菓子店パン店開業読本
10/19

 「ベーカリーフクパン」は東京・光が丘の住宅街の一角に2016年ープン。オーナーシェフの木村明日香さんはパティシエとして東京、フランスで修業後、結婚・出産。「今後は自分の好きなパンの道へ進みたい」と子育てのかたわらベーカリーのパートスタッフとして働いていたときに、条件のよい居抜き物件に出合ったことから野に「パティスリーアスカ」をオープンした。開業後は製パン技術を独学で学びながら、生菓子、焼き菓子に加えパンも製造・販売。経営状態は安定していたが、定期借家物件の所有者変更にともない、い状況となった。そのため、いったんは閉店を決意したが、「お客さまがもったいないと惜しんでくださって。私自身もパンをつくらない生活は考えられなかったため、自宅の一部を改装して店を続けることにしました」と木村さんは移転オープンの経緯を話す。移転を機に「パンと考えた木村さんは、住宅地という土地柄も考慮し、「1人で切り盛りできる小規模パン店」の開業を決意。デザイン、レイアウトをみずから行い、設計・施工を㈱ケーピーコーポレーションに依頼して自宅リーに改装した。「中野の店ではパンをオープン棚に陳列していましたが、乾燥を防ぐため包装の手間がかかり、衛生面の問題もあったので、移転にあたってパン用のショーケースを特注。誰もが入りやすいように、売り場は明るく中性的な6月、東京・中までに立ち退かざるを得な1本でやっていこう」1階の約のスペースをベーカにオ1case仕込み日を2日確保し、1人で約60品のパンを製造幅145cmの木製陳列ケースと120cmの冷蔵ショーケースは好みの色柄を指定して特注。壁面には食パンと取り置き用のパンを置く棚を設けた。店頭に並ぶパンは約60品。曜日ごとの限定パンもそろえ品数を充実させている。  44今人気のパン店はどこも個性的。多くの店が、開業時から自店のコンセプトをしっかりと打ち出しています。ここでは、ここ1~2年の間に開業した店を紹介。各店の商品、空間、サービスの狙いは? どのような投資を し、準備を進めたのか? 新顔パン店の裏側に迫ります。都営大江戸線光が丘駅から徒歩約15分。公園に面して建つ自宅の1階部分を店舗に改装。「家賃がかからないため営業日を週4日にし、仕込み日を2日確保しました」と木村さん。ブルーとブラウンでコーディネートされた売り場は約3.5坪。「当初はシックな内装にしようと考えていたのですが、デザインの得意な友人に『それでは暗くて入りづらい店になる』と指摘されて。老若男女誰もが入りやすいように、ヨーロッパ的なカラーで明るい雰囲気に仕上げました」と木村さん。1日の平均客数は平日120人、土曜140人。客単価は平日900円、土曜1000円。現在の日商目標は10万円。東京都練馬区高松4-30-8 ☎03-5848-2503営業時間/8時〜18時 定休日/日・月・木曜取材・文/諸隈のぞみ 撮影/三佐和隆士11坪16年3月09年     ベーカリーの新店 店づくりのポイントは?ベーカリーフクパン自宅1階を改装し、売り場3.5坪のパン店を開業

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る