中華そばNEO
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主な構成良質な鶏のうまみを凝縮したスープ、表情豊かな手打ち麺、燻香ただようチャーシュー……力強いパーツが手をつなぐ一杯  使う鶏は6種類ほど。生産者をたずねて話を聞いたうえで使用し、仕入れはすべて自分で行うのが小白井さんのマイルール。自家製麺は毎日手打ちする。9動物系スープ 400㎖醤油だれ 45㎖鶏油 20㎖自家製麺(手打ち) 215g 「親父のラーメンが世界一だと思っています。以前は親父の味を追いかけていたけれど、いったん自分の味づくりをめざすようになりました」。そう語るのは栃木・那須塩原にある「手打 焔」の店主・小白井誉幸さん。白河ラーメンの名店「火風鼎」を営む父の影響もあって自身もこの道に進んだが、いまや焔も押しも押されぬ北関東を代表する人気店に成長している。 焔のスープの製法は3通りあり、ここで紹介するのはそのうちの一つ。材料は鶏と豚が8対2。6種類ほど使う銘柄鶏のうち、とくに味の決め手となるのがブロイラー種鶏だ。この鶏との出合いで理想の味にぐっと近づいたという。製法で特徴的なのは、豚ゲンコツは茹でて、一部の鶏ガラは蒸してから炊くこと。白河市元町にある父の実家に眠っていた、父には内緒のメモ書きからヒントを得たそうで、それにより良質なエキスだけをはやく抽出できるという。「親父は何も教えてくれない人。すべて独学です。でもそれでよかった。自分で会得しないと、のびしろがなくなるし、対応力も身につかない」と小白井さん。スープは7時間を目安に炊くが、その間、つきっきりで寸胴鍋の番をし、細かく温度を調整。「ぽこんと沸いただけで味は変わりますし、“ここで味が出る”という温度があるんです」。鶏のうまみに満ちあふれた主張の強いスープだからこそ、ザラザラ、ボコボコの表情豊かな手打ち麺やスモーキーなチャーシューが見事に調和する。醤油だれは、生(なま)醤油主体の混合醤油とミリンなどを合わせて火を入れ、1週間ねかせたもの。なお、鶏油は、種類の異なる鶏脂を3種類ブレンドし、重たい味わいと軽やかな味わいの中間を狙う。店主小白井誉幸さん

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