中華そばNEO
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主な構成昆布と煮干しを大量に使った、うまみ調味料に頼らない味づくり。繊細かつ大胆な調理法で「〝雑ざい〟が〝うまい〟」を体現  39魚介豚骨スープ 400㎖煮干しの粉末 適量醤油だれ 12㎖香味油 15㎖ ほか自家製麺 160g追い煮干し 適量 動物系に昆布と煮干しの豊かなうまみを折り重ねた重厚なスープ。「これで無化調なんてウソでしょ?」と言われてニヤリとしたという「中華そば専門 とんちぼ」の店主・丸岡匡太郎さん。「調味料の中身までは正確にわからないので“完全無化調”とは謳いませんが、うまみ調味料に頼らずにつくるのが信条」と語る。豚ゲンコツ、豚頭、豚足と、鶏ガラ、鶏挽肉、寸胴鍋からはみ出さんばかりに投入する昆布、サイドメニューの「豚ばらナンコツごはん」を仕込んだ肉スープ、魚介だしパック、呼び戻しに用いる前日のスープや香味野菜など、とにかく多彩な食材を使用。約2時間という短時間で一気にうまみを引き出すのが丸岡流だ。 鶏ガラは銘柄指定しないブロイラーで、内臓の処理を最低限にとどめたもの。ムネ肉と脂身が混ざった鶏挽肉からは多様なうまみを抽出する。「渾然一体の一歩手前」で仕上げる手腕だ。「いろいろな味を混ぜても、丸みのある一体感は出したくない。それぞれのうまみをとがらせたいんです。キレのあるクリアなスープのい”スープにこそラーメンら魅力もありますが、“雑しさがあると思います」と丸岡さん。提供時には小鍋でスープを温めつつ、煮干し粉末、カタクチイワシ煮干しで「追い煮干し」。どっしりとしたスープに、魚介のコクと香りが力強くブーストされる。素材を仕込む序盤、スープを炊く中盤、そして仕上げの終盤まで手を抜かず、徹底的にうまみを重ねた一杯の完成だ。スープには大量の真昆布と煮干しを使用。さらに、オーダーが入ってから、自家製の煮干しの粉末と、あぶったカタクチイワシ煮干しで風味づけして仕上げる。2種類の醤油をブレンドし、たっぷりの昆布を加えた醤油だれ。なお、ラードをカタクチイワシ煮干しと合わせて低温で加熱し、香りをつけたものを香味油として使用する。店主丸岡匡太郎さんざつつ

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