菓子店パン店開業読本
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小田急江ノ島線、東急田園都市線の中央林間駅から徒歩約5分。イタリア料理店だった建物を改装した物件は、とんがり屋根と風見鶏が目印。店の前には分の駐車場も備えている。などして、「開業時としてはいろいろそろえられたほうだと思います」と話す。初期投資がかかること、ジェラート職人としての自分への強いイメージを、一度リセットしたい思いから、しばらくは製造する予定のなかったジェラートも、周囲の強い要望を受けて販売を開始。「ケーキを買うついでに買い求める人も多く、週末には約200食売れる予想外の人気で、結果的にはやってよかったと思います」。お客の年齢層は幅広く、家族連れも多数。主力商品は、旬の果物を使った、彩り豊かな菓子の数々だ。江森さん自身が産地を巡って出合った質の高い果物が、日本各地の農家から直送される。「生産者とのつながりを大切にし、彼らがつくる果物のおいしさを引き立たせた菓子をつくりたい。お子さんにも支持してもらえるよう、やさしい味を心がけています。ロールケーキやプリンも、素材から製法までいっさい妥協しません」と江森さん。現在は、プチガトー約、ジェラート、焼き菓子アントルメ・グラッセなどを用意。1日の平均客数は平日約150人、土日約250人で、客単価は約2今後は卸やオンラインでの販売にも力を入れ、カフェも併設予定。月商目標は約1000万円だ。「郊外店だからこそ可能な店づくり」9を追求していくという。↓ 2016年 1月↓ 3月↓ 2017年 1月↓2月末↓3月↓4月↓6月中旬↓7月3日↓7月4日7月7日約15品、シリアル約6品のほか、000円だ。   14台因だ。また、周辺地域の世帯収入や人口構成、マンション建設計画について細かく調べ、資料として提出したことも評価された。 開業前には、「Makuake」でクラウドファンディングにも挑戦。目標50万円のところ120万円以上を集めた。「とはいえ、手数料や返礼品があるので、利益というより発信の意味が大きい。多くの人に店のことを知ってもらえてよかったと思います」。独立後、講習会や企業のコンサルティングなどを通じて、約2000万円の自己資金を確保。そのうえで、信用金庫を通じて日本政策金融公庫から2000万円、県の融資制度から2500万円借り入れた。「予想以上の額を無担保で借りられたのが大きかった」と、江森さん。コンクールの実績や雑誌の掲載記事、継続していたコンサルティング業などから信用を得られたことが、その要600万円物件取得費 3200万円内外装費 内装・包材デザイン費 200万円 厨房設備費 2000万円包材費 什器・備品費 運転資金 その他(広告費など) 300万円200万円300万円100万円2015年7月  ↓ 10月シェフを務めた「グラッシェル」の運営母体㈱ケイシイシイを退社。独立開業すべく、都心で物件を探しながらフリーランスとして活動。ミラノ万博にてワールドカップ「The World Trophy of Pastry Ice Cream Chocolate FIPGC」に日本代表チームのキャプテンとして出場し、優勝。 イタリアジェラートワールドカップ「コッパデルラモンド」に出場。 物件探しのエリアを都心から横浜周辺の郊外に変更。 現物件に出合う。 現物件を契約。店舗・包材のデザインを発注。 着工。 クラウドファンディングを2ヵ月間限定で開始。 厨房完成。 店舗完成。 関係者向けレセプションを開催。「メゾン ジブレー」をオープン。 資金調達はどのように?20品12品開業投資額6900万円オープンまでの道のりにぎやかな郊外大型店をはじめたかった!!

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