から一転、カレー店で3年間修業を積んだのちに独立した。「料理はオープン時にデリカテッセン『ル・トレトゥール024』のオーナー・大西(孝典)さんに監修してもらいました。それをベースにブラッシュアップを重ね、今のレシピが完成しました」と田島氏は話す。フードは前菜、肉、魚介、ライス&ヌードルなど、計26品を用意。スパイスはパウダー20種類、ホール10種類の計30種類を使い分けている。アヒージョやソーセージといった定番のバルメニューに、スパイスを加えてアレンジした料理が大半だ。売れ筋は、鶏ガラや野菜、フルーツがベースのスープを使った「チキンカリー」(1100円)。甘味やコクのあるスープに、スパイスの香りを移した油を加え、スパイシーな香りの余韻が楽しめる仕立てだ。また、スパイスを加えたカクテルも人気。「フレッシュハーブのジントニック」は、粗挽き黒コショウを少量加えることでシャープな飲み口に仕上げている。東京・曳舟の「スパイスバル猫六」は、タパスやカレーとクラフトビールの組合せを提案するスパイスバルだ。オーナーの芳谷昌宏氏は、ミュージシャンやカツオ節店での勤務を経て、2014年3月に同店を開業。「スパイスといえばインド料理ですが、4人以上でないと多種類の料理を食べられない店が多い。そこで1人で3〜4品食べられるタパス料理をメインとし、バルを謳うことで間口を広げました」と芳谷氏は話す。フードはタパス19品に、カレー4品の計23品。料理のジャンルは固定せず、中東のスパイスや和風だしを使うなど、独自の切り口で          「カボチャと厚揚げの和風カレー」(レギュラー1100円)にはカメニューを開発する。たとえば、ツオだしを使用。「モルディブフィッシュ」と呼ばれるカツオの加工品を使うスリランカカレーをベースにした、だしと和食材にスパイスを合わせたカレーも提案する。アルコールの柱は世界各国のクラフトビール。一般流通の少ない珍しい銘柄を中心に、ボトルで15〜20銘柄をラインアップし、集客のフックにする。主客層は30代の地元住民。女性1人でも入りやすいカフェのような雰囲気で、来店客の3割を女性の1人客が占める。151チキンカリー1100円、スパイシーキャラメルナッツ400円、スパイシー唐揚げ840円スパイス香るサングリア780円、フレッシュハーブのジントニック780円、グラスワイン550円〜、ボトルワイン3000円〜オイルサーディン バゲット付500円、砂肝のマサラ炒め600円、粗びきチキンのクリーミーキーマ、マトンとゴボウのカレー 2種盛り1400円クラフトビール750円〜、自家製フルーツビネガー ライムとミント ウォッカソーダ650円スパイスは計30違いを生む種類を使用。揚げポイントたての状態でスパイスをまぶしたから揚げなど(写真左)、香りをしっかり立たせる料理だけでなく、キャロット・ラペのように、クミンなどの複数のスパイスで調味し、塩に頼らず、複雑な味と香りを表現するタイプの料理も揃える。違いを生むポイントガラムマサラやクミンなどでつくる自家製マサラペースト(写真左)は、砂肝やエビなどの炒めものに使用する。油にスパイスの香りを移すインド料理の技法を活用し、厚揚げなどの和食材もスパイシーに仕上げる。スパイスは20種類のパウダーとホールを使用。また、スパイスバー 猫六タパス料理やカレーとクラフトビールの組合せスパイスバル ウェアバルメニューをスパイシーに。オリジナルドリンクも人気

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