新・フードコーディネーター教本2020
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第10章 テーブルマナーとサービス242マナーは、業種を問わず、どの世界においても必要不可欠な人間としての基本行為である。フードコーディネーターである前に、ひとりの人間として、どれほどの心配りをまわりの人にできるか、まさに、そこからテーブルマナーもサービスマナーも発展していく。私たちはひとりでは生きていないし、生きることができない。常に、周囲の人と人との間に身を置いている私たちにとって、身勝手な行動がどれほどの障害になるかは、あえていうまでもない。行動に限らず、場をわきまえない服装や、礼を失した言葉使いなども、大いに障害になる。社会性をもって生きることが人間の基本である。とすれば、他人に迷惑をかけず、不快感を与えない生き方のための指針が必要になる。それがマナーである。マナーの基本は心のあり方にある。心のあり方をより充実させるには、いろいろなものを見る、聞く、ふれる経験を多くもつことが重要である。また、悪い意味ではなく、人をよく観察することも大切だ。“人のふり見てわがふり直せ”という言葉があるが、相手から受けた行為に自分が不快な思いをしたのであれば、逆にいえば同じことを相手にしてはいけないということになる。マナーといえば、絶対に守らなければならない、かならずこうせよ、といっ第1節 概説

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