新・フードコーディネーター教本2020
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第9章食空間とテーブルコーディネート218「テーブルコーディネート」とは、食卓の上にのせるすべての物品の色、素材、形態などの組合せを考えることである。具体的には「おいしいものをよりおいしく食べるための食空間演出」である。テーブルコーディネートの基本は、目先の美しさだけを追うのではなく、いかなる場合でも食卓に並べられるメニューを念頭に入れ、からならずそこに座る人を意識すること、あくまでも主役はその食卓で食事を楽しむ人々ということである。つまり、おいしい料理とともに、目で見て楽しく喜びが感じられるように食卓を整えておくことである。その場にいる人々に五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)で心から満足してもらう演出(食卓にのせるものだけにとどまらず、部屋のインテリア、音楽、窓の風景、光や風の流れ、照明、気温・湿度など)、身体に感じられるすべてのことを心にとめて空間全体の調和と構図を考える必要がある。テーブルコーディネートをするということは、毎日、毎回の食事を大切に、心豊かにおいしく食べるための営みをすることである。毎食の積み重ねが経験となり、思い出となり、感性が磨かれて教養となり、よりよい人間形成の土台となる。食べるという字は「人が良くなる」と書く。食べ方を知るということ第1節 テーブルコーディネートとは

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