居酒屋NEO
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DRINK売れる、■かる、オリジナルサワーSTORE同一ビル同一フロアに2号店をオープンFOODインパクト大の看板メニュー。手抜きなしのコスパ料理 SPACE, KITCHeN調理機器を詰め込んだ1坪強のコックピットドリンクサテライト店フード店舗づくり ドリンクメニューの売れ筋は「生おろしサワー(レモン)」(600円)。皮付きの生のレモン、レモン果汁、塩を撹拌してレモンジュースをつくり、注文ごとに焼酎と炭酸で割って提供する。皮や果肉の独特の口あたりと、ほどよいビターな味わいが特徴だ。レモンジュースはブレンダーで仕込んでおき、営業中はカウンター上にブレンダーごと置いて見た目でもアピール。味わいや見た目でオリジナリティを打ち出す一品だが、プレーンの酎ハイに生のレモンを添えて提供するタイプのレモンサワーよりも、原価が低いというメリットもあるそう。生おろしサワーはレモンのほか、イチゴやポンカンなど季節の果物を使ったバリエーション1点も用意している。 開業から半年ほど経過し、満席になることも増えて店が手狭になりはじめたころ、入居するビルにできた空き物件を借りて2号店「立呑み とだか」(5坪)を開業。ビルの飲食フロアを盛り上げたいという思いもあったそう。1号店との距離はわずか徒歩10秒で、当時は2号店専属の調理スタッフがいなかったこともあり、注文を受けた料理は1号店で調理して2号店に運んでいた。有名店出身の料理人を雇った今は、メニューは1号店とほぼ共通となり、炭火焼き以外の料理は2号店で調理する。基本は着席スタイル(9席)だが、入口付近に小さな立ち飲みスペースを設けたり、店名に「立呑み」と冠したりして、間口の広さをアピールしている。小料理屋の居抜き物件を改装した2号店「立呑み とだか」。入口付近に小さな立ち飲みスペースも用意。メニューは共通だが1号店よりもカジュアルな利用が多く、客単価は3500円前後。 看板メニューの「牛ご飯」(900円)は大判の黒毛和牛のサーロインともも肉を各80gずつ使用。注文を受けてからさっとたれをからめながらレアに焼き上げ、どんぶりに盛りつける。肉の品質やボリュームに加え、お客の目の前で焼いて盛りつけるシズル感たっぷりの演出も魅力だ。「牛トロのウニ巻き」(2300円)も黒毛和牛のサーロインと良質なウニをふんだんに使った一品。同店でもっとも高額のメニューだが、原価率50%を超えるお値打ち品で、ここでも炭火であぶる仕上げのひと手間が光る。一方で、昆布とカツオ節でだしをとったり、ゴマ豆腐や、たれやソース類をつくったりと、仕込みにも充分に手間をかけて料理の価値を高めている。 店舗はスナックの居抜き物件を改装。調理は戸髙さん1人のため、同時に複数の作業が行えるように厨房をカスタマイズした。目を引くのはレイアウト。カウンター奥には、なんと2口のガスコンロと炭火台が2段構えで設置されており、ガスコンロの上方にある炭火台には踏み台にのってアクセスする。その左手には揚げもの用のIHヒーターと炊飯器、右手のカウンター裏は作業台で、カウンターの上には煮込みの鍋をのせるカセットコンロが置かれている。1坪強の小体な空間に調理機能をぎゅっと詰め込んだ厨房は、さながらコックピットのようだ。作業性を優先してのレイアウトだが、店主の機敏な立ちまわりはライブ感の演出にもひと役買っている。フードは25品で、メインとなる料理は「牛トロのウニ巻き」(写真)や「牛ご飯」、「黒豚の炭火焼き」など肉系が中心。カウンター奥を焼き場に設計。前店(スナック)の名残りのある狭小空間を、万能なキッチンにつくり替えた。11

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