新・フードコーディネーター教本2020
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第5章健康と栄養156世界保健機構(WHO)は「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」(日本WHO協会訳)と定義している。また日本国憲法第25条では、「すべての国民は、健康的で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とし、健康はすべての国民が有する権利であると示されている。厚生省(現厚生労働省)は健康寿命の延伸・生活の質(QOL/クオリティ・オブ・ライフ)の向上を実現するため、健康増進法にもとづき、健康づくりや疾病予防を積極的に推進する「健康日本21」を展開し、さらに改善、強化するために、平成25年(2013年)に「健康日本21(第二次)」を公表した。健康日本21(第二次)の基本方針は、次の5項目である。①健康寿命の延伸と健康格差の縮小 ②生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底 ③社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上 ④健康を支え、守るための社会環境の整備 ⑤栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善。健康の維持・増進は「栄養」「運動」「休養」のバランスの上に成り立っており、「栄養」はもっとも重要な要素である。栄養とは、生物が生命の維持・活第1節 概説

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