« 第47回 (3月11日 ― 3月17日) | TOPページへ | 第49回 (3月25日 ― 3月31日) »

2012年03月27日

第48回 (3月18日 ― 3月24日)

早いものでこの日記ももうすぐ1年。来週が最終回です。


3月18日(日)くもりのち雨

20120318.jpg[昼]
・白菜と黒キャベツのしょうが煮びたし
・納豆
・ブロッコリースプラウトの味噌汁
・3分づきごはん
・発酵赤カブ漬け、無農薬キウイ


20120318_1.jpg今日はオフ。
下北沢の「七草」の前沢リカさんにいただいたイタリア野菜「黒キャベツ(カーボロネロ)」が冷蔵庫に残っていたので、白菜と油揚げと一緒に、たっぷりのしょうがのせん切りと赤唐辛子少々を加え、しょうゆ味の煮汁で煮びたしにした。黒キャベツは加熱すると甘みと深い味わいが出てはまるおいしさ。和食にも合う。

午後はトートタロットの入門講座を受けに行った。
タロットカードの中でも難解とされるトートタロットには以前から
興味があったが、講座に行くのは初めて。こういうの、大好きなのです。
1枚のカードの中にさまざまな神話の象徴が隠されていて、とてもおもしろかった。


3月19日(月) 晴れ

20120319_1.jpg[夜]
居酒屋にて
・おでんの盛り合わせ
・根菜の煮もの
・アボカド豆腐
+活性にごり酒

連載している雑誌『nid』の撮影で、「根ミツバと山ウドの焼きうどん」を作った。
春は香りのよい山菜や野草が多く出まわり、いろいろな料理に加えると、
いつもの食卓が春らしい爽やかな香りに包まれる。
根ミツバと山ウドは数少ない日本原産の野菜(野草?山菜?)で、
香りも食感もよいので、ハーブや薬味の感覚で炒めものに加えるとおいしい。
根ミツバの根は水を入れたコップにさしておくと、
次々に芽が出て、味噌汁やお吸いものに使えて重宝する。
「仙」ではとくに香りのよい根だけを天ぷらにしてお出ししている。
昼はいつもの「ノルド」で、夜は行きつけの居酒屋で軽く飲んだ。


3月20日(火) 晴れ

20120320.jpg[昼]
・おにぎり2個、発酵赤カブ漬け
・白菜と黒キャベツのしょうが煮びたし
・新ごぼうと根ミツバの味噌汁
+よもぎとスギナのドリンク

20120320_1.jpg[夜]
・百合根とブロッコリーの塩チャーハン
・大根と発酵白菜漬けとドライトマトの
 ピリ辛スープ

寒さがやわらぐ春分ごろから、青汁や野菜の生ジュースを飲んでいるが、
今日は九州から取り寄せたよもぎとスギナの粉末を水に溶かして飲んだ。
どちらもミネラル、ビタミン、繊維、サポニンなどの天然の栄養素が多く含まれ、
日本では薬草として親しまれている。

夜は、塩だけで漬けて発酵してうまみを増した白菜と大根、ドライトマトを
厚手の鍋でコトコト煮込み、野菜だけとは思えないこくのあるスープを作った。
酸っぱくなるまで発酵した漬けものは、体にもよいが、
うまみを持った塩分として塩麹のような感覚で使える。


3月21日(水) 晴れ

20120321.jpg[夜]
居酒屋にて
・メカブとろろの海苔巻き
・たけのこと空豆の炭火焼き
・自家製燻製
・きのこ土鍋ご飯
20120321_1.jpg+活性にごり酒、純米酒

「仙」の仕込みの日。
この時期になると春の食材がだいぶ出揃って、眺めているだけでわくわく楽しい。
・春キャベツと赤ピーマンと豆腐のテリーヌ
・新ごぼうと原木しいたけと大豆のたたき焼き
・新じゃがとノンシュガーいちごジャムのケーキ
・たけのこの丸焼き
・花わさびのおひたし
などを仕込んだ。
夕方から編集者さんと新しい本の打ち合わせをし、
その後、行きつけのお店(今週2回目!)で一緒に飲んだ。
ピンク色の活性にごり酒や桜酵母の純米酒など、
この時期ならではのお酒をいただき、楽しいひとときを過ごした。


3月22日(木) くもり

20120322.jpg[昼]
ラーメン屋さんで“菜菜ラーメン”
・ベジタリアンラーメン
・ベジぎょうざ
+ランチ生ビール

「仙」の営業日。
私のお店「菜懐石 仙」を今年8月に閉店することを決めて、知り合いに
ポツリポツリと話していたら、「もう1回行きたい!」とか
「なくなるまでに一度行ってみたいなぁ」というお客さまからの予約が増えてきた。
今日のお客さまもそのひとり。
お店の顧客名簿の全員に「閉店します」ハガキを出せば反応は大きいと思うが、
妹も私も、あまり混んでしまうと疲れて萎えてしまう性分なので、
小さな声で少しずつ伝えようと思う。

「仙」の開店前におにぎりを、営業後は駅前のラーメン屋さんで「菜菜ラーメン」と
名付けられた、一切の動物性を使用しないベジタリアンラーメンを食べた。
【ななラーメン】と読むらしいが……
まさか、私の「菜菜ごはん」のパクリじゃないよね!?
ラーメンはスープに野菜だけとは思えないうまみやこくがあって、なかなかのもの。
まったく肉を使っていない「ベジぎょうざ」も頼んでみたが、こちらも普通においしかった。
こんなラーメンが食券を買うような駅前のラーメン屋さんで食べられるなんて、
ちょっとびっくり。


3月23日(金) くもりのち雨

20120323.jpg[昼]
「ノルド」にて
・生野菜のサラダ
・あぶりホッケとほうれん草のスパゲッティ
+生ビール、ソイラテ

「仙」の営業日。
昼前から雨が降り出したが、退院祝いと快気祝いのお客さまがいらっしゃって
お店は賑やかだった。
デザートに作った新じゃがといちごジャムのケーキが好評だった。
これは、乱切りにして蒸し煮したじゃがいも2個、ノンシュガーいちごジャム100g、
豆乳1カップ、小麦粉大さじ2、メープルシロップ大さじ2、菜種油大さじ2、
アーモンドパウダー大さじ2、寒天パウダー2g、塩麹少々をミキサーにかけ、
薄い型に入れて200度のオーブンで20分から25分焼き、冷蔵庫で冷やせばできあがり。

今日も開店前におにぎりを食べ、閉店後に「ノルド」でパスタランチ。


3月24日(土) 雨のちくもりのち晴れ

20120324.jpg[昼]
「ノルド」にて
・生野菜のサラダ
・ホタルイカのスパゲッティ
+ソイラテ

朝から小雨が降って、思っていたよりも寒い1日だった。
毎月来てくれる常連さんがご来店。
8月に閉店することを伝えると「とても残念だけれど、8月まで毎月来ますね」
とうれしいお言葉。
「こんなお客さまのおかげで、10年も続けられたのだ」と
後ろ姿を見送りながら、心から感謝した。


[著者略歴]
カノウユミコ
鳥取県の専業農家に生まれる。生来の料理好き。高校生の頃から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理、精進料理を研究する。精進料理「菜懐石 仙」のオーナーシェフ。家庭でかんたんに楽しめるベジタリアン料理教室も主宰する。著書に 『菜菜ごはん』 『ますます菜菜ごはん』 『菜菜スイーツ』 『菜菜ランチ』 『菜菜おつまみ』 『菜菜おつまみ2』(すべて柴田書店)、『やさいのかみさま』(小学館)、『ベストヒット野菜料理』(講談社)ほか多数。最新刊は『菜菜おつまみ2』。

柴田書店Topページへ

投稿者 webmaster : 2012年03月27日 15:04