2017年09月05日

『「イデミ スギノ」進化する菓子』

06267_2.png『「イデミ スギノ」進化する菓子』

著者:杉野 英実
発行年月:2017年9月9日
判型:A4変上製 頁数:376頁

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06267_6.png 杉野さんのお菓子といえばムース。そして繊細な素材感の表現です。ゆえに当初は本のタイトルを前著『素材より素材らしく』から発展させたものするつもりで考えていました。
 しかし、撮影して食べ、取材して原稿を書きはじめると、神戸時代とは驚くほどお菓子が変わっているのに気づきました。前取材もしていましたが、やはり聞くと見るでは大違いでした。


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 一番顕著なのはバタークリームのケーキです。もうこれは食べてすぐにわかります。バタークリームとは思えないほど軽いし、ジュレを挟んでいてフルーティです。ジュレをバタークリームに重ねるのは簡単ではありません。滑りやすいからです。滑らないようにするためのちょっとした工夫は、日々の厨房での仕事の積み重ねで生み出されてきました。


 かつて生地の種類もアーモンドのビスキュイ、ピスタチオ風味、コーヒー風味、チョコレート風味と限られていました。だから基本頁を参照すればこと足りたのです。しかし、その基本の生地は増えていました。ハーブソースを加えたもの、ドライフルーツを散らしたもの、そしておそらく見たことがなかったピュレ入りも加わりました。さらにピュレ入りにドライフルーツを散らした生地もあったりします。
 飾りに使うパーツなども『素材より素材らしく』の時よりははるかに多く、基本の技術の頁数は実に予定していた頁数の2倍となりました。


 なぜそんなに基本の生地やパーツ、クリームが増えていったのでしょうか。
 それは、めざすおいしさにたどり着こうと新しい味づくりを試し続けて、使うパーツを加えてきたからでした。
 ピュレ入りの生地はクリスマスケーキのアントルメを考えている時に生まれます。コーヒー風味のチョコレートのタルトレットにのせたクレーム・シャンティイにコーヒーを加えてみたら「カプチーノのような味わいになった」と発見し、カプチーノが完成にいたります。初めは清涼感を加えたいとムースに入れていたジュレを、ソース感覚でマカロンにも入れてみたらフレッシュ感が増した発見。一方、グレープフルーツ風味のパウンドケーキには、特有の苦味と甘みを加えたいと飾り用のグレープフルーツのコンフィのみじん切りを乾燥焼きして使ってみて、グレープフルーツ感が際立つことを知ります。

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 こうしておいしい味を求め、日々厨房でつくっては食べて感じ、考えることで杉野さんのお菓子は少しずつ変化してきました。いや、進化してきたのです。モノマネではなく、おいしさだけを求めてきた結果でした。
 これはもう、素材がどうとかではなくて、杉野さんのおいしさを求める日々の仕事によってお菓子が進化してきたとしか言いようがありません。
 技術もパーツもプラスして、新しい生地もおいしい新しいケーキも生まれます。

 そして、本のタイトルはこれしかないという「進化する菓子」になりました。

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2017年08月03日

『パティスリー・ドゥ・シェフ・フジウの現代に甦るフランス古典菓子』

06268_1.png『パティスリー・ドゥ・シェフ・フジウの現代に甦るフランス古典菓子』

著者:藤生 義治
発行年月:2017年8月4日
判型:A4変上製 頁数:212頁

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「洋菓子業界の重鎮の一人、「パティスリー・ドゥ・シェフ・フジウ」の藤生義治シェフ。
開業25年目を前に、藤生シェフ初の単独著書が完成しました。

本書では、翻訳家でフランス菓子にも造詣が深かった山名将治先生の意思を引き継いで開催してきた勉強会「パティスリー会」などでも紹介してきた古典菓子を17品紹介。


藤生シェフのスペシャリテの一つとなった古典版ロールケーキの「ソーシソン・オ・パン・ブリュ」や米粉を使う「ガトー・ラカム」など、本場フランスでも見かけない珍しい菓子も掲載しています。

このほか、藤生シェフの思い出の菓子でもある「シャルロット・ポワール」や「シトロン」、個性あふれる「ふらんすせんべい」などのオリジナルの定番菓子17品、藤生シェフの菓子と言えば多くの人が連想するコンフィズリー(砂糖菓子)21品も紹介します。


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2017年07月03日

『焼き菓子の売れてるパティスリーのフール・セックとドゥミ・セック』

06266_1.png『焼き菓子の売れてるパティスリーのフール・セックとドゥミ・セック』

著者:柴田書店 編
発行年月:2017年7月3日
判型:B5 頁数:152頁

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「本づくりのはじまり、それはまず食べることである」
と誰に言われたわけでもありませんが、入社以来、ごく自然に当たり前のこととして教えられ、食べては本をつくるうちに10年が過ぎました。思えば採用試験の最終面談での最後の質問は「あなたはずいぶんと小柄だけれど、たくさん食べられますか?」だったなあ。という余談はさておき。


今回の本づくりも、まずは食べることから始まりました。社内に聞き込みをかけ、焼き菓子に定評のあるパティスリーを教えてもらい、食べに食べました。結果、わたくしの体脂肪率は5%ほど上昇。体、張っております。


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たくさん食べ、たくさんお店を見ているうちになんとなくわかってきます。今回の本はこのお店に取材させていただけたら、きっといいものになる!という勘所が。そんなわけで、食べに食べ、店に足を運びに運び、「ぜひ!」と思ったお店に取材をお願いしても、いろいろな事情でお断りをいただくことも多々あります。そういうときは、やや大袈裟ではありますが、思いを寄せる相手に受け入れてもらえなかったときのような切なさがあり、しばらく仕事が手につかないなどという事態が発生することも。


今回の書籍もそうした心の痛みを引き受ける覚悟をかためてのぞんだわけですが、なんと、取材をお願いしたほとんどすべてのお店にご快諾いただくことができました。どのお店も、焼き菓子を食べ飽きた舌をもハッとさせる独自の味づくりがあり、それをより多くの人に売るための工夫に心を注いでおられました。

取材店はこちらの10店!


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   リリエンベルグ  

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 ラ・ヴィエイユ・フランス

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メゾン・ド・プティフール

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   ラトリエモトゾー

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  ドゥブルベ・ボレロ

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     ロートンヌ

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   ブロンディール

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 パティスリー ルシェルシェ

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    リョウラ

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エクラデジュール パティスリー


あなたのお店のますますのご発展にお役立ていただける内容になっていると思います。
ぜひ、お近くの書店でお手にとってご覧くださいませ!

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2016年08月26日

『個性派シュガーのお菓子』

00624400.jpg『個性派シュガーのお菓子』

著者:柴田書店編
発行年月:2016年9月1日
判型:B5 頁数:100頁



砂糖には黒糖に代表される含蜜糖と、グラニュー糖に代表される分蜜糖があります。同じ砂糖でも味はまったく違います。

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本づくりにあたって、含蜜糖と分蜜糖の使い分けを解説するために、両者の砂糖としての機能の違いを探る試作をしてみました。しかしカラメル化、メイラード反応、保水性といった砂糖の機能においては、両者に思ったほど大きな違いは見られなかったのです。


この試作を通して、味わい、香り、色の点では両者の間には大きな違いが生じることがわかりました。苦みを感じるほどの個性的な味のモラセスシュガー、濃厚な香りが特徴の黒糖や黒蜜など多彩です。

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含蜜糖を加えた生地やクリームには、おいしそうなナチュラルな色がつきます。生地に混ぜ込むだけでなく、まわりにまぶしてストレートに含蜜糖の味わいをつけることもできます。

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砂糖を変えれば食べ手の印象の残るお菓子ができる。これは売れるお菓子づくりにとって、とても大事なことではないでしょうか。

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2016年07月13日

『ベイクショップ!』

00624000.jpg『ベイクショップ!』

著者:柴田書店編
発行年月:2016年7月23日
判型:B5変 頁数:128頁



素朴でありながらしゃれていてかわいらしい、それがベイクショップの魅力。 ブックデザイナーの飯塚文子さんがカバーでもそれを表現してくださいました。


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用紙はあたたかみを感じるクラフト紙。
焼き菓子を入れる紙の袋をイメージしています。


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帯にはカラーでお店とお菓子の写真を印刷しました。
表紙側の店内写真は東京・初台のサンデーベイクショップさんのもの。
お菓子は同じくサンデーベイクショップさんの定番ケーキ、「ビクトリアスポンジ」です。


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裏表紙側には右からポンポンケークス ブールヴァードさん(鎌倉)の「アメリカンシリアルクッキー」、エイミーズ・ベイクショップさん(東京・西荻窪)の「ベリーのカップケーキ」、ユニコーンベーカリーさん(東京・国立)の「ピーカンナッツとサワークリームのバントケーキ」。


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カバーや帯の折り返し部分のことを「袖」と呼ぶのですが、表紙側の袖にのっているのはメゾン ロミ・ユニさん(東京・学芸大学)の「スコーン・メゾン」とネットショップと卸のカフェバンダさんの「マフィン バナナカカオマス」の写真です。


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そして、裏表紙側の袖にはチリムーロさん(東京・渋谷)の店内ディスプレイの写真とユニコーンベーカリさんの「ローズカップケーキ」。


帯に写真を使ったこれらのお菓子のレシピはすべて収録しています。
ご家庭や小規模店でもつくりやすい分量のものがほとんど。
人気店の味わいをどうぞご研究ください!



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投稿者 webmaster : 13:00

2015年02月20日

パティスリーのための 『バター不足対応レシピ』

06205.jpgパティスリーのための 『バター不足対応レシピ』
著者:菊地賢一
発行年月:2015年2月23日
判型:B5 頁数:96頁


kikuhichef.jpg本書をつくるきっかけになったのは、著者の菊地賢一シェフが太白胡麻油のメーカーからケーキのレシピ提案を依頼されたことでした。

折しも2014年のクリスマスシーズンに向けてバター不足が深刻化していた状況下。
太白胡麻油にはじまり、ナッツ系のオイルやココナッツオイル、米油といった植物性オイルのそれぞれの特徴を生かしたケーキが生まれました。

06205_1.jpgジェノワーズとシフォンの中間のような「スポンジ生地」は、既存の配合ではなかったみずみずしさとしっかりした骨組みを併せ持つ生地に。バターと植物性オイルを両方使う「サブレ生地」はサクサクとしたとても軽い口当たりに??といった具合に、どのレシピにも植物性オイルをバターの代替として使うメリットが表われています。

著者の店「レザネフォール」でも本書で紹介したスポンジ生地でつくるロールケーキ(バターの配合なし、太白胡麻油100%でつくります!)がヒット商品となり、ショーケースに並ぶフランス菓子にひけをとることなく輝いています。

ケーキは複数のパーツを組み合わせ、構築して完成するもの。
だからこそ一部のパーツで配合する油脂をバターから植物性オイルに代替しても、“フランス菓子”としての味のトーンを守ることが可能なのです。


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2014年12月24日

『粉がお菓子をおいしくする』

06202.jpg『粉がお菓子をおいしくする』
柴田書店編
発行年月:2014年12月26日
判型:B5 頁数:120頁


06202_1.jpg巻頭の八木淳司マイスターと永井紀之シェフの対談には、若いパティシエにとって参考になる、小麦使いのヒントがたくさん詰まっています!

お二人はそれぞれオーストリア、フランスでの修業を経て日本でお菓子づくりをしていますが、帰国後、日本でつくるお菓子は現地とは違ったものになることに気づいたそうです。

その大きな理由は素材の違いが原因ですが、中でも「小麦粉」の影響は大きいといいます。


本書は「パティシエ視点」で、小麦粉を解説した稀少な一冊です。
小麦粉を軸にして製菓のメカニズムをあらためて見直し、
小麦粉の役割を明らかにしています。

 ・タンパク質=生地の骨格となる(グルテンを形成する)
 ・デンプン=骨格の間を埋める組織となる
 ・灰分(かいぶん)=お菓子の風味を左右する

・・・といった製菓における基本要素を理解すると、小麦粉を使い分けしたり、
複数をブレンドして使うワザを駆使できるようになります。


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43品のレシピ集では、小麦粉を変えると

「生地の食感がよくなった!」
「風味がよくなる!」
「作業性が向上する!」

といった実例を数多く紹介しています。


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2014年05月22日

『なんでもデザート』

06188.jpg『なんでもデザート』

著者:音羽和紀
発行年月:2014年5月23日
判型:B5 頁数:216頁

06188_4.jpgフランス料理の料理人である音羽シェフに、
デザートの本をお願いするのは、ご負担が大きいかも。と、少しだけ思いましたが、終わってみれば233もの個性的なデザートが集まり、アイデアの種本として広くお使いいただけるレシピ集になりました。

既刊のオードヴルの本もそうですが、音羽シェフの本がロングセラーになるのは、想定した読者を思い浮かべ、それに合わせて内容を考えていただいているから。
そして、バリエーションの多さでしょう。

たとえばシュークリームなら、中に詰めるクリームを変えたり、
生地を少しアレンジすることで、16種類、クレープなら10種類、
ババなら8種類といった具合。
使えるレシピ本の基本です。

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(左)かぼちゃクリーム入りシュー、ほうれん草とじゃがいものクリームシュー、
   カレー風味のマスカルポーネクリーム入りシュー、
   黒こしょう風味のマスカルポーネクリーム入りシュー、
   にんじんクリーム入りシュー、
   フレッシュハーブとシェーブルチーズクリーム入りシュー

(右)レモンクリーム入りシュー、チョコレートシュー、プラリネクリーム入りシュー、
   黒ごまクリーム入りシュー、白ごまクリーム入りシュー、抹茶クリーム入りシュー



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(左)レモンとオレンジのクレープ

(右)ナッツとキャラメルのクレープ、マンゴーのクレープ



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(左)オレンジとマスカルポーネのババ

(右)トロピカルフルーツのババ、バナナとココナッツのババ、チョコレートムースババ



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2013年12月10日

『フードを包む』

06180.jpg『フードを包む』
著者:福田里香
発行年月:2013年12月11日
判型:B5変 頁数:152頁


出る、出ると言いながらなかなか出なかった本書。
お待たせしていたみな様、申し訳ありませんでした。

06180_2.jpg著者自らの手によるラッピング手順のイラストが
無事描き上がったことにより、
どうにかクリスマス前の出版にこぎつけることができました。

06180_1.jpg本書も、旅先や街中の店先で
じっと観察して覚えた包み方あり、
あるとき突然降ってきたアイディアありと、
前作同様著者らしい個性あふれる1冊になりました。

そして、本書初登場の新しいラッピングのアイディアの中で一番のおすすめは、名づけて「ペーパーバックファスナー」。

著者も私たちもワクワクした、簡単で、とってもお洒落なラッピングです。
詳しくは本書をご覧ください。


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*** 著者本  好評発売中!! *********************

05811.jpg『フードラッピング』
 + 50のおいしいレシピ
発行年月:1997年11月26日
判型:B5変 頁数:136頁

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2013年07月03日

『モンサンクレール軽やかさの秘密』

06172.jpg『モンサンクレール軽やかさの秘密』
著者:辻口博啓
発行年月:2013年6月29日
判型:B5 頁数:168頁


「そうなんです、わたし、あまり甘いものをふだんは食べないんです」

営業のS谷が言う。
先日、自由が丘モンサンクレールにこっそり食べに行ってきたらしい。

「でも、3つ食べても全然! 苦しくなくて。
 あれ、もう1個ぐらい食べようかなと思ってしまって!」

やや興奮した口調で、目を見開いて、続ける。

「あぁ、これが “辻口マジック” なのかと」


 自由が丘モンサンクレールの菓子は、後味が軽い。
甘いのだが、食べるとどこへいってしまったのかと思うぐらいに、すっと消えていく。軽やかさは、辻口シェフがこだわっている点だ。もうひとつ食べたい、もう一度食べたいと思わせるために、1ミリ単位、0.1グラム単位で菓子を設計している。だから、リピート客が多く、店内のサロンは2個、3個を一人で食べるお客さまでいっぱいだ。


sagyo.jpg 辻口さんはテレビや雑誌に引っ張りだこの人気パティシエだ。
独特な金髪、軽妙なトーク、多数の著書も出しながら、実は、プロ向けの技術書をつくるのは、本書「軽やかさの秘密」が初めてのことだ。
15年も続く繁盛店モンサンクレールは彼の基幹店であり原点だけに、そのレシピを公開することには、なかなか勇気が要ったという。


cest%20la%20vie.jpg「セラヴィ…も出すのですか」

めずらしくためらう辻口シェフに担当編集者は、ただ頷く。

ホワイトチョコレートのアントルメ、セラヴィは辻口シェフの代表作品。しばらく無言ののち、辻口シェフは意を決して立ちあがった。

「わかりました。次回撮ってください」


satsuei.jpg撮影はいつも少人数だ。辻口シェフ、助手の横田さん、大山カメラマン、編集担当の4名。菓子づくりの工程は辻口さん本人の手でなければならないため、小さな作業からすべてシェフ自身が行なう。超多忙なスケジュールをぬって、1年以上の密着撮影が行なわれた。

その途中、テレビ取材が入って、本書の取材の様子が取材されるということがあった(「ソロモン流」)。後日、番組ディレクター氏が、別の時に辻口シェフに質問するシーンが放送された。

ディレクター氏「なぜプロ向けに秘密のレシピを公開してしまうのですか?企業秘密なのでは?」

辻口シェフ 「いままでのレシピは過去の自分。 それを超えないと未来の自分になれない」

というような(ディテールは違うかもしれない)やりとりがあり、編集担当は思わず「あっ」と言った。秘蔵レシピを本に公開するということに、いつの間にかシェフはご自身の答えを見つけていた。自分がつくり出した菓子を世に出し、残すことで、いつかそれが世界の定番になる可能性が生まれる。オペラもシブーストも、そうして現代に残った。いつの世にかセラヴィが、世界に羽ばたく日も、そんなに遠くないのかもしれない。

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投稿者 webmaster : 16:45

2013年04月16日

『シンプルでも素材らしく』

06166.jpg[イデミスギノ] 杉野英実のスイーツ
『シンプルでも素材らしく』

著者:杉野英実
発行年月:2013年4月19日
判型:B5変 頁数:88頁

簡単につくれても杉野流にこだわる!

撮影をスタートする何カ月か前のこと、試作品が何品かできたというので杉野シェフのお店「イデミ スギノ」に行きました。

fure.jpgまずは、イチゴとオレンジに白ワインなどを加えてつくった色鮮やかなカクテル「フレゼット」をいただきました。

そのカクテルのおいしかったこと!
修業先のスイスのレストランでアペリティフ(食前酒)として出していたものだそうです。

味はいいけれど商品としてはそのまま使えない形の悪いフルーツなどを利用したもので、フレッシュフルーツをふんだんに使った「デザート」のような味わいで、レストランでもめったにお目にかかれない味でした。


marine.jpg次に出てきたのは
パイナップルとライムのマリネです。

砂糖とライムとキルシュでマリネしただけなのに、パイナップルがライムの香りをまとって、まるで優雅な香水をつけた貴婦人のような上品な味に変化していました。


こうした素材の組合せこそが 「杉野マジック」 なのです。


かつて『素材より素材らしく』の撮影時に試食したイチジクのタルトレットを思い出します。茫洋とした味わいのイチジクが砂糖とキルシュでマリネすることでその味の輪郭がくっきりと浮き上がってきたのです。

この本では、そんな驚きのある味わいの「パーツ」をとり出し、シンプルだけれど杉野さんらしいスイーツに仕立ててほしいと願っていました。その感動を読者にも伝えたいと考えていたからです。

それからもうひとつ。
序文にも書かれていることですが、杉野さんは素材を替えてもおいしく仕上がるレシピであるようにと意識してつくっています。

それは自分がお菓子をつくる時に素材を替えてつくる中で新しい味の発見をしてきたからで、読者にもそんな体験をしてもらいたいと考えているからです。


siroop.jpgたとえば冷凍カシスのシロップ煮が、カシスじゃなくてブルーベリーだったらどうなるか。その味の変化を感じてほしいというのです。
複雑にカチッと組まれたレシピでは、この追体験はむずかしい。シンプルだからこそ素材の組合せから生まれる驚きある味もわかるし、簡単だからこそ何回もつくることができます。

実は担当である私も編集にあたって何品か試作しました。
料理はつくっても、お菓子はほとんどつくりません。でも何品もつくることができました。

シンプルだけれどポイントはあります。

chuiru.jpg冷凍ベリーのシロップ煮はベリーによってはレモン汁を加えたほうがいいなと思ったり、また、チュイルは1ミリの厚さの違いで食感が変わったり。
つくって食べて感じ、ポイントをさぐりながら自分でおいしい味を求めるのは楽しい作業です。
楽しいのは、「想像力が広がる」レシピだからです。
何度もつくりたくなるのです。次は少し工夫して、と。


sugino.jpgそれもこれも、日頃お菓子をつくらない読者にもできる簡単なレシピだからこそできること。そして、杉野さんの力のあるレシピだからこそ楽しくなるのだと思います。

「簡単なだけ」ではつまらない。

杉野マジックで簡単でおいしいデザートをつくるだけでなく、おいしさを追求するお菓子づくりの楽しさも味わっていただければと思います。


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*** 杉野英実さんの本 好評発売中!! ************

05812.jpg『杉野英実の菓子 素材より素材らしく』
発行年月:1998年11月5日
判型:B5 頁数:216頁

05938.jpg『杉野英実のデザートブック』
発行年月:2003年12月15日
判型:B5 頁数:108頁

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投稿者 webmaster : 13:21

2013年03月12日

『男子スイーツ塾!』 発売記念イベントレポート!

『男子スイーツ塾!』 発売記念イベントレポート!

eventboard.jpg去る3月2日(土)、東京・自由が丘の「クオカショップ」の新しくオープンしたばかりのレッスンスタジオで、
『男子スイーツ塾!』発売記念イベントを開催しました。

『男子スイーツ塾!』でお菓子作りを指南している
津田陽子さん(ミディ アプレミディ)に直接ならうという今回のイベント。
本で紹介しているスイーツのうち、
11時から「昔プリン」のレッスンを、
15時からは「矢羽根のフロール(ロールケーキ)」のレッスンを行ないました。

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purine_demo.jpgレッスンは各回とも、津田陽子さんのデモンストレーションからスタート。

津田さんを囲むように男子がずらり……壮観です。

泡立て器の持ち方から「卵には3つの特性があって…」という少し専門的な話まで、時々うなずいたりメモしながら熱心に耳を傾けるみなさん。

ひととおり作り方をならったあとは実習です。
「昔プリン」の回は、グラニュー糖を鍋で焦がしてキャラメルを作るところから。
「フロール」の回は、卵黄を泡立てるところから、自分たちで実際に作っていきます。

告知段階では一応〈プリンは初級者向け、フロールは中級者向け〉としていましたが、
実際にはどちらの回もさまざまなレベルの方が参加していて、
「じつはお菓子作るの初めてで…」という人もたくさん(笑)。

フロールはちょっと手がかかるので、内心少し心配でしたが、
隣の人の様子を横目で確認&相談したり、津田さんに教わりながらカシャカシャ…
みなさん、なんとかついてきていました。

「ほら、こうやって握ったほうが疲れないでしょう?」
「ここで混ぜるようにすると、きれいに泡立ちますよ」
など津田さんのアドバイスにも、「はい!」と素直な男子のみなさん。
手はせわしなくとも、終始なごやかな雰囲気でした。

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イベントの楽しみは、試食タイム。
今回のイベントでは自身で作ったものはすべてお持ち帰りいただくことにし、
試食は、こちらで用意したものを食べていただきました。

プリンはアルミのカップで蒸し焼きにしたものを用意し、
プッチンプリンのように、裏返してお皿に取り出すところも体験してもらいました。

また、津田さんの代名詞的なお菓子であるフロールは、
レッスンの前に津田さんがみずから生地を焼き、巻いたもの。
「おぉぉー」と歓声が上がるほどおいしかったようです。

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終了後、感想をお聞きすると、みなさん
「楽しかった」「さっそく家でも作りたい」という声がたくさん。
「次はシュークリームを」「ガトーショコラを」などリクエストもありました。

また、なんといっても印象的だったのは
「男子限定だとレッスンに参加しやすい!!!」という声。
それにはみなさん、大きくうなずいていました。
女性の中にぽつんと男性……はやっぱり居心地悪いんでしょうね(笑)。
なかには「彼女に(なかば強制的に)参加させられた」という方も(!)。
きっと今年のホワイトデーは期待されていることでしょう。
明日あたり、卵をカシャカシャ混ぜているかもしれませんね。

*** 津田陽子さんの本 好評発売中!! ************

80806.jpg『男子スイーツ塾!』
発行年月:2013年1月24日
判型:A4変 頁数:104頁

06134.jpg『津田陽子の100のおやつ』
発行年月:2012年2月27日
判型:B5変 頁数:144頁

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投稿者 webmaster : 17:34

2012年12月26日

『イタリア菓子』

06158.jpg『イタリア菓子』
著者:藤田統三
発行年月:2012年12月28日
判型:B5変 頁数:176頁

イタリア菓子って大ざっぱで大味、ボソッとしておいしそうじゃない、
そんなふうに思っている人、けっこういるんじゃないでしょうか。
不肖、編集担当は、今回の撮影を通じて、以下のような結論にいたりました。


イタリア菓子は、手を抜いていい加減に作れば全然おいしくない。
でも、確かな素材を使ってきちんと基本を押さえて作ればこんなにおいしいものはない。


イタリア菓子に限らず、どんなものでもそうだとは思いますが、シンプルなだけに逃げ道がなく、手をかけたことも、手を抜いたことも、結果として際立ってくるのだと思います。
そして、イタリア菓子ってけっこう繊細だということもわかりました。シェフと本のタイトルについてご相談していた時、『意外と芸細(ゲイコマ) イタリア菓子』というのが浮上しました。内容的にはピッタリですよね、と、危うく決まりかけたほどで…(笑)。


「シンプル、飽きない、生地がうまい!」

イタリア菓子を端的にあらわしているキーワードだと思います。
本書に登場したお菓子の中から、まさにそんな一品をいくつかご紹介しましょう。
担当者が感動した、ほんのほんの一例です。


06158_1.jpg『メリンゲ・コン・フルッタ』
絶品でした。
卵白だけで、なんでこんなにおいしいの?というくらい。
卵白にグラニュー糖を加えて泡立て、低温で焼くだけのお菓子なのですが、合わせたホイップクリームとフルーツが絶妙のマッチングで、甘ーいけれど、クセになる一品でした。
苦いコーヒーと合いますね。

06158_2.jpg『トルタ・デッラ・ノンナ』
直訳はおばあちゃんのタルト。
タルト生地にカスタードクリームを詰め、松の実、塩、あられ糖、粉糖をふって焼くだけの素朴なタルトです。切り分けたらガブリとかぶりついて、あっという間にペロリ。生地とクリームの一体感、松の実の香ばしさ、砂糖と塩のコンビネーション……。
何なんでしょう、もう、文句なくおいしいのです。
毎日食べても飽きないと思います。


粉、砂糖、卵、バターだけで作る『トルタ・パラディーゾ』(左)や『トルタ・サッビオーサ』(右)は、まさに粉を味わうお菓子です。粉のおいしさが舌の上でフワーッと広がるお菓子なんて、他にはなかなかないでしょう。

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ただし、これら、一見単純そのものに見えるお菓子でも、粉のふるい方、バターの温度、砂糖を加えるタイミング、生地の混ぜ具合、型の準備、オーブンの設定(ダンパーの開閉や上火・下火の強弱)などなど、注意すべき点がいくつもあります。そこがイタリア菓子の奥深さです。


06158_4.jpgさて、ここで著者、藤田シェフのお人柄について少々。
シェフは一つのことをトコトン追究するタイプです。そして常に工夫を加え、練習を繰り返して、前へ前へと進むタイプです。いつもバイタリティにあふれています。ですから、いろいろな肩書きをお持ちです。
たとえば、イタリア菓子歴史研究家、ティラミス研究家、ジェノワーズの達人などなど。ジェラート開発については専門家です。あと、余談ですが、典型的なおしゃべり大好き関西人(スミマセン!)。お話がおもしろくて、熱くて、気がつけば1、2時間があっという間に過ぎていることもしばしば。


本書では、実際にお店で販売されているものの他、店では出されていない伝統的なお菓子も多く作っていただきました。そんな中シェフは、昔の文献をひもとき、解釈して、時に自分なりの工夫を加え、また時にはそのままの形で、いずれにしてもきちんと咀嚼をした上でレシピをご提案くださいました。
最後に、いつもシェフからいただいていた明るい言葉で、この本の紹介を締めくくりたいと思います。

「これ、メッチャおいしいんですよー。いっぺん食べてみてください!!」(目を輝かせながら)

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投稿者 webmaster : 09:54

2012年12月25日

『ラ・パティスリー・デ・レーヴ レシピブック』

06161.jpg『ラ・パティスリー・デ・レーヴ レシピブック』
著者:フィリップ・コンティシーニ 技術監修、柴田書店編
発行年月:2012年12月28日
判型:B5横 頁数:120頁

お菓子が好きならば、ご存知の方も多いかもしれません。フランス菓子の巨匠、フィリップ・コンティシーニさんのレシピブックがついに日本で出版されました。いまパリで話題の「ラ・パティスリー・デ・レーヴ」の珠玉のレシピ約40品が、店舗で実際につくられる配合で公開されます。

コンティシーニさんは料理店のデセール担当からお菓子の道に入り、類まれな才能と、大きな身体とユーモアがトレードマーク。一躍スターダムの仲間入りを果たしました。大胆かつ繊細な味づくりが高く評価され、クープ・ド・モンド(菓子職人のワールドカップ)ではフランスの監督としてチームを優勝に導いた経験もあります。また、いまでは当たり前になった、グラスに重層的に重ねるデセール風の持ち帰り菓子は、彼のアイデアが基になったと言われています。味を自由自在に駆使する天才性から”味覚の魔術師”と呼ばれているパティシエです。

そんな巨匠がいま重視しているのが、古典菓子を現代に甦らせること。それも生地のつくりかたやクリームを構成する素材の見直しまで、徹底して一から検証し、いま彼が「もっともおいしいと思う製法」に落とし込んでいるのです。古典菓子には、長く愛されてきたおいしさ、モードを超える完成度の高さがあります。誰もが好きと思う味をつくり直すとは、なんと勇気の要ることでしょう。しかも、それを食べ手が素直においしいと思うレベルで実現する。つまり古典回帰とは、最高レベルの技術集団だからこそ、できるワザなのです。

06161_1.jpgたとえばパリブレスト。シュー生地をリングに絞り出し、プラリネ入りのクレーム・オ・ブール(バターとイタリアンメレンゲのクリーム)をはさむのが定番のスタイルです。それを「ラ・パティスリー・デ・レーヴ」では丸いシューを連結したようなかたちに絞り出し、クリームはクレーム・パティシェール(カスタードクリーム)にプラリネを加えて、食感を軽く、味をリッチにしました。そして、クリームの中央には冷凍したプラリネをしのばせているのです(食べる時は溶け出してきます)。これによって、プラリネの味が鮮烈に印象付けられるというわけです。シュー生地の味も強くしました。配合を見直すだけでなく、製法手順から考え直しています。


第1章「古典---現代」では、パリブレスト、タルトタタン、サントノレ、フレジエなど、古典菓子をもとにした菓子を、古典レシピそのものの解説も踏まえながら、ご紹介しています。「ラ・パティスリー・デ・レーヴ」の何が新しく、どんな哲学のもとに菓子がつくられているのか。レシピをひも解きながら、読み進めることができるでしょう。

06161_2.jpg


第2章「素材---菓子」では、素材から菓子が生まれ、菓子から素材を考える、をテーマにしています。菓子をつくる際にどんな素材を選ぶかは大きな問題であり、楽しみでもあります。コンティシーニ流の素材論は、フランスと日本の素材の違いにも言及しています。

06161_3.jpg


第3章「子ども---大人」では、子どもが大人になり、大人が子どもに伝える、をテーマに、コンティシーニ氏と「ラ・パティスリー・デ・レーヴ」オーナーのティエリー・テシエ氏が、子どもたちに伝えたい味覚の世界について、現在のパリで考えるフランス菓子とは何か、また2012年秋に出店した京都について語っています。

横長の小さな可愛らしい本です。カラフルな「ラ・パティスリー・デ・レーヴ」の世界観にぴったりの写真撮影を担当したのは、気鋭の女性写真家として注目の千倉志野さん。透明感のある美しい写真から、いまにも甘いお菓子の香りが漂ってきそうです。


06161_4.jpg2012年9月、「ラ・パティスリー・デ・レーヴ」は京都に日本1号店、10月には大阪うめだに2号店をオープンしました。日本オリジナルの本書の出版は、大の日本贔屓というテシエ氏とコンティシーニ氏から日本の皆さんへの贈り物です。

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投稿者 webmaster : 11:42

2012年11月12日

『美しい飴細工』 基本と応用 担当者編集者より♪

06157.jpg『美しい飴細工』
著者:サントス・アントワーヌ
発行年月:2012年11月15日
判型:B5変 頁数:160頁

美しい飴細工の写真が撮れた理由(わけ)

撮影は2010年の4月から開始しました。
お菓子とは勝手が違い、ベテランの高橋栄一カメラマンも私も最初は戸惑うことばかりでした。
仕上がった作品はもちろんですが、サントスシェフはプロセス写真のつやや透明感まで要求しました。

これがむずかしい。

06157_4.jpgライトは通常固定し、一定方向からの光で撮影します。なぜならばいちいち動かすと、光量や光のまわり具合が違ってくるので、光量計でそのつど計らないと写真が撮れないからです。しかし、そんな時間はありません。つくる手は止められないことの方が多いからです。しかも料理やお菓子のように予測が立ちません。ちょっとした角度でつやが見えたり見えなかったり。

06157_5.jpgそれに、あらかじめ作業と動く範囲を聞いて撮影をはじめても、あらら、サントスシェフは光がおよぶ外へ。「ええ、ちょっと待ってよ」とあわてる高橋栄一カメラマン。でも、飴細工は途中で止めたら情態が一気に悪くなったりするので、シェフも手を止めたくはありません。
でも、なんとかつやや透明感を出さなければ…。
カメラマンも格闘しました。

「こっちに立ってください」
「飴をライトに向けて!」
「そっちじゃない、こっちです」 などと声が飛びます。


そんな具合でお菓子よりもはるかに制約が多い撮影でした。撮り直しをすることもしばしばでした。
2、3回撮影するうちにお互いに徐々に少しずつ慣れてはいきましたけれど。

そんなこんなの撮影でしたが、それでも...

きれいなんです、仕上がりが。
ビューティフル、セ・トレ・ボン!です。
目を見張るほどの美しさ。

その美しさの理由が撮影を重ねていくごとにわかってきました。

それはサントスシェフが
日本人よりも日本人らしい繊細さを持っている
ことによります。

撮影日のお昼はお店のパニーニだったりしたこともありましたが、おもしろいのは冬場に鍋焼きうどんをシェフが好んで食べたことです。
いえいえ、温かくなってもざるうどんを注文したり。
和食も好きだとのこと。
フレンチレストランの料理でも繊細な味は好きでも、こってりした濃い味の料理はあまり得意じゃないとか。舌もとても繊細にできているわけですが、これがサントスシェフの感性そのものに表われているのです。

撮影の時に教えてくれるポイントも「分厚いのはダメ。ぼてっとしたらきれいじゃないね」とか、「向きをアットランダムにした方が動きが出るんだよ」など、美しさを追求する点はしっかり主張。
これってどちらかというと日本人的じゃない? としばしば思ったものです。

そしてもうひとつの理由として、
もっときれいにというあくなき探究心と工夫
がサントスシェフにはあるということによります。

3つあるリボンの組立ての撮影時に、シェフは3つそれぞれに違いをつけて仕上げました。
普通に並べて積み上げて接着する方法、縦向きにつける仕方、また向きをいろいろ変えて動きをつけ手法など。
違いをつけて仕上げることで、美しさの表現の差がわかります。


06157_.jpg

≪リボンA≫ 一色で、引いたものと引かないものを合わせる。
≪リボンB≫ 両サイドにラインをつくり、縦に組み立てる。
≪リボンC≫ 3色でつくり、ランダムな斜め向きにして組み立てる。


いつももっときれいに、もっと楽しくと工夫しながら仕上げるサントスシェフの仕事は表現の宝庫です。まるで少年のように飴細工に魅了されて楽しんでいます。

じっくり見比べると、ただ美しいだけじゃない、
サントスシェフのこだわりが見えてくると思います。


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投稿者 webmaster : 10:55

2012年09月24日

シンプルな焼き菓子でも、驚くほど違った食感、味わい!

06154.jpg『保存版 タルトとキッシュ』
著者:柴田書店編
発行年月:2012年9月20日
判型:B5変 頁数:152頁

タルトの味の組み立て方、考え方は、ひとつひとつのタルトによって、
またつくり手によって、じつにさまざま。

シンプルな焼き菓子でも、驚くほど違った食感、
味わいが生み出されています。

では、何品かご紹介します。

06154_1.jpg◆「アマンディーヌ」
 (井上佳哉/ピュイサンス)
パート・シュクレにクレーム・ダマンドを詰め、赤いベリーで酸味をきかせる。定番だからこそ、つくり手によってさまざまな姿を見せるタルトです。
このアマンディーヌは、深さのあるポンポネット型を使って中に入れたクリームをたっぷり味わえる形。
グリオットチェリーのコンフィとグロゼイユのジュレの甘ずっぱさで、アーモンドのうまみを際立たせています。


06154_2.jpg◆「クラフティアルザシアン」
  (宇治田潤/パティスリージュンウジタ)
プリンのようなやさしい味わいのアパレイユに。
そのアパレイユをたっぷり吸い込んで、しんなりとしたパート・ブリゼの食感が独特の魅力。
キャラメルのように甘苦く焦げた底面もおいしいクラフティです。ポイントは、生地をしっかり空焼きすること。
香ばしく焼けた生地だからこそ、アパレイユと一体化したときに新たなおいしさが生まれるのです。


06154_3.jpg◆「タルトポムキャラメル」
 (ジェローム・ケネル/カカオエットパリ)
パート・シュクレを円盤型にぬいて焼き、
上にキャラメリゼしたリンゴとクレムーを重ねる。
まわりはサクサクのシュトロイゼル。
「これでもタルト?!」と思わせるユニークな構成のタルトです。
その一方で、味は「タルトタタン」と同じリンゴ+キャラメルの組み合わせは、伝統に忠実に。
伝統と現代性のバランスが光る1品です。


06154_4.jpg◆「キッシュオラーエセップ」
 (森本慎/アルカション)
全粒粉入りの分厚い生地は、ざくざくと心地よい歯ごたえ。
これを高さのあるセルクルに型に敷き込み、たっぷりとアパレイユを流し込んだこのキッシュは、食感のコントラストが一番の魅力です。具材はうまみ豊かなセップ茸とベーコン。
そして、表面にはグリュイエールチーズをたっぷりと。
いかにも香ばしそうなきつね色の焼き上がりに、思わず手がのびます。

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投稿者 webmaster : 17:08

2012年08月29日

ドイツ菓子は生地を味わう菓子 『ドイツ菓子大全』 編集担当者より♪

06149.jpg『ドイツ菓子大全』
著者:柴田書店編
発行年月:2012年9月1日
判型:B5 頁数:272頁


「ミュルベタイクから撮りますか? それともバニレクレメにします?」

慣れないドイツ語の単語に戸惑いながら、撮影がスタートしたドイツ菓子大全。
日本にもなじみ深いジャンルでありながら、あまりにも知られていないドイツ菓子の、
本格的な製菓教科書をつくりたい。
その想いで集まった制作チームです。


06149_1.jpg菓子づくりを担当してくださったのは、
この道何十年、先日には厚生労働省から
「現代の名工(卓越した技能者)」として表彰された
ユーハイムの安藤明さん。
ドイツの製菓マイスターの資格をお持ちです。


ユーモアも飛ばしながら、一見簡単そうにつくっていかれますが、
そこはやはり匠の技。
熟練のスピードで、おいしいドイツ菓子が仕上がっていきます。

安藤マイスターの得意技はバウムクーヘン。
ユーハイムといえばバウムクーヘンというほどの看板商品ですが、
それらはいまでも職人さんたちの手で味が守られているそうです。

06149_5.jpg◎バウムクーヘン
 マイスター安藤オリジナル

基本配合より水分を多く、
しっとりしたバームクーヘン。
素朴で奥の深い味わいは日本人好み。


ドイツのマイスターたちも注目する安藤マイスターのバウムクーヘンの製法が、
本書ではすべて公開されています。
非常に贅沢ですね。

さて、意外にもドイツ菓子の甘さは控えめ。
クリームも軽やかで、とても食べやすいのが特徴です。

「ブッタークレメ」とドイツ語でいうバタークリームもよく登場しますが、
これはバターをクリーム状にしただけのものではありません。

バニレクレメという薄いカスタードクリームをバターと混ぜ合わせた、
なめらかで口当たりのよいクリームなのです。
日本で昔使われていた質の悪いバタークリームのイメージとはまったく違う、
上品で洗練されたものです。

ヨーロッパ菓子の多くが宮廷文化と結びついて発展しました。
ドイツ菓子でもそのことがうかがえます。
同心円に美しく飾る大型のトルテや、バウムクーヘンが
群雄割拠したゲルマン諸国の宮廷を彩ったことでしょう。
こうした菓子はウイーン菓子やフランス菓子と同じ、
ヨーロッパ菓子のひとつの源流です。

一方で、素朴な生地の菓子もたくさん残されています。
スパイスと蜂蜜と粉を練ってつくるレープクーヘンという生地は、
中世、教会で使う蝋燭のために蜜ロウを製造していた業者が、
副産物である蜂蜜を使ってつくりだしたのが始まりと言われています。
森の国ドイツではいまでもレープクーヘンが名産品として製造されています。

ドイツ北方はオランダやベルギー、デンマークなど
北ヨーロッパとの交易の中心地です。
オランダからホットココアがもたらされました。

人気店 「ホレンディッシェ・カカオシュトゥーベ」
もともとカカオ試飲店として開業した経緯があり、
いまでも温かいココアが人気商品です。

本書では バウムクーヘンザントクーヘン のレシピを紹介しています。

06149_2.jpg


現地では若い職人の中にはフランス菓子の修業を積む人も多く、
保養地バーデン=バーデンの人気店 「カフェ・ケーニッヒ」 のオーナーも
フランス修業ののち、菓子店を経営しています。

しかし、いまでは大型でありながら
軽やかなドイツ生トルテの良さに立ち戻っているといいます。
この店の近くには有名な「黒い森」シュヴァルツヴァルドがあり、
本書でも名物 シュヴァルツヴェルダーキルシュトルテ を披露します。

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小さな田舎に原風景が残されているのもドイツの魅力です。
第二次大戦以降に変化した都市部と違って、
田舎町ならではの伝統があります。
ミヒェルシュタットはフランクフルトの郊外にありますが、
この町から菓子の世界チャンピオンが出て活躍しています。
さまざまな国で活躍する 「カフェ・ジーフェルト」 オーナーが、
本書では古典的な レープクーヘン の技法を教えてくれます。

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はじめてのドイツ菓子。
けれども、決して初対面とは思えない、懐かしくおいしいお菓子たち。
きっと本書を読む皆さまの、お菓子の世界を広げてくれる
素晴らしい出会いになるでしょう。

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投稿者 webmaster : 10:41

2012年08月21日

ひと口サイズで、とてもかわいい!!
『Sucette シュセット 棒つきお菓子の楽しい世界』
編集担当者より♪

06148.jpg『Sucette シュセット 棒つきお菓子の楽しい世界』
著者:ブルーノ・ル デルフ
発行年月:2012年8月29日
判型:B5変 頁数:160頁


お菓子には「楽しさ」も必要です!!

撮影している時から「かわいい!」と何度思ったことか。

撮影時に携帯で撮ったお菓子の写真を見せると、
みな一様に 「きゃあ、かわいい」 といってくれました。

営業との会議の際に本の刷りだしを見せると、
こわもての営業部長も 「おっ!」 と目の色が変わりました。


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「胸キュンな
  感じでしょ!」


というと、「胸キュンって、それもう死語じゃないの」と件の部長がぐさり。

かつて大原麗子が出演した「すこし愛して、長 ー く愛して」という
キャッチが有名なCMがありました。
とても胸キュンだったのです。
その時と同じ感覚で胸キュンといったのですが、
「胸キュン」は却下されました。

ただ、お菓子の特徴として
「ウキウキ楽しくなる」 ということがあります。

料理もおいしくて思わずにっこりというのがないことはないですが、
なんといっても顔がほころぶ、気持ちが明るくなるというのは
お菓子の特権のような気がします。


06148_4.jpg◎ピテット・ボノム

子どもも好きなマシュマロとゼリーを
愛らしいリトルマン型で!

06148_5.jpg◎パンダ

製氷皿にも使える樹脂製型で、
家庭でも楽しいチョコレートを♪

06148_6.jpg◎コーン・フレッシュール
(円すい形のフレッシュミントアイスクリーム)

生の葉でミントの香りを、
チョコレートで粒々の触感を。


甘いものは、口に入れたとたんに 「心をほぐす特効薬」 です。
お菓子というのは、そういう特徴もあるのです。

その楽しさを、味わいだけじゃなくて、
見た目にも表現し切ったのが
この新しい棒つきお菓子の本なのです。

最近、お菓子屋さんの店頭は楽しいでしょうか。
その特徴をわかって品揃えしていたり、
ディスプレイを考えたりしているでしょうか。

心をほぐす、ほっこりする、
そして「胸キュン」に心を奪われるお菓子の楽しさを、
この本で再認識していただければ、と思います。


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投稿者 webmaster : 10:06

2012年05月30日

『アイスクリーム 基本とバリエーション』

06140.jpg『アイスクリーム 基本とバリエーション』
柴田書店編
発行年月:2012年6月2日
判型:B5変 頁数:204頁


 この本に収録したアイスクリームとデザートは、すべていただきました!
撮影取材は12月から2月の寒い時期。
寒さのせいか一度おなかを壊しましたが、おいしくておいしくて……。
「試食なんだから半分でやめておこう」と頭ではわかっているのに、
ついついスプーンを持つ手が止まらない。
多少の体重の増加なんて、このおいしさの前にはものの数ではありません。
もちろん仕事なんですけど……
連日のアイスクリーム三昧、とても幸せな2ヵ月ちょっとでした。

 さて、そんな中で私が気になったフレーバーをいくつか紹介します。


06140_31.jpg えっ! これアイス? って思ったのが
「オリーブオイルのアイスクリーム」 (p31 [ラ バリック])。

オリーブオイルを分離ぎりぎりまで増やしてつくったそうです。
冷たさよりもつるりとした食感を先に感じる
不思議なアイスです。


06140_42.jpg 「柿のソルベ」 (p42)も忘れられない味。

カキのやさしい甘さと香りを
そのまま生かしたソルベ。
とろりと完熟したカキを使うことが
ポイント!


 野菜のフレーバーをたくさん紹介してくれたプリマヴェーラ。
どれも味と個性的な香りが絶妙なバランス。


06140_50.jpgなかでもとくに心に残るのは 「玉ねぎのソルベ」 (p50)。

玉ネギを加熱して生まれた
香ばしさがなんともいえません。
加熱した玉ねぎの甘みが、
チーズやクレープなどに合います。


06140_34.jpg 「葉にんにくのアイスクリーム」 (p34)もタメイキです。

ニンニクの葉の香りを
アングレーズに抽出してつくった、
クリーミーなアイスクリーム。


 フロリレージュは、
ほんとうにおいしい「チョコレートのアイスクリーム」(p9)。
こんなチョコレートアイスなら、バレンタインデーに私は男になりたーい!。
でも「チーズのアイスクリーム」(p30)を使った
「フルムダンベールのアイスクリーム」(p165)は毎日食べたーい。
なんて欲張りな……。

06140_09.jpg   06140_165.jpg


06140_52.jpg 「大葉のソルベ」 (p52 [オルタシア])も印象的な味。

大葉って、夏にぴったりだと思います。
強すぎるほどの大葉の香りだけれど、
つめたいソルベなら、やわらかい印象的な香り。

06140_21.jpgいうまでもなく、
口のなかから鼻にすっと抜ける
「アイスパウダー」 [オルタシア]も
衝撃的でした。


06140_66.jpgH社の「メープルウォールナッツ」も大好きだけど、
「メープルとキャラメリゼしたくるみのパルフェ」
 (p66 [プレジール]) はしびれるおいしさです。

香ばしくキャラメリゼしたクルミを
メープル味のパルフェに混ぜ込んだ
人気のフレーバー。


06140_173.jpg そして、やっぱりアイスといえばパフェ。
パフェははずせません。
パティスリープレジールのイートインメニューは季節ごとにかわります。
果実やハーブをそのままかためてつくった
フレッシュなグラニテを組み合わせたり、
表面をバーナーでこがしたり……。
とにかく変化に富んでいます。

 あれも食べたい、これも食べたい、と過ぎた日々をなつかしく思う今日この頃。
みなさんもぜひぜひ、お気に入りのアイスクリームを
お店のメニューに加えてみてください!

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投稿者 webmaster : 16:19

2012年05月29日

『フルーツパーラー・テクニック』

06141.jpg『フルーツパーラー・テクニック』
著者:タカノフルーツパーラー
発行年月:2012年5月31日
判型:B5 頁数:176頁

新宿高野は1885年創業。
タカノフルーツパーラーの誕生は1926年です。
そんな老舗フルーツパーラーですから、扱うフルーツも上質です。

はじめて見る(味わう)ものもあり、大変楽しませていただきました。
フルーツは、さまざまな品種が次から次へと出てくるものらしく、
一昔前の人気フルーツは、すでに流行らなくなっていたりします。

たとえばブドウは、皮の厚い巨峰などより、
シャインマスカット、ロザリオ・ビアンコ、ピッテロビアンコといった
皮ごと食べられる品種が近年人気です。
パキッとした食感が、新しいおいしさです。

06141_2.jpg◎シャインマスカット

大粒の黄緑色で、酸味は少ないく、
糖度が高い。
種ナシで皮も薄く、香りも豊かなのが特徴。

06141_3.jpg◎ロザリオ・ビアンコ

粒が大きく黄緑色で、皮が薄く、
甘みが強くて上品な食味が特徴。

06141_4.jpg◎ピッテロビアンコ

細長い果粒の形がユニーク。
緑色で、酸味が少なく爽やかな甘み。
果肉がしまっていて、
コリコリとした食感が楽しめる。

イチゴの品種も多く、味わいの違いが楽しめます。
本にも登場している白イチゴ(初恋の香り)は大変高価なものですが、
珍しさもあって、とても人気があるそうです。

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投稿者 webmaster : 17:23

2012年03月08日

『津田陽子の100のおやつ』

06134.jpg『津田陽子の100のおやつ』
著者:津田陽子
発行年月:2012年2月27日
判型:B5変 頁数:144頁

「おやつ」にもう一度立ち返りたい

06134_6.jpg京都と東京でお菓子教室と焼き菓子を販売するお店を主宰するかたわら、これまで『くるくるロールケーキ』『さくさくクッキー』(文化出版局)、『タルト』(リトル・モア)など本もたくさん出している津田陽子さん。弊社でも『カフェ・スイーツ』にたびたび登場していただいています。

そんな津田さんとこのたび「本を作りましょう」となり、
初めての打合せで津田さんの口から出てきたのは少し意外な言葉でした。

「いま、私が作りたいのは“おやつ”の本。
 できるだけシンプルでやさしい雰囲気の、家で毎日作りたくなるような。
 本を開いた時に“明日これ作ってみよう!”とワクワクするような……」

津田さんのこれまでの本とは少し違う方向性に、正直ちょっと驚きつつも
(実は、こちらは別の企画書を用意していました)

「フランスにはパティスリーもブーランジュリーのお菓子もあるけど、
 お母さんが家でお菓子を作る習慣もしっかり根付いているでしょう?
 そういう“おうちのお菓子”をもう一度見直す時期だと思う。
 私自身、お母さんが作る“おやつ”で育ってきた人間。
 おやつが持っている“やさしさ”みたいなものをみんな求めていると思うし、
 そこに立ち返るような本が作れたら……」

そして
「あと、ルセットが100品載ってるお菓子の本を作りたい!」

という津田さんの言葉に思わず引き込まれてコンセプトが決定。
【どういうラインアップにしたら、写真にしたら、デザインにしたら、レシピの
 書き方にしたら、ずっとそばに置いておきたくなるような本になるだろう?】
何度も津田さんとアイデアを出し合いながら本作りを進めました。
(内容については『津田陽子の100のおやつ』のページをご覧ください!)

この本は津田さんと担当者(私です)で私物を持ち寄って撮影しました。
その際、ロールケーキやケイクについフォークを添えようとする私を見ては
「私なら手で食べるけどなぁ。おやつやし」と津田さんのダメ出し。
手で持って食べるから生地の温度やきめ細かさ、ふんわり感が伝わる――。
そういうわけで、すくって食べる一部のお菓子以外はフォークもスプーンも
添えていません。撮影したパンケーキもタルトも全部手でいただきました!

06134_1.jpgこの本が発売になって気づいたこと。
それは、手にとってくださった人が全員、
まず「おいしい水のゼリー」(p126)の不思議さに目を奪われるらしいのです。
たしかに、私も最初に「水のゼリーっていうのがあんねんけど」と言われた時は驚きました。
でもこれが、なんともいい味わいなのです。
イメージは某お菓子会社の「ドロ〇ッチ」とか!
実際に「ミディ・アプレミディ」のサロンでは、もう少しゆるく固めたものをコーヒーと一緒に出しているそうです。

本のまえがきやあとがきに津田さんが書いているように、
いまやおやつは子供のものではなく、大人にこそ必要なのでは?という時代。
私自身、食べてほっとひと息つくおやつの時間は欠かせません。
また、最近はスイーツ男子なる言葉があったり、
実際にお菓子を作る男性も増えているといいます。
そこで、ラインアップはそんなお菓子好きな人たちが心躍るものは?と考え、
「メレンゲ山椒」や「カレーとチーズのサブレ」「グジェール」など
おつまみにもなるおやつも盛り込みました。

100個のおやつの中には、少し手のこんだものもありますが、
お菓子に興味がある人であれば作りやすいものがほとんど。
ぜひおやつを食べるのはもちろん、「作る楽しさ」も味わってみてください。


06134_4.jpg◎メレンゲ山椒

甘いメレンゲに山椒が香る、
大人のおやつ

06134_2.jpg◎カレーとチーズのサブレ

ほんのりはちみつの甘みが
カレーとチーズの風味を
引き立てます!

06134_3.jpg◎グジェール

もっちり、しっとり。
おつまみにもなる塩味のシュー


06134_5.jpg

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投稿者 webmaster : 15:44

2011年11月02日

『簡素なお菓子』 Part6

06112.jpg『簡素なお菓子』
著者:河田勝彦
発行年月:2011年5月14日
判型:B5変 頁数:96頁


何がおいしさなのか?

最近はきれいなデコレーションのケーキが
たくさん店頭に並ぶようになりました。
でも、心を揺さぶられるようなおいしさのお菓子は
影をひそめたように感じます。

よくわかりませんが、
「見た目」や「バリエーション」「流行り」に目を奪われて、
生地そのもののおいしさを追求するということが
少なくなったのじゃないのかな、とふと思う今日この頃です。

生地やクリームがおいしくなくて、
おいしいものがつくれるのかなぁ?

そんな疑問がふつふつと湧き起こり、
デコレーションがある複雑な構造のお菓子ではなくて、
ごまかしのきかないシンプルなお菓子で、
生地そのもの、クリームそのもの、
あるいはその食感や香りに心打たれるようなお菓子

つくれないかと河田さんに相談してできたのが、
この本なのです。

つくって食べて感じる。
簡素なお菓子ならばくり返し試せます。
そのくり返しの中で、何かを発見していただければと思います。

それから、素人の方にも簡単につくれて楽しい。
それもめざしたところです。

同書をつくるにあたり、河田さんは頭を悩ませていたと
あとでお店の人に聞きました。
かなりたいへんだったようです。
シンプルこそむずかしい、からです。

「簡単にできるシンプルなもので、でもおいしくつくってください」
と要望していたのです。
河田さんはそこに向かってまじめに取り組んでくださったのです。

でき上がったレシピは混ぜ方の細かい指示はほとんどないものでした。
混ざればいい。
泡をつぶさないように切るように混ぜる、
とか微妙な混ぜ方はほとんどありません。

撮影のたびに聞くといつも、「混ざればいいよ」と河田さん。
それでもできあがって試食してみると……、

「わぁ、おいしい!」と声が出るほど。

どれも 心底おいしくて豊かな気持ちになる おいしさでした。

レシピ自体がおいしさをめざしているのです。

つくるのを楽しむだけではなく、どうぞ味わうことも楽しんでください。

食べてみて、にんまり微笑んでしまうようなレシピが同書にはあります。


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投稿者 webmaster : 10:01

2011年10月06日

『簡素なお菓子』 Part 5

06112.jpg『簡素なお菓子』
著者:河田勝彦
発行年月:2011年5月14日
判型:B5変 頁数:96頁


2種類のカスタードクリーム

フラン はフランスの家庭菓子です。
タルト生地の中にカスタードクリームを入れて焼く、シンプルなお菓子。

河田さんはこれまでの取材では、カスタードクリームを炊くときには
「粉にしっかり火が通る意識で炊け」といってこられました。
ふつふつといってきたらもうひと息炊くのが基本でした。
ところがフランでは、ふつふついってきたらすぐに火をとめたのです。

???
なんでだろう?

追加取材のときに聞いてみました。

「うー、あれはとろんとさせたいんです。
ふつうのパティシエール(カスタードクリーム)みたいに火を入れると、
冷めたときにくっとしまってきて食感が悪くなります。
あー、また粉は小麦粉だと火を入れ切らないと粉っぽさが残ってしまうので、
コンスターチにしたわけです」

なるほど。。。

「とろんとさせたい」ということから加熱時間も素材もチェンジ!
しかもなるべく早く食べてほしいとのこと。「とろん」が命なので。
シンプルなものでも、イメージがきちんとあるのです。
それに沿って基本のクリームをマイナーチェンジしたわけです。

パティシエのみなさん、そういう発想があるでしょうか。
何年か前にあるお店でフランをいただきました。午前中です。
ホールで冷蔵庫から出したものをその場でカットして供されたそのフランは、
ギュッと締まって固かったのです。正直、あまりおいしいとはいえませんでした。
とかく配合主義、「これはこうつくる」と決まっているのがお菓子の世界です。
でも、おいしく食べさせたいと思う意識が味を変えます。
つくり方を少しだけ変えます。

簡素なお菓子だからこそ、そのことがよくわかります。
「ムラング・コック」と「ムラング・シャンティイ」というメニューがあります。
同じメレンゲでも方向性の違う配合、つくり方のものを河田さんはあえて選んでいます。
違うものを2つ並べて見せる理由があります。
それはどうぞ本でご覧ください。

kanso_vol.5_1.jpg(左)ムラング・コック
エスプレッソと合いそうな苦甘いメレンゲ

(右)ムラング・シャンティ
香ばしいサクサクの生地においしい生クリーム


同書には、基本的なおいしさに関するそうしたヒントが隠れているのです。
あなたはいくつ読みとれるでしょうか?
探してみてください。
レシピだけから読みとれたら、素晴らしいかもしれません。

kanso_vol.5.jpgそれでも変えてはいけないこともあるようです。
今回は「フラン・ナチュール」を紹介しています。

バニラもなにも入れないから
「ナチュール(味を加えない)」です。

でも、卵の味が素朴すぎて、
つい「バニラとか入れちゃだめなんですか?」
と聞いてしまいました。

「ナチュールですから、それはそういうものです」

と河田さんはきっぱり。

変えなくてはいけないとこと、変えてはいけないところがあります。
バカな質問をしてあらためて気づきました。

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投稿者 webmaster : 13:32

2011年09月02日

人気の材料図鑑がさらにパワーアップ!『プロのための 洋菓子材料図鑑 vol.3』 編集担当者より

80783.jpg『プロのための 洋菓子材料図鑑  vol.3』
柴田書店MOOK
発行年月:2011年9月3日
判型:A4変 頁数:284頁


「プロのための洋菓子材料図鑑」は
大変ご好評をいただいているムックシリーズです。

製菓材料の商品改定やトレンドの変遷にともない、
このたび3年ぶりに新版として第3号を刊行することとなりました。
編集部も交代し、いちから図鑑部分もすべて撮影、編集の見直しをしています。

お菓子屋さんにとって、製菓材料も器具もなくてはならないものですが、
意外に新しい商品の情報は現場まで届いていないのが実情でもあります。
メーカーの枠にとらわれず、オールジャンルを網羅するカタログとして
菓子づくりの現場で活用していただきたいというのが、
洋菓子材料図鑑の基本コンセプトです。

ところで、製菓材料はどのような工場でつくっているか、ご存知でしょうか?
たとえばチョコレートの原料はカカオですが、
カカオがどんな香りがするものかを知る人は、実は少ないのでは? 

80783_2.jpgチョコレート工場に入荷するカカオ豆は
発酵した状態で、まるでチーズや味噌のような、
発酵食品独特の香りを放っています。
それが、さまざまな工程を経て、
あの甘くすばらしい香りのチョコレートになる。

「一度見ただけでは、たぶん全部を理解するのは難しいですね。
工場は本当に奥が深いから」と、
見学に同行してくれたショコラティエ ラ・ピエール・ブランシュの白岩さん。
チョコレートづくりを続けるうちに、カカオ豆から
チョコレートをつくる工程そのものを知りたいと強く思うようになったそうです。

ほかにも最新タイプの菓子用米粉の産地や、大阪市内にある黒糖製糖工場、
卵のオートマティックな工場、酒類や栗製品など、製菓材料の源流をめぐる旅に、
パティシエの皆さんと行きました。
ある日は九州、次の日は北関東、翌日はどこへという過密スケジュールでしたが、
現場に行けばメーカーの皆さんの情熱がひしひしと伝わってくる毎日。
パティシエの皆さんも、力を入れて、技術を披露してくださってます。
材料をつくる人と菓子をつくる人、
それぞれの愛のこもったコラボ企画「パティシエと行く! 製菓材料の工場見学」を
ぜひお楽しみください。

また、今回の巻頭企画となる技術講座では「焼き菓子」をテーマに、
パウンドケーキ、マドレーヌとフィナンシェ、マフィンとクッキー、タルト、
バウムクーヘンの技術を公開しています。
製菓材料の基本である小麦粉、砂糖、卵、バターの4大素材は共通でも、
生地づくりや焼成方法によって違う菓子ができあがる。
焼き菓子の不思議を改めて感じます。

80783_3.jpg

菓子づくりは本来科学的なものです。
生地を撹拌する回転数や仕込みの温度、焼成する温度や熱伝導など、
科学的な作用をわかっていないと調整ができません。
でも、あるパティシエさんは理論的に説明してくれた後で、
最後に言いました。「お菓子に科学は必要だけど、
そうすれば”おいしくなる”っていうことが大事ですよ」。
おいしい菓子をつくりたい、その情熱がずっと、
名パティシエたちの仕事を支えています。

パティシエの皆さん、メーカーの皆さんとつくった新しい洋菓子材料図鑑を、
どうぞ菓子づくりの現場でご活用ください。

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投稿者 webmaster : 09:53

2011年08月12日

『小嶋ルミの 決定版 ケーキ・レッスン』 編集担当者より♪

06117.jpg『小嶋ルミの 決定版 ケーキ・レッスン』
著者:小嶋ルミ
発行年月:2011年8月1日
判型:B5変 頁数:128頁


小嶋ルミ先生ファンの皆さま、長らくお待たせいたしました!
「小嶋ルミの決定版ケーキ・レッスン」がようやく刊行となりました。
小社『cafe-sweets』誌上で連載した「小嶋ルミの基本のケーキ・レシピ」を
1冊にまとめる企画が持ち上がったのは昨春のこと。

そこから小嶋さんと打ち合わせを重ねて
「やっぱり看板商品のシュークリームも欲しい!」
「夏向けデザートはクレメ・ダンジューで決まり!」
「和栗のモンブランも捨てがたい!」という具合に、
どんどん追加品が増えていき、さらに小嶋さんからは混ぜ方、
泡立て方などの基本テクニックをまとめた
〈レッスン〉パートを充実させました。

06117_1.jpg

というわけで「あれもこれも」と盛り込んだ全128頁、
ちょっぴり濃厚な本に仕上がっています。
ルミ先生ファンの方はもちろん、
お菓子づくり初心者の方にも“小嶋流お菓子づくりのコツ”を
詳細な写真でわかりやすくまとめていますので、
ぜひ一度お手にとっていただければ嬉しいです。


06117_2.jpg小嶋ルミさんのレシピは、
とにかく「ていねいで細かい!」このひと言に尽きます。
材料は1g単位でものによっては温度指定があり、
混ぜ方、泡立て方は「◇回」「◇分間」と具体的。

さらに、食べごろや賞味期限、
保存方法から温め直すときの温度まで「これでもか!」と
おいしくするコツ、ちょっとしたポイントが満載です。

担当も自宅で何品か挑戦してみたのですが、あっという間に、
ふんわりしっとりした“食べ心地のいい”生地ができ上がりました。
身近な材料でこれだけ差が出るなんて、
小嶋さんのレシピはすごい!!のひと言に尽きます。
とはいえ、そのレシピを生かすも殺すも、
混ぜる・泡立てるなどの基本動作のマスターから、
というのが小嶋さんの考え方。

本書ではこれらの基本テクニックを〈レッスン〉パートにまとめ、
とくに「粉を生地に混ぜ込む」手順を空のボウルを使って
わかりやすく解説しています。

お菓子づくりが大好きで、もうワンランク上の食べ心地をめざしている方、
お菓子づくりを基本から見直したい方に最適な1冊です。


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投稿者 webmaster : 11:20

2011年07月04日

『簡素なお菓子』 Part 4

06112.jpg『簡素なお菓子』
著者:河田勝彦
発行年月:2011年5月14日
判型:B5変 頁数:96頁


同じ生地でバリエーションをつくるのはいやだから

各章の扉頁(最初の頁)の原稿をまとめるとき、
「ケーク」の章で河田シェフがいったこと。

「同じ生地の配合でマーブル状にする、
チョコレート味にするといったバリエーションをつくることはいやだから、
生地は何種類かを考えてつくりました。
材料の違いでお菓子の味や食感、表情も変わってきます。
材料や配合によって表現の違いがあることを知ってほしい」

一般向けのお菓子本を考えるとき、
ジェノワーズ生地ならジェノワーズのバリエーションをつくり、
たとえばショートケーキ仕立てにして挟むクリームやフルーツを変える、
といったような手法をとることが多いような気がします。ラクですから。

でも、河田さんはそういうこと考えもしませんでした。
読者が一般の方であっても、常に 「表現する」 ことを考えます。
どんな材料だったら、どう違うかと。
若いときからそう考えてお菓子と向き合ってきたのです。


05911.jpgそういえば、
『ベーシックは美味しい』の本をつくったときも、
ジェノワーズならジェノワーズの基本生地は1種類ではなくて、
ひとつのお菓子にほぼひとつの生地をつくっていたことを思い出します。

このお菓子にはこの生地が合う、
という発想でお菓子を表現してきたのですね。

『簡素なお菓子』であっても、読者が一般の方であっても、
その姿勢は崩さないのです。

この本のレシピを生み出すのにも
河田さんがおいしいものを目指して表現してきた経験が詰まっています
(プロの方はその配合などを解析したらいいかもしれません)。
とはいえ、ご心配なきよう。

『簡素なお菓子』は、
私にもつくれちゃいそうなくらい簡単なレシピがほとんどです。

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投稿者 webmaster : 10:22

2011年06月09日

『簡素なお菓子』 Part 3

06112.jpg『簡素なお菓子』
著者:河田勝彦
発行年月:2011年5月14日
判型:B5変 頁数:96頁


誰 のレベルに合わせるか!

撮影の合間の会話です。

「だいたいどのくらいの技術レベルの人がつくることを
想定しているの?」 と日置カメラマン。

スタイリストの高橋みどりさんもその場にいました。

「うーん、料理はけっこうつくるけれど
あまりお菓子はつくらないような日置さんくらいの人がつくれる、
って感じかな。とくにお菓子マニアじゃなくていいの」

「みどりさんは?」
「え、みどりさんレベルは関係ないかな」

そこで河田さん。

「ひでえなぁ。失礼なやつだね」
とみどりさんに話しかける。

みどりさんは話を聞いていなかったみたいでした。
キョトンとしていて、なんのことという表情でした。
だしをとるのに鰹節を削るところからはじめるみどりさんですが、
どうもお菓子づくりのイメージがまったくなくて、つい……。
みどりさん、お許しを。

でも、お菓子のプロセス撮りをしていて、みどりさんが
「ほんと、混ぜるだけだね。なんか私にもつくれそう」
とポツリともらしたのです。

「ほんと、つくれそう」 と日置さんも。

そうして料理はするけどお菓子はすすんでつくらない私も
「できそうかも……」とつぶやいたのでした。
それくらい「混ぜるだけ」 が多かったのです。

メレンゲ菓子のムラング・コックも
ホイップした卵白をレードルで天板に持って焼くだけです。

でき上がると試食。 「おいしいね」 の連発。
ムラング・コックも香ばしくておいしかった。

06112_8.jpg
◎ムラング・シャンティイ


香ばしいサクサクの生地に
おいしい生クリーム

06112_9.jpg
◎ムラング・コック

エスプレッソと合いそうな
苦甘いメレンゲ

06112_10.jpg
◎パイナップルの
 イル・フロタント

甘い中に
エキゾチックなパイナップル


本ができ上がって献本したら、日置さんからは
「本がきたから、これでやっとつくれる」 というお礼メール。
つくる気満々。
私もつくります。

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投稿者 webmaster : 11:48

2011年05月24日

『簡素なお菓子』 Part2

06112.jpg『簡素なお菓子』
著者:河田勝彦
発行年月:2011年5月14日
判型:B5変 頁数:96頁


スイートポテト だってつくれますよ

『簡素なお菓子』の打合せ。
商品のジャンル分けについてだいたいの目安を立て、
さて、どんなお菓子をつくるのかという段になったとき、
河田シェフが・・・

06112_7.jpg
「ああ、たとえばスイートポテトだって、
つくれといえばつくれるよ」と
思わず ポロッ といってしまったのです。


スイートポテトはフランス菓子ではありません。
Sweet Potatoは英語。
しかも訳せばただのサツマイモ。

撮影のとき、河田さんのお弟子さんが
フランス語で Patate douce と書いてきたのには笑いました。
フランス語でもただのサツマイモなのです。

でも「スイートポテト」というと、日本人はお菓子だと認識します。
アメリカのお菓子のようですが、日本のものだという気がします。

フランス菓子にこだわってきた河田さんが思わず
「できる」といってしまったのです。

渡りに船。いただき!
「あ、それお願いします」と
速攻で返事を返したことはいうまでもありません。

06112_5.jpg
実は河田さん、スイートポテトを
今回単行本のためにはじめてつくったそうで、
それから試作されたそうです。

それでも河田さん、リッチなコクがあって、
でもしつこくないスイートポテトを仕上げてきました。

さすがです!!!

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投稿者 webmaster : 10:09

2011年05月12日

簡単だっておいしくなくちゃ!! 『簡素なお菓子』 編集担当者より♪

06112.jpg『簡素なお菓子』
著者:河田勝彦
発行年月:2011年5月14日
判型:B5変 頁数:96頁


クラフティは おすすめです。

クラフティの撮影をしていた日のことです。
これに使ったアパレイユ(液)が余り、
河田シェフがビニール袋3つに詰めさせて私に差し出しました。

「これ持って帰ってつくりなさい」
ええっ!? もらうというより、押しつけられたかっこう。

アパレイユは牛乳や生クリームなどの乳製品に
砂糖、卵、粉を混ぜただけのものです。
フルーツをたっぷり入れた耐熱皿にこれを流して焼きます。


私でもうまく焼けるだろうか……、と思いつつ帰宅。


そういえばカットした石垣島のパイナップルの残りがあったけ。
ほかに冷凍のブルーベリーも。
帰ってすぐに焼いてみました。
分量もいいかげんだし、4種類あったうち3種類もらったアパレイユは
一部量が足りないので混ぜちゃいました。


でも、ちゃんと焼けたのです。 3台も。


翌朝会社に持っていきおそるおそる数人に差しだすと、
「あ、おいしいっ!」と誰もが叫んでくれたのでした。

「フルーツはなんでもいいです。
果汁が生地に染みだしたところがおいしいのです」
と語っていた河田さんの顔が神様のように思い出されました。


06112_1.jpg ◎ リンゴのクラフティ

 軽い味わいと
    カリッ とした食感♪

06112_2.jpg ◎ 赤いベリーのクラフティ

 柔らかな生地に
    ベリー の酸味がさわやか!!
 
06112_3.jpg ◎ チェリーのクラフィティ

 濃い味の チェリー
   まろやかにおいしくなる◇

06112_4.jpg ◎ アプリコットのクラフィティ

 柔らかな生地に
    アプリコット の酸味が顔を出す☆

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投稿者 webmaster : 13:16

2011年01月27日

アレルギー対応ケーキ!『しあわせケーキ』 編集担当者より♪

06105.jpg『アレルギーでも食べられる しあわせケーキ』
柴田書店編
発行年月:2011年1月27日
判型:B5変 頁数:104頁


食物アレルギーをもつお子さんは、
年々増加傾向にあるようです。
そうしたお子さんたちでも安心して食べられる、
アレルギー対応のケーキやおやつに注目が集まっています。

ケーキづくりに不可欠な、卵、乳製品、小麦粉を
単体またはすべて除去して、
おいしいケーキができるのでしょうか?

----- 答えは yes です。


本書は、アレルギー対応ケーキで定評のある、
4人のパティシエが独自に開発した
40品超のレシピを掲載しています。

ママさんたちが手軽につくれる普段のおやつから、
プロのデコレーションケーキまで、
レベルもシーンもあえて幅を持たせました。


06105_1.jpg
◎チョコチップマフィン

焼き菓子のつくり方は
材料を混ぜるだけで簡単♪
30分もあればつくれます!

06105_2.jpg
◎プレミアム・アントルメ・ロアジス

豆乳ベースの
チョコレートとオレンジの
2層のムース仕立て。

06105_3.jpg
◎焼きドーナツ

卵・乳抜きの
豆乳入り焼きドーナツも
つくれます♪


どのケーキもおいしそうで、
子どもたちの喜ぶ笑顔が浮かんできます。

----- そう。
ケーキは 「しあわせ」 を分かち合う食べものなんですね。

ご家庭用に、または業務店の商品開発のヒントとして、
本書を多くの方々に手にとっていただければ幸いです。


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投稿者 webmaster : 13:09

2010年12月10日

「なるほど、とうなづけるチョコレート使い」 編集担当者より♪

06088.jpg『チョコレートにとって基本的なこと』

著者:ル・コルドン・ブルー
発行年月:2010年12月13日
判型:B5変 頁数:228頁


フランス人の菓子職人を取材して
書籍にまとめたのはこれがはじめてです。

「フランス人シェフはやはり違うよ」、と言っていた
日置武晴カメラマンの言葉が少し理解できた仕事でした。
なによりも形から入らず、なぜそうやるかを合理的に考えて動く。
それも頭で考える、というよりは体の中に染み込んでいる技術が
あふれてくるような感覚。
このためか「軽々と仕事をこなす」ように見えました。

チョコレートは日本ではまだまだ浸透していないお菓子であり、
技術なのでとくにそう感じたのかもしれません。

06088_1.jpgチョコレートはあらゆる点で温度管理が必要な食材です。
ある温度以下だと急にキュッと締まって固くなり、
ある温度以上だと溶けてしまいます。
型に流す時もこの特性をわかっていないと、
とり出すタイミングが遅すぎて冷えて固くなれば
割れてしまったりもします。
この温度をコントロールすることで
自由自在にボンボンがつくれることを、
かろやかに教えていただきました。

たとえばコーティングするチョコレートを厚くしたい場合は、
とろみを上げる感覚で温度を少しだけ低くします。
逆に薄くしたい時は温度を少し上げたり。


06088_2.jpg樹脂製の型を使ったピエスに
「子ども用ギフト」があります。

ここで使ったのは余分にカカオバターを加えて
柔らかくしたチョコレートでした。
レゴでつくった自家製の型は細かい溝がたくさんあります。
それを型どるのには流動性が高いチョコレートが必要だったのです。
味は本来のチョコレートよりも劣ります。
しかし、子どもが楽しめる形であることを優先させました。


06088_3.jpgまた、樹脂製型は柔らかく、
手に持って作業すると簡単に変形してしまいます。
樹脂製型の場合は、トレイの上で固定して型どりをして見せてくれました。
動いたら形が崩れてしまうからです。
言われてみれば、あたり前の動作なのですが。


つくり手が優秀だったからかもしれませんけれど、
「なるほどね」とうなづける場面が多く、
それがフランス人なのかな、と思った書籍でした。

この点は、チョコレート上級者にも楽しめるのではないかと思います。

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投稿者 webmaster : 10:24

2010年01月06日

デザートのバリエが広がるアイデアいっぱい! 編集担当より♪

06069.jpg

『横田秀夫のアイデアデザート163』

著者:横田秀夫
発行年月:2010年1月27日
判型:B5 頁数:152頁

「バリエーションを豊富に見せたい」というのは
こちらの要望でもあったのですが、
撮影が終わって写真を構成順に並べてみたとき、
よくこれだけバリエーションができたものだとあらためて驚きました!!
ベースの生地などは同じであっても、まったく別物に仕上がっています。
横田秀夫シェフならばできるとは思っていましたが……。

横田氏はパーク ハイアット 東京などのホテルに勤務していた時、
ブティック(販売店)で持ち帰り用の形がくずれないお菓子をつくる傍らで、
ホテル内のレストランやカフェではその場で食べるデザートも提供し、
かつ宴会が入れば飾りもつくるといったホテル特有の仕事を経験してきました。
それぞれまったく別のものをつくるのではなくて、
ブティックでつくっている生地やクリームを活用して、
そこに飾りのパーツやソースを使い、
かつ盛りつけも変えることで効率よく、
かつバリエーション豊かなデザートも提供してきたのです。
そのアイデアがいつも頭に充満していたというわけです。

そのノウハウをさらに発展させて
デザート専門店の「ミキモトラウンジ」のプロデュースや
自身のお店に新たに付帯したカフェに役立て、
そのメニューづくりに開花させてきました。

ノウハウというのは一朝一夕にできるものではなく、
この横田氏のアイデアをこの1冊にまとめたのです。


06069_1.jpg◎ギモーヴのアイスクリームサンド
うずまき形に絞ったギモーブでサンド

冷凍フランボワーズを混ぜ込んだアイスクリーム
  +
フランボワーズのギモーヴ(マシュマロ)

06069_2.jpg◎ピスタチオのプリン
ピスタチオペーストでコクのあるプリン

ピスタチオペーストを混ぜたプリン
  +
ピスタチオのクラクラン(カリカリした糖衣のピスタチオ)

06069_3.jpg◎プチシューのモンブラン
秋向けの栗のシューデザートアレンジ

プチシュー
  +
マロンクリーム

06069_4.jpg◎抹茶プロフィットロール
プロフィットロールの抹茶アレンジ

プチシュー
  +
抹茶ソース
  +
抹茶クランブル


06069_5.jpg◎レモングラスソーダ
清涼感あふれるフレッシュソーダ

レモングラスシロップ
  +
炭酸水

ソース1品、パーツ1品をつくるだけでデザートが広がります ♪

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投稿者 webmaster : 11:24

2009年12月22日

人気シェフのレシピ完全公開♪ 編集担当者より

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『SWEETS BIBLE (スイーツバイブル)』
柴田書店MOOK
発行年月:2009年12月17日
判型:A4変 頁数:160頁

いまフランスでは、伝統菓子をモダンなスタイルにアレンジした
ケーキが注目されています。

たとえば、エクレアを薄いチョコレートに包んでみたり、
大きな車輪型のパリ・ブレストを1人用サイズにつくりかえたり、
タルトを長方形にしたり……。
継承されてきたレシピを踏襲しながら、
時代のトレンドをとり込んだこれらのケーキには、
フランス菓子の伝統と、いまを生きるシェフのオリジナリティが、
バランスよく共存しています。

80751_1.jpg◎パリ・ブレスト

お1人様サイズのパリ・ブレスト。
中には濃厚なプラリネクリームが。


80751_2.jpg◎エクレール・オ・ショコラ

薄いチョコに包まれたエクレア。
見慣れたケーキもモダンな印象に。


80751_3.jpg◎タルト・オ・フィグ

丸型のタルトはもう見飽きた?
長方形のタルトで個性を強調!

さて、日本。
2010年はどんなケーキが注目を集めるのでしょう。
シェフオリジナルのスタイリッシュなケーキも魅力的ですが、
ここはひとつ、フランスにならって、
誰もが親しみを感じる定番ケーキを見直してみるのはいかがでしょう。

シュークリームやチーズケーキ、ミルフィーユなど、
ベーシックなレシピにシェフのアイデアをほんのちょっとプラスして、
他店にはない“わが店の定番”をつくれば、
それはお店にとって大きなチカラになるはずです。
「スイーツバイブル」では、そんなひと工夫のある定番ケーキを特集しました。

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投稿者 webmaster : 19:39

2009年12月17日

定番商品の強化が客数増加のカギとなる!! 編集担当者より

06067.jpg

『ケーキ この人、この店の定番』
柴田書店ケーキング編集部
発行年月:2009年12月10日
判型:A4変 頁数:192頁

寒くなってきました。気がつけば、12月!!
12月といえば、菓子職人が一年で一番いそがしい月です。
いそがしいということは、お客さまの数が増えるということ。
あたらしいお客さまをつかむチャンスの時でもあります。
クリスマス商品にチカラを入れることも大切ですが、
どんなお客さまにも愛される定番商品の強化が、
のちのちの客数増のカギとなります。

というわけで、菓子職人ならぜひともおさえておきたいテーマの本が発売になりました。
その名も、『ケーキ この人、この店の定番』です。

本書は1996ー2007年に年1回ほどのペースで刊行していた
ムック『CAKEing(ケーキング)』の人気連載「この人、この店の定番」をまとめたものです。
実はこの企画は、そもそも『CAKEing』創刊号の巻頭特集だったんです。
ところが、創刊号を読んでくださった方々から、

「こういうことを知りたかったんだ!」
「もっと、他のお菓子もとりあげてほしい!」

という熱い熱いご声援をいただき、2号目からは、めでたく連載企画化が決定。

とりあげた定番菓子は、


06067_1.jpg◎プリン

“クレーム・ランヴェルセ”

06067_2.jpg◎シュークリーム

“シュー・パリジェンヌ”

06067_3.jpg◎ショートケーキ

“オレンジのショートケーキ”

06067_4.jpg◎チーズケーキ

“フロマージュ・クリュ”

06067_5.jpg◎ガトー・ショコラ

“ビスキュイ・ショコラ”

06067_6.jpg◎ミルフィーユ

“ミルフィーユ”

06067_7.jpg◎モンブラン

“モンブラン・カシス”

などなど。

編集部では、毎号とりあげるお菓子が決まると、
ありとあらゆるお店のものを食べくらべていました。
あまたのプリン、シュークリーム、ショートケーキ……。
その結果、いまや編集長は高脂血症。。。(涙)
本書に掲載したのは、そうして選ばれた珠玉のお菓子です!!

店を長く続けていくために、欠かせないのが定番菓子。
本書をぜひぜひお役立ていただければと思います!!

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投稿者 webmaster : 16:51