cafe-sweets vol.189
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生まれ育った街で、培った技術を伝えていきたい̶「トランブルー」に入店することになったきっかけは? 地元のスーパーのベーカリーでのアルバイトがきっかけでパンづくりに興味をもち、卒業後も地元のベーカリーに就職しましたが、講習会で「トランブルー」の成瀬シェフがデモンストレーションされたデニッシュ「オランジェ」のすばらしさに衝撃を受けて。それまで自分が知っていたパンと何もかも違いました。あのパンがつくりたいと思ったのが転機でした。̶地元で開業しようと思った理由は何ですか? 自分の友達や知人に食べて喜んでもらいたいという思いがパン職人をめざしたそもそもの理由でしたので、地元での開業は自然な流れでした。また、地元にリテールベーカリーが少なく、需要が大きいと思ったことも後押しになりました。̶開業してから苦労したことはありますか? 最寄りの鶴瀬駅には東と西に出入口があり、当店は東口側にあるのですが、反対の西口側にはクチコミが思っていた以上に広がらず、開業当初は集客がうまくできませんでした。1日の乗降客数が約5万人もいるので、駅前に出店すればお客さまは来てくれると安易に思っていました。区画整理で新しくできた道沿いにあるため、地元の方でも場所がわかりにくいようで、店の存在を認知してもらうことにも苦労しました。1焼きたてのパンが整然と並ぶ陳列台。 2売り場の面積は8坪。外から見える中央の平台には、お客が気軽に入れるよう、そうざい系のパンを中心にディスプレー。 3冷蔵ケースにはサンドイッチ、ミルククリーム入りのパンが並ぶ。「モンサンクレール」で教わったプリンも販売。 4修業先の「トランブルー」でも看板商品だった、一番人気のクロワッサン(190円)。バターは生地になじまないように、かならず当日に折り込む。 5平日は1日130人、土曜は180〜190人を集客。6現在のスタッフは販売を含めて6人。パンの製造は朝4時から作業開始。人気のクロワッサンはかならず当日折り込む。 7厨房は21坪。スタッフの増員を視野に入れ、スペースに余裕をもたせた一方で、厨房機器類は一部中古も使用し、投資額を抑えた。D食パン生地で地元の人気カレー店「Jam3281」に特注したスパイシーなビーフカレーを包み、焼き上げた(250円)。 Eバゲット生地に似た、ひきのあるリーンな生地にバターを折り込み、自家製バニラシュガーで表面をキャラメリゼ(250円)。 F「トランブルー」直伝のスペシャリテ。手むきしてひと晩シロップに漬けたオレンジを、特製チーズクリームを敷いたクロワッサン生地にのせて焼成。パリッとこうばしい生地にオレンジのフレッシュな香りが調和(220円)。東商武店東街上の線一鶴角瀬に駅2か0ら1徒7歩2年7分。月、「ブーランジュリーコトン」が開店した。明るい雰囲気の店内には、ン、フォルムのそろったバゲットな埼玉・鶴瀬で生まれ育ち、高校3年の道へ。卒業後は地元のリテールベた講習会で岐阜・高山の有名店「ト技術に魅了される。当時同店はスタ2人で開業した。 現在のアイテムは80品。一番人気の「クロワッサン」や「オランジェ」、円筒形のリッチな食事パン「カナッペ」は、トランブルーの成瀬氏から人気だ。 開業1年でリピート客が増え、土曜は200人近いお客が来店。「今を継承していきたい」と綿貫さん。商圏を広げられるようにイベントにも参加していく予定だ。 345276FED「T」を冠した「Tバゲット」など美しい層のデニッシュやクロワッサどていねいな仕上がりのパンが並ぶ。 オーナーシェフの綿貫享さんは生の夏休みのアルバイトを機にパンーカリーに就職したが、偶然参加しランブルー」の成瀬正氏のパンのッフの空きがなく、東京・自由が丘「モンサンクレール」のブーランジュリー部門で修業。1年後にトランブルーから入店を許され、9年半働いた。いつかは地元で独立したいと願っていたため、16年に退職、妻と引き継いだ自信作。同店の頭文字ののハード系も評判。若者にはカレーパンやピザなどのそうざい系が後はスタッフを増やし、培った技術焼きカレーパンニューオープンベーカリー 2017-180631983年埼玉県生まれ。高校時代のアルバイトを機に地元のベーカリーに就職。「モンサンクレール」(東京・自由が丘)のパン部門、「トランブルー」(岐阜・高山)での修業を経て、2017年に独立開業。オーナーシェフ綿貫 享さんオランジェクイニーアマンInterior

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