cafe-sweets vol.187
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郊外型ベーカリー、繁盛の法則2010年、吉井町に「モナパン」をス10坪の合計30坪。吉井町の風景に古くからの街並が残る「白壁通り」で知られる、福岡県うきは市の吉井町。その一角で営業する「ぱんのもっか」は、車で1時間ほどの距離がある福岡市など、遠方からもお客が詰めかける人気ベーカリーとして注目されている。オーナーの吉岡亮次さんは、高知県のベーカリーで修業したのち、独立開業。14年に同じ吉井町の現在地へ移転し、「ぱんのもっか」をオープンした。店舗は売り場7・5坪、厨房12・5坪、テラスとエントラン合わせ、白壁をメインとした和風デザインを採用した。同店のパンは約90品。ジャンル別では、ハード系・食事パン4割、菓子パン4割、調理パン2割という比率だ。バリエーション豊富な商品構成について、吉岡さんはこう話す。「当店は地域に根づいた店をめざしていますが、うきは市は人口が少ないので、一方では福岡など都市圏からも来店してもらえる店づくりをする必要があります。地元の方には昔ながらのパンが、都市圏の方にはハード系が好まれる傾向にあるので、どちらもそろえたい。ハード系中心のブーランジュリーと昔ながらのパン屋の中間を狙っています」地元の食材を積極的に活用しているのも特徴の1つ。フルーツ王国と6・7.ベーカリーの奥には開放的なテラス席を18席設けた。店内で購入したパンや「高山珈琲のもっかブレンド」(100円)などを飲食できる。テラスからは耳納連山の眺めが楽しめる。1200円で上昇傾向にある。300人前後。月商500万円を売は30代〜50代で、平日は主婦やビジ呼ばれるうきは市の農家で栽培された多彩なフルーツをパンづくりに活用しているほか、地元メーカーのハム・ソーセージ、平飼いで鶏を育てている地元ファームの卵など、地元食材を多用している。「菓子パンのほとんどは200円以客単価は平日1000円、土日1日の客数は平日150人、土日る繁盛ベーカリーである。中心客層ネスマン・OLなど地元客が6割、土日はファミリーをメインに市外からのお客が7割を占める。地元ファンとの交流にも積極的で、現在は年2回のペースで「ごぱん会」を開催している。地元の和食店やカフェとコラボレートし、さまざまな組合せでパンの食べ方を提案するというイベントだ。 「目の前でお客さまがパンを食べて、いろいろな意見を聞かせてもらえる。とてもいい経験です」と吉岡さんは言う。今年4月からはアルバイト2人が社員へ昇格し、製造体制も強化される。まだまだ成長していきそうな郊外型ベーカリーである。下。都市圏より土地が安いので、〝田舎ならではの価格〟で販売できるのも、こうした立地のメリットです」と吉岡さん。まとめ買いをするお客も多いため、フルーツやハムなど地元食材を積極活用飲食店とのコラボでパンの食べ方を提案SHOP055焼きたてパンの“ライブ感”が楽しめる店づくりエントランス正面に売り場があり、左手に厨房、裏手にテラスを配置。厨房と売り場はつながっていて、パンを焼くシーンをお客が間近に見られる設計だ。売り場は壁際の陳列棚とセンターテーブルで構成。壁際の棚は入口から見て右側に菓子パン、ハード系、デニッシュ系、奥側に調理パン、左側に食パンが陳列されている。営業中はスタッフが頻繁に焼きたてパンを売り場に追加し、吉岡さんが重視する“ライブ感”を盛り立てる。    35476  3.30代〜50代を中心に幅広い客層を集める。ゆっくりと買い物をしてもらうため、2年前から売り場に入る定員は15人までに制限している。 4.センターテーブルには彩りのあるブリオッシュ系をはじめ、調理パン、菓子パンなどが並んでいる。 5.平日は地元の主婦やビジネスマン・OL、土日はファミリーがメイン客層。客単価は平日1000円、土日1200円で推移している。CHECK 1TERRACE店づくり

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