cafe-sweets vol.187
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で10年以上シェフを務め、2008フランス語を学ぶ留学生が多い街としても知られるフランス西部の街、アンジェ。国鉄の駅から歩いて7分ほど、朝市が立つ広場の隣に、大西かおりさんのブーランジュリー「アトリエ・レタンデュエール」がある。厨房と売り場との仕切りがないオープンなスタイルで、大西さんは製造・販売をこなす。「自分の味が受け入れられるのか不安もありましたが、お客さまからの『おいしい』という声を聞くと、信じた味とスタイルを貫いていいんだと感じています」と話す。大西さんは、福岡市の人気パン店年にはめざしていた「クープ・デュ・モンド」日本代表最終選考会に出場。次の目標に掲げたのが、「フランス・パリでパン店を開く」こと。14年秋に渡仏し、シャルトル、パリのブーランジュリーで経験を積み、16年初めにアンジェへ。1年半以上かけて物件を探し、17年6月に現物件と出合う。もとはアジア食材店だったため、同年10月から改装工事を行い、機材を一からそろえた。アンジェを選んだ理由は、同市に店を構えるM.O.F.(フランス最優秀職人章)ブーランジェ、リシャール・リュアン氏との出会い。パンづくりや店づくり、スタッフ育成の理念に感銘を受けた。厨房機器メーカーや製粉会社も、リュアン氏が紹介してくれたという。世界大会への挑戦を経て、フランスでの開業を決意「フランスでパン店を開く」と決心して3年前に渡仏した大西かおりさん。2017年12月、フランス西部アンジェに念願のブーランジュリーをオープンしました。地元の粉でつくったフランスの伝統パンと日本の味わいに、地元のファンが増えています。095text:Chiaki Mitomi photo:Shiro Muramatsu   アトリエ・レタンデュエール渡仏して3年、大西かおりさんがフランス・アンジェにブーランジュリーを開きましたAtelier Létanduère

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