2017年05月09日

『粉からおこす自家製天然酵母のパンづくり』

6263_1.png『粉からおこす自家製天然酵母のパンづくり』

著者:寺本五郎、寺本康子 共著
発行年月:2017年5月2日
判型:B5変 頁数:192頁

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6263_3.png「ブレッド&サーカス」初のレシピ本が発売となりました!
構想から3年。撮影開始から1年。ついにこのときを迎えることができました。

写真はブレッド&サーカスファンならいわずと知れた、店主の寺本康子さんと五郎さん。康子さんがお持ちのパンはフェンドゥ、五郎さんがお持ちのものはポテトクラウンです。こちらもファンにはおなじみのパンですね。どちらも本書に収録されています。

ブレッド&サーカスは湯河原の駅から歩いて5分ほどの、商店が並ぶ静かな通りにあるベーカリーです。パン愛好家には、開店前の長い行列で知られるこのお店。いつ伺ってもお客の途切れるときはなく、夕方には売り切れじまいをするのが常です。

長いこと待ってやっと入った店内には、しっかりと焼きこまれた大ぶりなパンがところ狭しとぎっしり並んでいます。はじめて訪れたとき、私(編集担当)は、まず棚に並ぶパンのネーミングに心をつかまれました。

リアルカンパーニュ
ウクライナ風黒パン
ポテトクラウン
修道院のパン
ディヴァイン
バイキングのパン
デーツといちじくの甘めのパン

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いままで見たことのない名前とデザインのパンの数々。夢中でいくつも買い込んだことを覚えています。家に帰ってさっそくスライス。片っ端から口に運べば、どれもが、いままで食べたどのお店のものともちがう、深い味わいとしっかりとしたテクスチャーのあるパンでした。

このおいしさを本にして残したい。いや、残さなくては。

そんな思いから、この本の企画はスタートしました。なぜこの配合なのか、なぜこのような作業を行なうのだろう、なぜこの流れでつくるのか。そんなことを繰り返し、お聞きしました。そのたびに店主の寺本ご夫妻がまずおっしゃるのは「そのほうがおいしいから」という一言でした。

それは、「どうやったら昨日よりも少しでもおいしいパンをつくれるだろう」と日々考え続け、国内外のさまざまな文献から学び、独学で自分たちのスタイルを築き上げてきたお二人のシンプルでありながら、ゆるぎない指針なのだと思います。


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お店の二階にある事務所の書棚にはたくさんの本が並んでいました。
これらの文献から学び、そして、それをもとに試行錯誤を繰り返し続けたお二人の日々が、パンの形になって今日もお店に並びます。


6263_2.png本書には、そのうちの50品のレシピを収録させていただきました。配合もコツも手順もすべてを公開していただいています。いさぎよく、なにひとつ隠すことなく、全部を教えてくださいました。

それに加えて、「そのほうがおいしいから」のひとつ先のお話ー―なぜこの配合にしたのか、なぜこの手順なのか、どのようにしてこのパンが生まれたのかーーそんなお話もたっぷりとうかがって収めました。
プロ向けのレシピ本ですが、「ブレッド&サーカスのパンづくり」を深く知ることのできる読み物としてもお楽しみいただける構成になっています。自家製天然酵母パンをきわめたいプロの方から、ブレッド&サーカスのファンの方、そして、パンを愛するすべての方に、お手にとっていただれば幸いです!


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投稿者 webmaster : 16:00

2015年09月03日

Bakery book [ベーカリーブック]vol.9

80126.jpg『Bakery book [ベーカリーブック]vol.9』
柴田書店MOOK
発行年月:2015年9月3日
判型:A4変 頁数:200頁


ベーカリーブックもついに9号を迎えました。
ありがとうございます。

今号のテーマは3つ。
巻頭企画「地の麦でパンをつくる」
特集の「自分を成長(アップデート)させる方法」
技術企画「現代の冷凍を解く」
です。


「地の麦でパンをつくる」では山形の南部小麦、鳥取・大山小麦プロジェクト、三重県の小麦栽培とベーカリー、福岡・糸島ではJA発信のパン用小麦栽培について取材しました。
地域ごとに事情も手法も異なりますが、パン用の小麦栽培をこれから拡大していこうとする機運が高まっていることは、どの地域でも感じられました。

写真は山形・庄内のイタリア料理店「アル・ケッチャーノ」の奥田政行さんがはじめたベーカリー取材の様子。
ベーカリー「地ぱんgood(じぱんぐ)」のために地の小麦を探し、天童市の佐藤さんが自家用に栽培していた南部小麦にたどりついたそうです。

イタリアンシェフの奥田さんもベーカリーで生地を丸めたり、カレーパンを揚げたり。
東北が誇るスターシェフだけに、お店にいる時はお客さまから話しかけられることも多く、「レストランとちがってベーカリーでは気軽に声をかけてもらえてうれしい」とおっしゃって、ベーカリーの魅力にめざめたようです。


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どの仕事においても、あるいは生活においても、自分を「アップデート」することは重要です。

特集「自分を成長(アップデート)させる方法」は、それぞれのステップにあるベーカリーが将来のためにどのような勉強や投資をしているのか、これまでの軌跡とともに紹介する企画です。
看板商品のレシピも同時に公開しています。

特集のしめくくりには、京都・黄檗の大繁盛ベーカリー「たま木亭」の移転アップデートを取材しました。
手狭だった旧店舗の厨房では一昨年の夏、熱中症でスタッフさんがぞくぞくと倒れ、玉木さんは拡張移転を決意。
新しい厨房は広く、空調設備も充実し、労働環境が大きく改善されました。
売り場も格調高くグレードアップ。さらなる成長が楽しみです。


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「現代の冷凍を解く」

冷凍を駆使した製パン法は、大手ベーカリーのものと考えられてきましたが、リテイルにも無縁の話ではありません。少量多品種が求められている現状や、労務時間の短縮問題などを考えると、冷凍法を採用することにもメリットがあります。それでも品質が劣るのでは? と思われていましたが、現代の技術革新によって、冷凍障がいを克服するための資材も開発されてきました。

リテイルベーカリーで避けられていた「冷凍」によるパンづくりに、今回真っ向から挑むのが「ブラフベーカリー」栄徳剛さんと「ブーランジェリー セイジアサクラ」朝倉誠二さん。編集部とともに冷凍法のための資材を知ろうと、メーカー取材を敢行。途中、化学式なども飛びかうなど真剣度150%の取材でした。誌面では冷凍において各資材がはたす役割と注意点などを紹介します。

また、2人のシェフはそれぞれ2品ずつ、冷凍法を用いたパンのレシピを公開。
リテイルベーカリーで冷凍法を取り入れる際の参考になること間違いなしです。

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投稿者 webmaster : 17:57

2014年07月16日

Bakery book [ベーカリーブック]vol.8

80125.jpg『Bakery book [ベーカリーブック]vol.8』
柴田書店MOOK
発行年月:2014年7月17日
判型:A4変 頁数:216頁

特集:ベーカリーの仕事は“段取り”が8割!

今回は撮影シーンを中心に裏話をお届けします。


80125_4.jpg某日。
千葉県松戸市の超繁盛店「ZOPF」の1日に完全密着取材を実施。

朝6:30の開店より前に行こう!ということで、近隣ターミナル駅前のホテルに前泊。

ずっと売り場を見ていましたが、全然行列が途切れません。そしてパンもなくならず次から次へと焼きたてが登場。

うーむ、「瞬発力のあるキッチン」と伊原シェフが言うのはこのことだったんですね。

本誌巻頭でその段取りが明らかにされます!


80125_1.jpg「コンベクションオーブンでつくるパンの最適レシピ」撮影風景。

オーブンによってパンの焼成のメカニズムが変わるということを、撮影したいのですが、さてどうしたら解りやすいのか?


80125_2.jpg「パン種に学ぶ 発酵」の焼成テスト撮影日。

5種類のバゲットを比較するために何十本のバゲットを焼いたのでしょう、、、。

もちろんおいしくいただきました。


80125_3.jpg「パン種に学ぶ 国産小麦」の撮影は十勝に飛んで行ないました。
満寿屋商店さんの麦音店ラボをお借りし、2日がかり。

発酵時間があるパンの撮影はすぐには終わりません。
帰りの飛行機もぎりぎり最終便に駆け込んで、、、。


段取りと食事レシピ取材のために早朝からお邪魔して、
ベーカリーのみなさま、大変お世話になりました!

他にも国産小麦やバターの最新情報、イタリアパンのコーナーなど、
ベーカリーのプロのための情報がぎゅっと詰まった一冊になりました。

ベーカリーブックvol.8は7/17 から全国書店で販売中です!


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投稿者 webmaster : 13:43

2012年05月21日

Bakery book [ベーカリーブック]vol.6

80123.jpg『Bakery book [ベーカリーブック]vol.6』
柴田書店MOOK
発行年月:2012年5月21日
判型:A4変 頁数:204頁


 最近こだわりのベーカリーでたびたび耳にするのが、石臼で自家製粉をはじめたという話。
いろいろな小麦粉を扱うなかで、小麦そのものを自家製粉するパンづくりに挑戦したくなるのは、研究熱心なパン職人にとって自然な流れなのかもしれません。


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 巻頭で紹介した自家製粉の店も、数々のパンの生地配合やレシピを紹介してくれた実力派シェフたちの店も、地元の小麦でパンづくりを実践する店も、いずれもそれぞれにおいしさを追求し、人気を得ている地元密着店です。
また、趣味の米粉パンづくりがこうじて店をオープンした事例からも、パン文化の個性化、多様化への広がりがうかがえます。


 今回取材を通じてあらためて実感できたのが、パン用国産小麦の進化でした。
日本のパンは、ほとんどが外国産小麦からつくられており、国産小麦粉が占める割合は、ほんの数%にすぎません。
それでもニーズの高まりとともに数々の品種が開発され、生産地も広がってきました。
数年前から、人気の北海道産小麦「ハルユタカ」が入手できにくくなっていますが、その事情も今回の記事で理解していただけると思います。
栽培が難しくて、なかなか安定した生産量が確保できないといわれる国産小麦ですが、品種や産地の情報が入るだけに、ますます面白みが増している素材といえるようです。


80123_2.jpg ベーカリーのギフト企画は、洋菓子店のスイーツ対抗(?)企画です。
生菓子よりは日もちがし、持ち運びやすく、価格もリーズナブルなため、意外と増えていそうな“パンの手土産”需要。
「ちょっとしたプレゼントに」という要望にこたえられるような、ぴったりの商品や簡単なラッピングのヒントにしてください。


80123_3.jpg そしてベーカリーのギフトといえば、定番化しつつあるのが、クリスマスの「シュトーレン」。2011年に人気を博した20店の品々を一堂に集めました。なかには、ドライフルーツの洋酒漬けなど、すでに準備をはじめている店もありました。
ドイツの伝統的なレシピから、ケーキタイプ、チョコレートや和風味など、じつに個性豊か。次のクリスマスは、どんなシュトーレンが登場するのか楽しみです。

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投稿者 webmaster : 09:57

2012年01月24日

『毎日食べたい 食パン』

06133.jpg『毎日食べたい 食パン』
著者:柴田書店編
発行年月:2012年1月26日
判型:B5変 頁数:92頁

プロのレシピは一筋縄ではいかないのだ。

パン屋さんのプロセス撮影は朝早い。
そう覚悟して始めたものの、まさかここまで早いとは・・・。
♪あさいちばんはやいのは、ぱんやのおじさん♪
という歌詞は、本当だったんですね。


撮影開始 @ Kベーカリー、午前2:45。
朝・・・じゃなくて夜だ(真っ暗な空に星がきらきら)。

寝ぼけ眼でぼーっとつっ立っている我々撮影隊に、
すでにエンジン全開のKシェフが、てきぱきニコニコと段取りを説明。
説明中にもシェフの手や足が止まることはありません。
常に複数の作業を同時進行。
しかも、夕方までずっとこの調子。

シェフ達の頭の中には、一体いくつ部屋があるのでしょう。
50種類から多い店では100種類ものパンを日々焼くという仕事は、
並大抵のことではないのでした。
なんだか、社会科見学に来たみたい・・・。


ところでパン好きのみなさん、
本のレシピの分量・時間・温度はすべて撮影時に実際に計測した数値ですが、
シェフ達は毎日、同じことを単純に繰り返しているわけではございません。
同じパンでも、水の量は日々調節。
粉の配合も季節によって、材料の状態によって変えています。
生地の発酵時間も、様子を見ながら早く切り上げたり、のばしたり。
パンチや丸めの手加減も、感触から判断して強くしたり、そっと扱ったり。
オーブンに入れてからも、膨らんでくるタイミングや焼き色から判断して、
途中で温度や時間を微調整……とまぁ、何から何まで手加減が加わっており、
一筋縄ではいきません。

これこそ、何百回も同じパンを焼き続けている経験のなせるワザ。
それがプロであり、職人である所以です。
一朝一夕にできる仕事ではございません。

おまけに、早起き(!) 。
ついつい深夜までDVDを見ちゃったり飲んだくれたり、
なんていう自堕落な生活とは縁を切った、崇高な世界がそこにはあるのでした。


さて、掲載したパンの一部をちらりご紹介。


◆ 「アングレ」 カタネベーカリー

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さっくり心地よい歯ごたえは、山形パンの王道。
発酵バターといちごジャムの重ね塗りが、
シェフとマダムのおすすめの食べ方です。


◆「S100」 ダン ディゾン

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豆乳100%で仕込んだ動物性材料不使用の食パン。
ハードパン並みの力強い歯ごたえにびっくり。
野菜やきのこなどの惣菜と一緒に食べてみてください。


◆「コンルーバ」 トラスパレンテ

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国産小麦100%、二段仕込みのレーズンパン。
もちもちして味わい深い生地と香ばしい耳の対比が絶妙。
トーストしてあっさり煮上げたジャムをのせて。


◆「抹茶&大納言」 パナデリーア ティグレ

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抹茶ペーストと小豆を練りこんだリッチで甘い食パン。
トラ柄とほろほろの食感は、一度食べたら忘れられないインパクト。
カスタードソースを添えるとうるわしいデザートに。


最後に、微に入り細に入りの取材撮影に応じてくださったベーカリーの皆様、
本当にありがとうございました。

カタネベーカリー・片根シェフ/ダン ディゾン・木村シェフ
トーストネイバーフッドベイカリー・鈴木シェフ/トラスパレンテ・森シェフ
とらやベーカリー・森岡シェフ/ネモ・ベーカリー&カフェ・根本シェフ
パナデリーア ティグレ・望月シェフ
ブーランジェリー・エ・カフェ マンマーノ・毛利シェフ
ブーランジェリー&パティスリー カルヴァ・田中シェフ
ブーランジェリー パサージュ ア ニヴォ・大和シェフ  (店名五十音順)

日々の仕事だけでもてんてこまいなのに、厨房だって決して広くないのに、
こころよく受け入れてくださって本当に感謝しております。
この本をきっかけに、ひとりでも多くのお客さまが貴店を訪れ、
おいしいパンに出会いますように!


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投稿者 webmaster : 10:17

2011年12月26日

『人気のパン☆ヒットパレード』

06131.jpg『人気のパン☆ヒットパレード』
著者:柴田書店編
発行年月:2011年12月26日
判型:B5変 頁数:152頁

アイデアマンで段取り上手。
サービス精神も抜群!
繁盛パン屋さんは、そんな“デキる”方々でした。

人気のパン屋さんで、
ピカリkira.jpgと光るアレンジパンのレシピをうかがった本書。

レシピ数は1店につき最低4品、多いお店では7品から8品。
しかも、もれなくパンづくりの工程写真撮影までお願いしてしまおうという
盛りだくさんな取材を、快く OK してくださったのが、
本書に登場する11人のシェフたちです。

取材時間は、仕込みのスタートに合わせてtaiyo.jpg朝4時半から、
あるいはお店用の仕込みが一段落した夕方から、
あるいは2日にわたって……と、各店色々でしたが、
どのシェフにも共通するのは目を見張るような段取りのよさです。

必要な発酵や焼成の時間を見積もり、
「はい、じゃあAのパンのミキシングが終わったから、
発酵させている間にBのパンを成形しますね。
Cのパンは発酵させておきましたので、この次にやりましょう。
そのころには、Aの発酵が終わるでしょうから……」といった具合に、
別々のパンの作業を交錯させてテキパキとすすめるシェフ。

そして、最後にはすべてのパンがこんがりと焼き上がる。
それは、まるで綿密に構築された
オムニバスドラマのようにも思えるのでした。

しかし、80種から100種にも及ぶパンを毎日つくるシェフたちにとっては、
そんな段取りは当然の仕事だといいます。

おいしいパン、楽しいパンを考え出すアイデア力。
毎日決まった時間に、それらのパンをつくり上げる段取り力と持久力。
そして何より、もっとお客さまを喜ばせたいと
日々新たなパンづくりに取り組むサービス精神。

そんなシェフたちの人間力が、
そのままパン屋さんとしての魅力につながっています。

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投稿者 webmaster : 09:53

2011年06月22日

動く、動く、伊原シェフが動く!

06116.jpg『ぜったいに失敗しないパンづくり』
著者:伊原靖友
発行年月:2011年6月30日
判型:B5 頁数:90頁

06118.jpg『ぜったいに失敗しないパンづくり』 【DVD付き特別版】
著者:伊原靖友
発行年月:2011年6月30日
判型:B5 頁数:92頁 DVD収録時間:65分


動く、動く、伊原シェフが動く!
パンづくりムービーの顛末


06116_4.jpgパンの本を何冊か編集して、
気づいたことがあります。

パンづくりのこまかい作業を説明するのに、
レシピと写真だけでは限界があるな、と。
読者の皆さんが、
パン教室に通う気分で楽しめるDVDをつくろう。
そんな決意で、この企画はスタートしました。


先生役はツオップの伊原靖友さん。
行列のできる人気ベーカリーのオーナーシェフです。
伊原シェフはプロ中のプロですから、腕の確かさは言うに及ばず。
家庭でプロ並みのパンをつくる裏ワザを、次から次へと披露してくださいました。
そのよどみない手さばきといったら……。
スタッフ一同、思わず見惚れました。

さらに、蓋を開けてみたら、トークもすごかった!
ナレーションいらずの、台本いらず。
伊原シェフは、教室や講演をいくつもこなす“パン伝道師"でもあります。
当然、トークもプロ級なのでした。

シーンと静まりかえった現場でカメラがまわり、全員の視線がシェフに集中。
そんななかでも、普段通りてきぱきと動き、顔はいつものニコニコ顔、ひたすら平常心。
いや、お見事。ただモノではありません。


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本の説明や写真だけでもおいしいパンはつくれますが、ここはぜひ、
“動く伊原シェフ"をとくとご鑑賞ください。
映画のことをモーション・ピクチャーなどと申しますが、動く映像には、
代え難い威力と魅力があるものです。


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ちなみに、パンの質感を見せるために半分に割っている美しい手タレは、
ツオップの“宣伝部長"こと、奥様のりえさんです。
こちらはマネージングのプロ。スケジューリング、パンのフィリングづくり、
シェフの撮影アシスタントと、何から何まで仕切れる凄腕です。


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投稿者 webmaster : 10:01

2011年05月26日

ベーカリ18店の絶品レシピ!『アイデア・サンドイッチ』 編集担当者より♪

06113.jpg『アイデア・サンドイッチ』
柴田書店編
発行年月:2011年6月1日
判型:B5 頁数:160頁


編集作業のはじまりは、
「ひたすら サンドイッチ を食べる」 ことでした。

サンドイッチがベーカリーの棚に並ぶのはランチ前。
編集部員たちは、朝から「これは」と思う店をまわって
サンドイッチを買い込みます。
昼すぎには全員が編集部に集合。

あとはみんなで食べるのみです。

そんな日々が2週間ほど続き、
みんなのお腹まわりが普段よりもややふっくらしてきた頃のこと。

「おいしいサンドイッチとはなんぞや?」という疑問の手がかりが、
雲間からもれるひと筋の光明のようにぼんやりと見えはじめてきます。
その手がかりを胸に、取材へ!
お店にうかがってレシピを取材しつつ、
「おいしいサンドイッチをつくるためのコツ」をお聞きしました。


たとえば、、、

06113_1.jpg●モッツァレラとツナ、ドライトマト
 [クピド!]


モッツァレラの繊細なおいしさは、
ツナを合わせるとぐっと引き立つ。

アクセントのアンチョビペーストはべたっと塗らず、
パンの上側3カ所に点々と塗ると
ほどよく上品な旨みを添えられる。

06113_2.jpg●ハムエッグサンド
 [ネモ ベーカリー&カフェ]


定番の組合せだが、卵は注文が入るごとに
ふわふわのスクランブルエッグに焼き上げてはさむ。

さらに、パニーニグリラーで焼いて
こんがり香ばしさをプラス。

06113_3.jpg●味噌カツドッグ
 [エス ブーランジュリー]


トンカツに、なんとりんごのコンポートと
焼きりんごを合わせる。

意表をつく組合せでお客の心を惹きつける。

06113_4.jpg●ルヴァン・フリュイのクリームチーズサンド
 [ドミニク・サブロン]


ナッツやドライフルーツがぎっしりと詰まった
贅沢な味わいのパンには、
ヘーゼルナッツプラリネ入りの濃厚なクリームチーズを。

おやつにもお酒のおともにもぴったりな1品に。


06113_5.jpgおいしさのコツはサンドイッチの数だけあるといっても過言ではありません!
とはいえ、取材するうちにおいしいサンドイッチに共通する極意があるのもわかってきました。
巻頭で「サンドイッチ おいしさのコツ」と題し、イラストをまじえて楽しく解説しています。

編集を終えたいま、
「おいしいサンドイッチとはなんぞや?」 と問われたら、迷わず答えます。

「2週間さまざまなサンドイッチをひたすら食べ続けてもなお、
手がのびるサンドイッチ」
であると。

そんなサンドイッチばかりを集めた1冊です。
パン好き、サンドイッチ好き必見!
ぜひお手にとってくださいませ。

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投稿者 webmaster : 19:12

2011年03月24日

おいしいパンには理由がある! 『基礎からわかる製パン技術』 編集担当者より♪

06107.jpg『基礎からわかる製パン技術』
著者:吉野精一
発行年月:2011年3月22日
判型:AB 頁数:248頁


白く、やわらかな混沌。
パンの神様に試され続けた3年間。

まずは、3月11日に発生した東北関東大震災で被災された皆様に、
心よりお見舞い申し上げます。
今回ご紹介いたしますのは、地震のときにちょうど製本していた本。
パンの専門書です。
パンはご飯にくらべて日持ちがするため、
被災地で食事として活用されているようです。
この本を読んだ方がつくったパンが、
被災地に届けられたりすることもあるかもしれません。
被災された皆様の日々の暮らしの支えとして、また今後の復興に、
弊社の刊行物が少しでもお役に立てれば幸いです。


この本は、足かけ3年のプロジェクトでした。
3年を通じてわかったのは、パンの奥深さ。パンづくりは“道”なのです。
この道を究めるには、修行僧並みの鍛錬と悟りが必要なのでした。
煩悩まみれの担当編集者は、パンの神様に試されては
奈落の底に突き落とされる苦行の日々でした。


修行の第一段階は、生地をこねるミキシングです。
著者である大阪辻製パンカレッジの教授陣が
ミキサーに材料を投入、スイッチ・オン。
小麦粉と水が混ざり、徐々に生地に変わっていきます。
白くてやわらかそうで、顔を書いたら癒し系キャラになりそう。
くちゃくちゃ、もちゃもちゃ、ぱたぱた……
生地は一定のリズムでぐるぐる回り続け、
眠気にも似た気持ちよさを誘います。
それを凝視している担当編集者は……


◎ 1分経過
06107_1a.jpg あら、なんだか視界の周辺部がぼんやりしてきた。
ちょっと眼の調子が悪いのかも。
「最初は材料を混合する過程です」と先生。
ふむふむ、そうなのね、と先生の説明をメモするわたし。

◎4分経過
06107_2b.jpgあれ、頭がぼーっとしてきた。
いけない、仕事中なのに。
緊張感が足りないんだわ。ん??
でも、このぼーっと感、なんだか心地いい。
「生地が少しずつまとまってきましたよ。
ほら、つながってきたでしょう?」という先生の声が、妙に遠い。あー、どんどん遠くなる……。

◎8分経過
06107_3c.jpgここにいるのは、白くやわらかいパン生地とわたしだけ。
押しよせるアルファ波の中で、心地よさに負けて堕ちていくわたし。もう、あらがうのはやめよう。こんなに気持ちがいいんだもの。
何なんだろう、この白いモノが生み出す心地よい混沌は……。

突然、がちゃんとミキサーが止まり、
「こね上がりましたよ」という先生の声。
一気に現実の世界に引き戻されます。
あっ、ここは大阪の辻製パンマスターカレッジ。
いけない、わたしは取材中。
パンの神様、ごめんなさい。次は、絶対に理性を失わないようにします。

そんな自堕落な編集者を、悟りの境地におられる
吉野先生、梶原先生、浅田先生、伊藤先生、宮崎先生、
そして辻静雄料理教育研究所の近藤乃里子先生が、
正しく導いてくださいました。
白くやわらかな混沌から、すばらしいパンの数々を生み出してくれたのです。


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はっと我に返ったら、そこはフランス。


『パン・トラディショネル バゲット』


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お隣りドイツにも、パンの神様がたくさんいそう。


『シュヴァイツァーブロート』


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イタリアのパンは、どれもとても個性的。


『パーネ・トスカーノ』

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ごまたっぷりの輪っかは、トルコの名物。


『スィミット』


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え? オランダ? なんで米の粉で上がけ?
(本を読むとわかります)


『タイガーブロート』


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もちろん日本人が大好きなパンも勢揃い。


『ハードトースト』


67種類ものパンレシピを製パン科学とともに紹介するこの本は、
まさに求道の書、バイブルです。

パン職人を目指す皆さん、本書を片手にパン道を突き進んでくださいね。


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投稿者 webmaster : 09:31

2010年05月19日

こんなに変わった、パン屋の店づくり!!  編集担当者より♪

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『Bakery book [ベーカリーブック] vol.4』
柴田書店MOOK
発行年月:2010年5月20日
判型:A4変 頁数:192頁

80121_1.jpg2007年から年1回のペースで刊行している「ベーカリーブック」。
毎回さまざまな形態のベーカリーを紹介してきましたが、
今号も、時代の先端を行く、ユニークな店をたくさん詰め込みました。
大特集は、「こんなに変わった、パン屋の店づくり」。
そう、パン屋さんはいま、ドラスティックな変貌を遂げているのです。

たとえば、いままでのパン屋さんのイメージは、
(1) トレイにのったパンを選ぶ、セルフサービススタイル
(2) 物販業である
(3) 消費者が共通して描く、パン屋さんのイメージに沿った店づくり

ところが、最近の店づくりの傾向は、
(1) お客さんとのコミュニケーションがとれる対面販売が主流に
(2) カフェ、イートインスペースを併設している
(3) 店主の個性が表現された、独自の空間

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念願の独立開業を果たした若き店主は、言います。
「対面販売で、それぞれのパンの特徴を伝えたい」
「焼きたてのパンを、その場で味わってほしい」
「パンに合う料理やドリンクも提案したい」
彼らが思い描く店は、パンの“製造・販売”から一歩踏み出した、“パンの提案”の場。
パンをつくって売るだけでなく、お客さんに自分なりのパンの楽しみかたも伝える。
それが理想のようです。

店は、パンを“売る・買う”ための空間から、パンを“伝える・楽しむ”空間へ。
日本のパン文化も、いよいよ成熟してきたように思います。

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投稿者 webmaster : 15:11

2009年11月16日

プロならではの究極の配合を紹介するレシピ集!! 編集担当者より

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ブランジュリ タケウチ
『どこにもないホームベーカリーレシピ』

著者:竹内久典
発行年月:2009年11月20日
判型:A12切 頁数:84頁

竹内久典シェフの前回の本(ブランジュリ タケウチ どこにもないパンの考え方)が完成し、
しばらくご無沙汰して久しぶりにお店に行くと、
開口一番「いま、ホームベーカリーに凝っているんですよ!」とシェフ。

「え? ホームベーカリーってあの家庭で使うやつですか?」
「そう。最近ブームなんですよ。知らないんですか?」。

……それまで私の中でホームベーカリーといえば「音がうるさい、
焼きたてはおいしい、そのうち飽きる…」と、
そんなイメージだったんですが(すみません。
でも、シェフも最初はそう思っていたそうです)、
「ま、一度作ってみてくださいよ」とホームベーカリーとシェフのレシピを拝借し、
さっそく焼いてみると……これがびっくりするおいしさではありませんか。
「すごくおいしいです!」「でしょう?これ、本になりますよ」「すぐにやりましょう!」と
話はトントン拍子で進んだものの……これからがシェフは大変でした。

本を作るにあたり、「家庭で無理なく作れるように」と
一番シンプルな「食パンコース」のみを使ったレシピにする、と決めたので、
材料をセットしたあとはすべて機械任せ。
シェフが手をかけられるのは材料とその配合しかありません。
何度も試作を重ねる中で機械の特性を把握し、
それに合った配合を考え出すのに試行錯誤していただきました。

おかげで、「これ、本当にホームベーカリーで焼いたの?
ちゃんと竹内くんの味がするよ」
(本書にも登場いただいた「ラ・トォルトゥーガ」の萬谷浩一シェフ談)というレシピが完成しました。

ちなみに本の作成中、実証のために会社で毎日焼き続けたところ
「ホームベーカリー買う!」という人が続出。
社内ではp46「ナポリ」が一番人気、
個人的には、初めて焼く人にはp12「ミルクハース」がおすすめです。

napori.jpg◎ナポリ

イタリア料理店で食べたジャガイモのニョッキに入っていたのが、
トマト、バジル、松の実。
この組合せでパンを作ったパン。

milk.jpg◎ミルクハース

ほんのりミルクの香りがする、ふかふかの食パン。
ほのかな甘みと口どけのよさは、
子供にもお年寄りにも喜ばれます。

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投稿者 webmaster : 16:11

2009年08月28日

「ハッピーサンドイッチ」 取材・編集のお話。

dayori_1.jpg

『ハッピーサンドイッチ』
著者:おおつぼ ほまれ
発行年月日:2009年8月31日
判型:B5判 頁数:200頁


著者にとってはこれが2冊目の著書。
いささか緊張して撮影はスタートしました。

撮影前にこちらが少し危惧していたのは、
「見た目がみんな似ていたらどうしよう?」ということですが、それはいらぬ心配でした。

とにかくバラエティ豊か。
1人の著者でこんなに表情の違うサンドイッチが作れることに、感動です。
そして1つ1つのサンドイッチがとにかくパワフル。

「そんなにパテが大きくて大丈夫?」

「そんなに詰めて、はさめるのか・・・」

「あっ、そんなに重ねて・・・」

なんて心配は無用。
著者はガシガシと仕上げていきます。

そしてでき上がったサンドイッチの美味しかったこと!


dayori_2.jpg◎野菜onフォカッチャ

ベジタリアンサンドイッチなどに興味もなかった著者が
初めて「試しに…」とトライして感動した一品。

編集担当の私も一番のお気に入り。
野菜好きにはおすすめです!


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投稿者 webmaster : 12:01