菓子店パン店開業読本
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本格的なイタリア菓子の専門店として、   多くのファンを集める「ラトリエモトゾー」。オーナーシェフの藤田統三さんは、3月に惜しまれつつ閉店したイタリア菓子店「ソルレヴァンテ」(東京・表参道)で開業時よりシェフを務め、イタリア菓子の啓蒙に尽力してきた人物だ。製菓学校卒業後、フランス菓子の道へ進んだ藤田さんだが、その後、イタリア人パティシエのもとで働くうちに、イタリア菓子の魅力に開眼。イタリアでも経験を積み、ソルレヴァンテ閉店後は、間は大きな財産になりました」。を視察した。の年末。2014年イタリア菓子研究家として企業の商品開発や講習会などの講師を務めながら、ヨーロッパの歴史本を読みあさり、さらに知識を深めた。「開業してしまうと本を読む時間もとれなくなるので、フリーランスの2年開業準備をはじめたのは、まずは開業資金の工面からと考え、担当の税理士に相談しながら、物件探しもスタート。都内各所に足を運び、大小さまざまな物件を検討し、約「重視したのは間口の広さだけで、物件1case上/場所は、東急田園都市線池尻大橋駅から徒歩3分ほど。桜の名所としても知られる目黒川に臨む建物の1階で、10mある間口の広さが決め手となった。左/テラス席は3卓。開業1年後にテーブルと椅子を購入し、飲食スペースに。売り場はL字型で、シャンデリアを2ヵ所に設置。ショーケースの上には、ケーキを輝かせる華やかなデザインを、奥のカフェスペースには、くつろいで飲食を楽しめるように落ち着いた雰囲気のデザインを選んだ。東京都目黒区東山3-1-4 ☎03-6451-2389 営業時間/12時〜19時、日曜 〜18時 定休日/月曜12取材・文/笹木理恵 撮影/大山裕平東京や大阪の人気店、海外の有名店で研鑽を積んだパティシエが、満を持して独立開業。彼らがつくり上げた店は、いったいどんな店でしょう? 独立を決めてからのスケジュール、店づくりや商品開発、開業にかかるお金のことまで、話題の新店を徹底解剖します。40件14年    パティスリーの新店 “理想の店”のつくり方ラトリエ モトゾーシェフみずから空間を設計。イタリアの食文化を伝える店に

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