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2013年02月15日

『居酒屋 2013』

80807.jpg『居酒屋2013』
柴田書店MOOK
発行年月:2013年2月19日
判型:A4変 頁数:236頁

毎日のようにお酒を呑みにいく私。
なぜなら、そこに『居酒屋』があるから、なんてことではなく、やっぱり肩肘張らずに呑めて食卓を囲む楽しさとシーンが好きだから。もちろん赤提灯にも大衆酒場にも、バルにもビストロにも行くし、新しいコンセプチュアルな店にだって行く。
行って行って行きまくって(ということは、呑んで呑んで呑みまくって)、MOOK『居酒屋2013』の特集を考えました。

切り口は「名物料理とその売り方」です。
各居酒屋の食材や調理法に対するこだわりはもとより、お酒と料理をどうマッチングさせて、どんな風に提供すれば、お客様が喜んで満足してもらえるかという“売り方”にも焦点を当てています。
もちろん原価はいくらで、経営的に儲かっているのかというビジネス視点も盛り込んでいるので、売れるメニューを開発したい方はもちろん、オリジナルの業態を出店したい方にはおすすめの一冊となっています。

それにしても売り方って大事だよな?とつくづく感じる今日この頃。
日本酒を売るにしたって、たとえば、お客様の前で「ストップというまで注ぎますね」とスタッフが会話しながら注ぐとしましょう。ぐぼんだ皿の上にグラスを置いて、そこにトクトクと注ぐと、たぶんお客様はグラスの表面までいっぱいになった時点で「ストップ!」と言うはず。でもね、「お客様、このお酒はとっても呑みやすいんです。もっと呑んで楽しんでください」なんて言いながら、ぐぼんだ皿まで並々にこぼして注げば、絶対に喜ぶでしょう。それは料理だって同じこと。とりあえずの料理としてオンメニューされている「冷奴シラス乗せ」でも、お客様の目の前で「ストップ」がかかるまで豪快にシラスを乗せれば嬉しいし、刺身で食べ残したツマを、一度厨房に戻して、きれいに「大根サラダ」になって出てきたら大満足。お通しにしてもカニ一杯が提供されたら、お客様は他の知人に伝えたくなるものなんです。売り方って本当に重要ですね。

それに、日本酒を売る居酒屋だって、ビストロメニューがあってもいい。
ワインを売る店に和食があってもいい。自由なんです、居酒屋って。
そんな居酒屋の魅力を、「料理×酒」の視点で紹介しているのがMOOK『居酒屋2013』です。
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特集は「名物商品をつくろう」「お通し革命進行中」「乾杯酒の新スタイル」「大ヒット酒場の本命―和酒バル・和酒酒場・ピッツァ酒場・ワイン食堂―」です。

この他、初対面となった居酒屋甲子園理事長vs日本居酒屋協会会長の対談や、若手経営者に「渇!」を入れた「居酒屋オヤジ(石井誠二氏・宇野隆史氏・八百坂仁氏)」のメッセージなどが掲載されています。

面白く読めて、役に立つ。
そんなスタンスで編集したMOOKです。
ぜひ読んでいただけましたら光栄です。

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投稿者 webmaster : 2013年02月15日 17:05