南インド料理店総料理長が教える だいたい15分!本格インドカレー
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2 仕上り総量が決まれば、塩の量が決まる3 塩の量が決まれば、スパイスの量も決まる 簡単に解説しましょう。まずメインとなる具材に何をどのくらいの量使うかを決めます。この本でいうと、■缶などの缶詰、鶏肉や■き肉などの肉類、さまざまな野菜などです。「ツナ缶+野菜」のような複数の組み合わせもあります。1人分の目安はだいたい100gと考えてください。 メインの具材が決まったら、そこから必要な玉ネギとトマトの量が決まります。具体的にいうと、メインの具材が200g(約2人分)であれば、玉ネギはその60%の120g、トマトはその30%の60gです。そして、オイルは玉ネギの量に対して25%の30gと決まります。 さらにレシピによってはヨーグルトやココナッツミルクなどの副材料を加えますが、加える量はカレーによってまちまち。本書で取り上げたカレーはだいたい主素材の30〜40%を用いています。 ここまでがいわば「カレーの主成分」です。なので、ここまででカレーの大体の仕上がり量が決まります。なお、煮詰める際に水分が蒸発しますが、これは材料として加えた量の水がそのまま蒸発すると考えます。また調味料は割合が少ないため、計算に入れなくて結構です。つまり、「主素材+玉ネギ+トマト+オイル+副材料=仕上がり総重量」が目安となります。 次に味つけですが、まず塩の分量は仕上り総重量に対して1%が基準となります。もちろん、好みでもっと増やしても減らしてもいいのですが、あくまでこれが基準値。缶詰類など、もともと塩分が含まれている素材をメインの具材とする場合は、味つけの塩はその分減らします。 総塩分量が決定したら、それをもとに、ニンニクやショウガ、パウダースパイスなどの量が決まります。これらのうち、玉ネギ、トマト、オイル、塩、ニンニク、ショウガ、パウダースパイスによって基本のマサラ(P.8)を構成しているわけです。 この本の主要なレシピを試された方は、実は知らず知らずのうちにこの設計図を何度も実践したことになります。 という事は! この先は自由に好きな素材を使って、よりお好みの味わいに、どんどん挑戦する事ができるわけです! とりあえず、この設計図通りにレシピを組めば、大きく失敗することはありません。どんどん新しいレシピを錬成して、それにチャレンジしてみてください。 そしてこの設計図とて、星の数ほどあるインドカレーのさまざまなパターンの一つに過ぎません。この本にも、■缶のミーンコランブ(P.22)やチェティナード風塩チキンカレー(P.40)、最終章の番外休日編のレシピなど、このパターン以外のレシピがいくつも含まれています。 それらも基本的にはこの設計図同様に、1 主素材と副材料の量を決めたら、仕上りという流れでレシピを組み立てていくことができます。これが分かっていると、この先いろいろな本やネットで探した新しいレシピを試す時も、ぐっとその再現度が完璧に近づくはずです。総量がだいたい決まる

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