新・フードコーディネーター教本2020
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第8章食空間と内装デザイン202レストランの空間は、外食の三大要素であるQSC(Q:クオリティ/商品の品質、S:サービス、C:クレンリネス/快適な空間)のCの部分にあたるが、外食はこの3つがバランスよく提供されることが重要である。1970年代~80年代に外食産業が発展してきた原動力のひとつが、それまでの飲食店とは一線を画した空間づくりにあったことは間違いない。昨今、商品、サービスを売り物にして空間にあえてお金をかけないという考え方もあるが、基本的には、この3つのバランスがとれていなければ、永続的な繁栄は難しいと考えるべきである。とくに高級店においてはこだわりをもち、家庭の食空間にはない演出を行い、おいしい食事とサービスがより引き立つような空間が提供されなくてはならない。チェーンレストランなどは作業動線、機能面など、店側の都合によって店づくりが行われることがよくあり、またデザイナーが客より自分のデザインを優先して店づくりをすることも見受けられる。しかし、レストランの空間は客のためにあるという考え方が基本になくてはならない。第1節 食空間の意義

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